オウム真理教による地下鉄サリン事件から30年の節目を迎えた。地下鉄サリン事件では、死者13人、負傷者5800人以上が発生した。オウム真理教・元代表の麻原彰晃の死刑が執行されたのが2018年7月6日なので、あれからもう7年経っている。
オウム真理教が「Aleph(アレフ)」という名前に変えて宗教活動をしているとは聞いていた。しかし特に大きなニュースも聞かなかったので、危険な思想と活動は終わった宗教団体なのかと思っていた。
● 数千万円の現金が発見
7月15日のニュースで4月に麻原の妻(66)と次男(31)が暮らすマンションを埼玉県警が家宅捜査したら、現金数千万円が出てきたとの記事を読んで驚いた。
そのような金額が出たということは、まだ表に出ていない隠したお金が動く活動、もしくは計画を示唆しているのではないか。そうでなければ、家宅捜査までする警察の動きも理由がつかない。
次男の動向や妻側への資金援助などについて警戒を強める公安当局は、現金の出所の解明を急ぐ。
公安調査庁が次男を教団の後継団体「Aleph(アレフ)」の「代表者」と認定したことが8月4日、分かった。アレフに対する再発防止処分の請求内容を公示する官報に記載した。公安庁が代表者に次男の氏名を記載するのは初めて。
公安庁は7月、団体規制法に基づく再発防止処分を公安審査委員会に請求する際、次男がアレフの意思決定に関与して「組織運営を主導」し、元死刑囚の妻は「(次男を)後見的に補佐」していると位置付けていた。2人はアレフの構成員とみており、同庁は次男らの動向を注視している。
公安庁は請求の中で、引き続き全国16施設の全部または一部の使用や寄付受領の禁止などを求めた。新たに埼玉県越谷市内の次男と妻の自宅を「新越谷施設」と認定し、東京や愛知、大阪など施設がある12都道府県で、土地や建物の新規取得や借り受けの禁止も要請した。
週刊文春8月7日号で、その次男に関して3ページの記事にしている。気になる部分を以下に、抜粋していきます。
家宅捜査の件に関し、警察関係者が言う。
「今年三月、埼玉県越谷市にある次男と麻原の妻が住む自宅マンションに、公安調査庁が団体規制法に基づく立ち入り検査を試みましたが、妻側が拒否。車に乗って逃げてしまったそうです。その後、同庁は一ヵ月に予算を割かなかったりわたって監視を続けましたが動きがなく、同庁が団体規制法違反容疑で埼玉県警に告発。四月中旬に同県警による極秘の家宅捜査が行われた、そこで室内の複数個所から、小分けに保管されていた数千万円の現金が発見された。この現金は、アレフから母子へ流されたものとみられます」
● 権力は手放したら戻ってこない
かつてオウム真理教の最高幹部だった上祐史浩(じょうゆう ふみひろ)氏は、麻原の妻の話になると口調を強めて説明をした
「麻原の妻は殺人の共犯として裁判で実刑判決を受け、公判では教団との絶縁や麻原との離婚を宣言しましたが、結局どちらも実行しなかった。そして十三年、三女らと教団復帰すべきかで対立したようですが、妻は権力への執着が強く、『夫と私の教団を息子に継承する』『権力は手放したら二度と戻ってこないんだ』との考えのもと、次男が二十歳を迎えるタイミングでの教団復帰を狙っていた。」
以来、母子は次男を”グル”として、「教団を支配」し始めた。というのが上祐氏の主張だ。
次男の台頭に関して、アフレ元代表の男性のブログの中で、次男体制の問題点について訴える元関係者の告発文が公開された。
・(次男による)サイコパスなパワハラで、もうみんな嫌気がさして恐怖におびえています。
・(公安調査庁に求められた)公団報告再提出の「不提出の意思決定」をしたのは次男主催の裏合同会議の指示によるもの。
上祐史浩氏に次男体制の問題点を改めて語ってもらうと、
「教団にとってグルは絶対であり、唯一の意志決定者です。しかし、反社会的な方針に異を唱える幹部もいたそうです。そういった幹部を、次男は修行と称して軟禁したり、担当する部署に予算を割かなかったりと、独裁的な体制を敷いている。ここ数年、幹部が四~五人、教団を離れたことを確認しています。現在、次男の周囲は、彼を信じ切っている人か、自分に累が及ばないように従うだけのイエスマンしかいない状態でしょう」
アレフを巡っては、地下鉄サリン事件など教団による一連の事件の被害者らへの賠償金約10億2500万円の支払い命令が最高裁で確定しているが、アレフ側は応じていないという。数千万円を隠し持っているのではなく、まずは賠償金を払うのが筋であろうが、この先も事件の被害者は泣き寝入りの状態が続くのであろうか。
参照:オウム松本元死刑囚の妻宅から数千万円 家宅捜索で発見、出所の解明急ぐ
オウム元最高幹部 上祐史浩に直撃50分 「麻原の次男は生まれながらの“グル”だ」
松本元死刑囚次男は「代表者」 後継団体アレフ、官報に記載・公安庁