
「とんでもカオス!: 排せつ物まみれのクルーズ船」 2025年製作 アメリカ 原題:Trainwreck: Poop Cruise
気圧の変化に弱いぼくは、飛行機に乗ると頭痛に苦しめられる。だから外国への旅行を考えたなら、生きているうちに豪華客船での旅行もいいかなと考えていた。
でも、ジェームズ・ロス監督のドキュメンタリー映画「とんでもカオス!: 排せつ物まみれのクルーズ船」を見ると、その気も失せてしまった。
映画は2013年に起ったトラブルを描いている。乗客4200人あまりを乗せた豪華クルーズ船「カーニバル・トライアンフ」は、往復4日間の夢のような日々を送るはずだった。それが、一転して悪夢のような航海に。
旅から4日め、メキシコ湾を航行中に火災を起こして突然の停電。船全体に電力を供給する電気ケーブルが破損した。船は止まったままで、冷蔵庫、照明、冷房、トイレの水を流す電力もないままに漂流し始めた。汚水が船内にあふれ食料は底をついた。
メディアがニュースで取り上げ、世間は”排せつ物まみれのクルーズ船”の話題で持ち切りになった。船内の状況を伝えたニュースでは以下のように船内の状況を伝えた。
『ある乗客の家族によれば、乗客は食料などをもらうための行列に最大で4時間も並ぶ羽目になったほか、早い者勝ちで配布が行われたため、列の最後尾にいた人はパンと調味料しかもらえなかったという。乗客の間では配布をめぐって口論も起きた。』

この映画は、排せつ物が船内にあふれるという、悲惨な状況を描いている。でもこれはとても面白い映画だった。どんなに豪華なシステムも、人工なだけに電源が絶たれると、見るも無残な現実を突きつけられてしまう。その事が啓蒙的にも描かれている。
船のスタッフ・ジェンがこのトラブル時に考えて決めた事を船内に放送で連絡している。「重要なお知らせです。お気づきのとおりトイレが流れません」「”小”はシャワーでお願いします。そして”大”についてですが、これから赤い袋を全てのトイレに配ります。”大”はそちらにして廊下のゴミ袋に入れてください」
しかし、そんな袋ではなく大勢の人が機能しないトイレを使うことを選択。
やがて動きの止まった豪華船をタグボートで曳いて、陸までもっていくことになる。しかし、タグボートに曳かれると船が傾き、シャワー室にたまった小便も、通路の大便が入った赤い袋も流れないトイレにたまった大便も、すべていっしょくたに船内に流れこむ。結果、4000人分のあふれる排泄物といっしょの船旅となる。
カーニバル社は事故を起こした船の乗客に料金を全額返金するほか追加で500ドル、帰りの交通費などを負担。無料で別のツアーに招待するとしていた。だがある乗客の家族は「2度と同社の船に乗る気にはならないだろう」と語っていたという。
参照:火災で航行不能のクルーズ船、トイレがあふれ食料配布でトラブルも