かなり昔の話になるけれど、女友達が「初めてのデートの時に彼氏と観た映画が『パンツの穴』だった」という事を教えてくれた。その時は笑って、いくらなんでもそれはないだろうと、思ったものだ。でもタイトルで内容を想像しただけで、映画は見ていなかった。
監督は、「トラック野郎」シリーズで有名な鈴木則文。"青春ラブコメ"、"童貞感溢れる青春エッチコメディ"、"日本版『ポーキーズ』"が企画コンセプトにあったといわれるが、鈴木則文がウンコネタ満載の下ネタ映画に変貌させた。自作にウンコを度々取り入れる鈴木の究極の「ウンコ映画」とも評される。DMMでその映画を配信していたので、視聴した。
この映画で15歳の菊池桃子がオーデションに合格し、ヒロインを演じて注目された。また当映画が出発点で彼女はスターとなった。
親しみやすい庶民的魅力を持ったアイドルとして人気を獲得し、1984年にリリースした3枚のシングルをヒットさせ、1984年の日本レコードセールス大賞女性新人賞受賞。ブロマイドの年間売上も1位となる。
2022年に菊池桃子は、「くにまる食堂」というラジオ番組で「映画「パンツの穴」でヒロインを演じたわけですが、これタイトルだけ見ると…ちょっとねえ。清純派アイドルだった桃子さんは最初に仕事が来た時はどう思ったんです?」と、聞かれてこう答えている。
「これが正直「嬉しい」としか思わなかったんですよ。それまでは事務所のマネージャーさんといろんなオーディションに行って、落ちて、落ちて、落ちてばっかり。ドラマとか映画とかCMとか、落ちるたびに自信がなくなって、もうそろそろやめようかなと思った頃に合格したので、とにかく嬉しくって。それに「パンツの穴」のヒロインに合格した人は、本人の名前がついた雑誌が創刊されることになっていて、もうハッピーでしたね。親も驚いていました。」

本作の原案は 当時発行部数80万部だった学研の雑誌”BOMB”の実話エピソードを元に作られたオリジナル。本作以降6本の続編映画が制作された大ヒットシリーズとなる。
八王子の中学校へ九州博多から転校してきた3年生の木村一郎。アダ名は「ムキンポ」。転校早々、同級生の桃子に一目惚れ。そのムキンポと友達2人を中心に、中学生たちの恋やケンカの騒動を描く。
映画は想像していたより、面白かった。最初の場面は遊園地で便意をもよおし、あたふたする場面からスタートする。かなりバカバカしいエピソードが満載で、今ではあり得ない下品な昭和らしい下ネタだらけで物語は進んでいく。
本作には中高生役にエキストラが多数出演したが「パンツの穴」という題名では学校の撮影許可が取れない恐れがあった。その為、現場では全員が題名をひた隠しして「青春の日々」という映画を撮影しているとウソを付いていたという。また台本にも「青春の日々」というカバーが掛けてあった。
クライマックスは肥溜めのウンコをかけあって、大勢で戦い合うシーン。なぜか武田鉄也の声が天から聞こえてきて、その声は頭上のUFOから聞こえてくる。その武田鉄也のUFOが降らす雨で、双方の戦い合う気持が洗い流されるというエピソードには、シュールで脱力の面白さがあった。
今は亡き「たこ八郎」や「ハナ肇」が出てたり、島田洋七も出ていて一風変わった臭い青春コメディ映画に仕上がっている。
参照:菊池桃子の初主演映画「パンツの穴」…すごいタイトルに清純派アイドルだった本人・・・
パンツの穴 ウィキペディア
