8月15日は終戦の日。1945(昭和20)年の8月15日、日本が無条件降伏をしたことで、第二次世界大戦が終結した。 戦争が終わった日として「終戦記念日」、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」とも呼ばれている。
その8月15日にて、先の第二次世界大戦の終戦から80年を迎えた。一方の中国は「抗日戦争勝利80年」として、国威発揚につなげるべく宣伝を強化。そのひとつが3本の“反日”映画だ。
その3本の映画により、〈涙が止まらず、しばらく立てなかった〉〈日本と手を取り合うことはできない〉8月、中国のSNSにはこんなコメントが多数投稿されたという。
● 南京写真館
7月下旬に、1939年に発生した旧日本軍による南京事件について扱った映画『南京写真館』が公開されると、興行収入は23億元(約470億円)を超え、今夏一番の大ヒットとなっている。

国営新華社通信は『この映画を見た5歳の女の子が大きくなったら軍に入ると発言した』などと報じており、愛国心の高揚に利用されています」この映画の舞台は、旧日本軍の占領下だった南京にある写真館。旧日本軍による“虐殺”の証拠となるネガフィルムを、写真館で働く中国人が命がけで守るといったストーリーだ。
物語性もあるが、「残虐なシーンが殊更に強調されているという。
「映画自体のストーリーはしっかりしているのですが、旧日本軍による残虐な行為がことさらに強調されている。旧日本兵が中国人を燃やしたり、袋にいれたりとさまざまな方法で殺害しているシーンが細かく描写されています。日本兵が赤ちゃんを地面にたたきつけるシーンなどもあり、こういった部分が切り取られ、SNSで炎上しているんです。映画を観た中国人の子供の反応のショート動画も出回っているのですが、怒ったり、泣いたり、沈黙したりといった子供の姿に大人も影響を受けている」(国営新華社通信)
● 東極島
1942年に米軍の魚雷攻撃を受けて沈没した日本船リスボン丸を題材にした映画『東極島』は、8月8日に公開されている。日本兵の発砲にもかかわらず、付近の東極島の中国人漁師たちが船上にいた1,800人以上の英国人捕虜を勇敢に救出する感動的な物語とのこと。

リスボン丸が沈没したとき、日本軍は救助活動を行うどころか、無慈悲にも船倉を封鎖し、脱出しようとする捕虜に発砲した。
日本軍の残忍さと無慈悲さとは対照的に、地元の中国人漁師たちは、戦争で大変な苦難を強いられながらも、「人命救助は七重の塔を建てるよりも大きな美徳である」という理念を体現した。彼らは命がけで、貧弱な小舟で沈没船に近寄り、何百人もの捕虜を救出した。
と、いう事で日本軍の戦時中の残虐行為に光を当てて、中国は世界の平和と発展に貢献している事を強調したい映画に思える。
● 731
現地在住の日本人の間で危惧されているのが『731』。人体実験を行っていたとされる日本の731部隊を扱った映画で、日本の戦争犯罪を暴くという趣旨もあり、予告編が出てからかなり話題となっていた。

日本メディアは日本への配慮かといった期待を込めた記事も出していた。しかし、蓋を開けてみれば“最も敏感な日”の9月18日に公開が決まってしまった。
最も敏感な日という9月18日は、満州事変の発端となった柳条湖事件が起きた日だ。
「中国軍の仕業とでっちあげて、日本が戦争を始めた日なので反日感情が非常に高まります。『国恥の日』として、中国各地でさまざまな反日イベントが行われる。日中関係が最も悪化する日ともいえます。その上、昨年、深センで日本人学校に通う男児が殺害されたのもまさにこの日でした。『南京写真館』だけでもすごい影響なのに、更なる日中の関係悪化が懸念されます」(国営新華社通信)
映像の力というのは大きく、反日の感情が映画を見ることにより、より強固な気持ちにさせてしまうのだろう。また映画が、中国人の愛国心の高揚に利用されている危険性も感じる。但し、中国で日本軍を題材にしたどのような内容の映画が作成されているか、知っておく必要があると思う。日本での公開は見送るということは避けてもらいたいものだ。
参照:中国で“反日”映画が記録的大ヒット「旧日本軍による残虐行為を殊更に強調」
CGTN:『東極島 (Dongji Rescue)』: 血と炎で鍛えられた人間性