東京・足立区の商業施設で男は、椅子に座っていた30代女性に突然赤いスプレーを吹きかけた。逃げる女性を執拗に追いかけて、スプレーを噴射した男が逮捕された。女性の服などは赤く染まっていた。男は埼玉県草加市に住む職業不詳の61歳で、根岸秀男容疑者。
● ギャンブルや風俗通いで借金
根岸容疑者は「スプレーで目つぶしして動けなくなったところを刃物で刺そうと計画していた。」と容疑を認めているという。
動機に関して、「借金があった。通り魔的なことをやって長期で刑務所に入りたかった。死んでもいいかなと思っていたが、大きなことをやれば長期で刑務所に入ることができると考えた」と、答えている。
容疑者は、ギャンブルや風俗通いで多額の借金があったと容疑を認めている。事件当時、もうひとつの凶器を忍ばせていた。
警察によると、彼がかばんにしのばせていたのは全長10センチほどのナイフで、女性にスプレーをかけた後、刺そうとしていたと話しているという。
犯した犯罪と動機だけから判断すると、根岸容疑者は、頭のヘンな危険なおじさんという事になるが、彼は業界では知らない人がいないほどのカメラマンだった。
根岸容疑者の知人が語る。
「ビジュアルバンドの世界だったら、2000年ぐらいだったら知らない人はいないと思う。カメラマンとして。自分が納得いかない時、ガーッとキレる…。あれーって思うとこはありました」
● KENZIの専属カメラマン
根岸容疑者はかつて、ビジュアル系アーティストを撮るカメラマンだった。2000年代には、「アンチフェミニズム」のボーカリストで「ザ・デッド・ポップ・スターズ 」(dps)のドラマー、KENZIの専属カメラマンだった時期もあったという。
KENZIの2010年10月のブログによると、根岸容疑者は自宅から撮影現場に向かう途中で失踪し、捜索願が出されたことがあった。このときは、翌2011年1月に生還したと、dpsのギタリストの秀斗がブログでつづっている。
当時、お金にはシビアだったという。
「一緒に海外ツアーに行った時、100均で買った味噌汁をメンバーに1ドルで売ろうとした。仲間だったらタダであげろと。そういうせこいところもあった」(容疑者の知人)
根岸容疑者は10年ほど前にカメラマンの仕事を辞め、今は職業不詳。そして、歯車が狂い始める。
警視庁によると、容疑者は去年の11月ごろ犯行を計画。今年2月ごろから、スプレーとナイフを常に持ち歩き、北千住、浅草、秋葉原などで襲撃のチャンスをうかがっていた。
根岸容疑者は10年ほど前にカメラマンの仕事を辞めた後に、どのような人生を歩んでいたのか。次の記事がでるとしたら、その疑問に答えてくれる内容だったらありがたい。はたして、続報は?
参照:女性追いかけ“スプレー噴射”男逮捕 ナイフも所持「通り魔」計画も
足立区カラースプレー事件で逮捕の男、ビジュアル系バンド専属カメラマン