会社のランチ時のこと。200人ほど出場する剣道の試合に出ると張りきっていた吉田さんは、「楽しみにしていたのに、コロナウイルスのせいで、試合が中止になった」と嘆いていた。
剣道と聞いて、ぼくが思い出したのは森田健作が出ていた青春テレビドラマ「おれは男だ!」。森田健作は今では千葉県の森田知事という政治家となってしまったが、ぼくが中学生になりたての頃、大人気のスターだった。
学園生活を描いた数々のテレビドラマに出演し、「青春の巨匠」という紹介が定着した。その森田健作は、ドラマのなかで剣道部に所属する高校生役だった。

実際に本人も剣道に縁があった。剣道三段である父の方針で小学校6年生の夏から、埼玉県の道場へ通い中学校3年生の時に範士より二段を允可され、中学生組の大将として高校生組の大将と対抗試合を行い勝利したとのこと。
その剣道をやってかっこよかった森田健作にあこがれて、ぼくも剣道を習いたいと、親にお願いした。ところが、その道場は繁華街のポルノ映画館の隣にあり、環境がよくないからというトホホな理由で反対され、実現しなかった。ぼくも反対されてもどうしても習いたいと食い下がるほどの情熱もなく、剣道とは縁のない人生を送ってしまった。
ところで森田健作は歌もうまく彼のヒット作である「さらば涙と言おう」や「友達よ泣くんじゃない」が大好きで、ぼくは何度も何度も聞いたものだ。親日で知られるタイでも、青春ドラマ『おれは男だ!』は、すでに放送から四十数年が過ぎているが、その人気は根強く、この2曲はカラオケの上位を占めているという。
森田健作は、タイでの人気に関してこう語っている。
「この歌は阿久(悠)先生の詞なんですが、今の時代にも通じるものがあるし歌っても古さを全く感じない。誰もが口ずさめる。歌は世界の共通語と言うけど、そういったことを改めて実感する。」
そして、ドラマ『おれは男だ!』のなかで繰り広げられた高校生活は、とても楽しそうに見えて当時は僕も、はやく高校生になりたいと強く願ったものだ。