カイロ大学での卒業に関して学歴詐称疑惑が上がっている、小池百合子東京都知事(71)。そのニュースがTVで報じられていたときに、彼女の若い頃の映像がチラリと映り、それが意外に可愛らしかったことに驚いた。

2016年に「政治と金」の問題で都知事を辞職した国際政治学者・舛添要一(ますぞえ よういち)(75)が彼女に関して、こう述べている。



「「初めて会ったのは1983年。私はフランスで社会党のミッテラン大統領が誕生したのがきっかけでテレビに出るようになり、彼女は『竹村健一の世相講談』(日本テレビ)のアシスタントをしていた。名刺代わりというのか、サイン入りの本をもらっ
たんですよ」

差し出したのは、小池の著書「3日でおぼえるアラビア語」(83年出版)。カバーの著者略歴には〈カイロ大学文学部社会学科を日本人で2人目、女性としては初めて、しかも首席で卒業〉と記されている。

首席で卒業に関して舛添は〈すごいねえ、一体どうやって?〉と聞いたら、小池は〈学生が1人しかいなかったからよ。首席でもあるし、ビリでもあるのよ〉と笑いながら答えた。舛添はその事に関し、「エジプトの事情に疎かったので、そんなもの
なのかと。37年間、見事にだまされていました。前回の選挙(20年の都知事選)の直前に大騒ぎになるまで。」

ところで、小池が『竹村健一の世相講談』(日本テレビ)のアシスタントをしていたという件で、"竹村健一"という名前を聞くと、ぼくには懐かしさが沸き上がる。彼の本を何冊か買ったものだ。日本のジャーナリスト、政治評論家という肩書なのだろうけど、書いてある本はずいぶん読みやすかった。竹村健一は多作の人で、300冊以上の本を書いている。最後は盗作騒ぎで世から退いてしまった。



舛添は、小池に関して他の人への立ち回りが上手い事をこのように述べている。

「彼女を在東京の欧米外交団に紹介したのは私なんですよ。英独仏、そしてスイスや米国でも研究生活を送った関係で各国大使館の会食によく呼ばれ、当時は独身でしたから、配偶者やパートナー同伴が多いレセプションに2人で参加していました。なんせ
カイロ大を首席で卒業した才媛だし、英語も話せて如才なく立ち回るので。彼女は食い込みがメチャクチャ早くて、スッポンと同じで離さない。米国大使館の幹部に取り入るわ、仏語は話せないのに仏政府から勲章までもらいましたから」

ところで、改めて小池百合子の学歴詐称疑惑の件。

2020年6月9日、駐日エジプト大使館のフェイスブック上に突如、「カイロ大学は正式に小池百合子氏の卒業を認める」という不可解な文書が発表された。これを朝日新聞などが、「カイロ大学が声明を発表」と報道した。その結果、『カイロ大学が小池氏の卒業を認めた、小池氏は卒業しているのだ』と社会は納得させられ、問題は沈静化。

しかし、小島敏郎「小池百合子都知事 元側近の爆弾告発」(『文芸春秋』5月号)が大きな話題になった。小島は小池知事の側近と言われた人物で、学歴詐称疑惑が取り沙汰された2020年当時、「都民ファーストの会」の政務調査会事務総長だった。
その人物が、自ら小池知事の学歴詐称の隠蔽(いんぺい)工作に加担していたと告白した。

東京工業大教授・中島岳志は、以下のように指摘する。

『小池の学歴詐称が事実だとすれば、小池はエジプト政府に決定的な弱みを握られていることになる。エジプト政府はリークによって、いつでも小池の政治生命を絶つことができる。

小池は政治生命そのものを外国政府に握られているのだ。そうすると、エジプト政府に頭が上がらなくなり、エジプト政府の要求を受け入れざるを得なくなる。このような人物が現職の東京都知事であり、メディアではしばしば総理大臣候補に挙げられるが、国益という観点からのリスクは極めて大きい。』

小池の学歴詐称疑惑の件、嘘をついた、つかないの話だけではなくて問題は思ったより大きなものであるようだ。

参照:<論壇時評>小池都知事の「学歴詐称」再燃 「国益損ねる」背景か追及を 中島岳志
          舛添要一氏は小池百合子に「37年間、だまされた」…カイロ大首席