ロシアのウクライナ侵攻は、ウクライナ紛争中の2022年2月24日にロシア連邦がウクライナに軍事侵攻したことにより始まった戦争だ。その時からもう3年半以上、経過している。
いいかげん、終わらせてもいいのではないか。ロシアでも停戦を望む声が広がっている。ロシアの住人、そしてウクライナの住人にとっていい事は何もないではないか。と、ぼくは思うのだが、戦争は継続したままで国民生活に影響が出ている。
● 燃料価格が約25%上昇
ウクライナによる大規模なドローン攻撃により、ロシア国内の多くの地域で燃料不足が深刻化している。「ウクライナ安全保障・協力センター」のクザン会長によると、ロシア国内の燃料価格が約25%上昇しているということだ。
また米誌「フォーブス」によると、闇市場でしかガソリンを入手できない地区も多発しているといい、そうした闇市場では1リットルあたり日本円で約350円(=日本の約2倍の価格)で取引されている。
なぜウクライナはロシアの石油施設を攻撃するのか?「フォーブス」によると、製油所を狙うのはロシアの軍事費の財源を締め上げ、既に逼迫(ひっぱく)しているロシア経済にさらなる圧力を加えるためだという。
こうした攻撃は実際にロシア経済にダメージを与えている。
先月のロシアの石油・燃料輸出量は日量で約730万バレルで、これは前の月と比べて7万バレルの減少で、ロシアの原油・石油製品の販売収入はウクライナ侵攻が始まって以来最低クラスの水準となった。
ロシアメディア「イズベスチヤ」によると、ロシアの個人ローン延滞額が総額で約2兆8000億円に上り、統計を取り始めてからの6年間で最も高い額になった。
ウクライナのドローン攻撃による燃料不足や生活苦が深刻になるなか、ロシアの独立系世論調査機関「レバダセンター」の先月の調査では「和平交渉に移行すべき」と回答した人が66%と過去最高だった。
その一方で「軍事行動の継続を支持する」と回答した人は27%で過去最低。停戦を望む声が広がっている。
● 本来の国境を回復することは可能
アメリカのトランプ大統領は9月23日、ウクライナのゼレンスキー大統領と会談を行った。「ロイター通信」によると、ゼレンスキー大統領は会談冒頭、記者団に「アメリカそしてヨーロッパ各国による(ロシアに対する)さらなる圧力と制裁が必要だ」と語ったという。

トランプ大統領は会談の終了後、自身のSNSに「EUやNATOの支援があれば、ウクライナは領土を取り戻す戦いに勝ち、ロシアに侵攻される前の本来の国境を回復することは十分に可能だ」と投稿している。
自分の立場を変えたことに関しては、トランプ大統領は「ウクライナとロシアの軍事的・経済的状況を知り、完全に理解した後」でのことだと説明した。
トランプ氏はこれまで、戦争を終わらせたいとの願いを繰り返し表明している。ただ、終戦に至るにはウクライナが領土を放棄することになる可能性が高いと警告してきた。ゼレンスキー氏は一貫してこれを拒絶してきた。
トランプ氏のこの日の投稿は、悲惨な状況だと言い続けてきたウクライナに関して、自らの方針を180度転換するものだ。
参照:ロシア国内で燃料不足が深刻化 ウクライナの大規模ドローン攻撃が原因か
トランプ氏、ウクライナは全土をロシアから取り戻せると 立場を一転
