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仕事もほぼ終わりのオフィスの夜8時。
「石さんは、帰りに食事にどっかに寄ったりするんですか。」と、田中が聞く。
「俺はあまり寄らないねぇ。寄ったとしてもマックくらいかな。家で食事を作ってくれてるしね。」
「ぼくの奥さんは、僕が帰るころは もう寝てますね。だから外で食べるんですよ。もし奥さんか作ってくれたとしても、『もう食べちゃダメ!』って、食事制限かけてくるし、外のほうがのびのび食べられますね」。
田中は、そういえば最近ますます太ってきて、呼吸もどこか苦しそうでハアハア言っている。
さらに奥さん情報を追加する。
「たまに僕が早く家に帰ると、奥さんが起きていて『ゴミの匂いがする』って、すぐ風呂に入れるんですよ。」
「なかなかハードな家庭生活おくってんな」
田中が気の毒になってしまった。
でも、本人はニコニコ顔で語っている。
実は彼のほうが人生をたくましく愉快に生きているのかもしれない・・・・と、思わせるどこかつかみどころのない男だ。
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