室内を裸で歩きまわる叔母のキャサリン | トリップちゃんねる

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●   室内を裸で歩きまわる叔母のキャサリン 


 

『覗くモーテル観察日誌』に関して、読み終えたので追記したい。
 

この本の面白さはもちろん覗いた内容にある。けれど、覗いた男であるモーテル経営者ジェラルド・フースとその日誌を受け取った有名なノンフィクション作家ゲイ・リターズとの関わりあいも面白かった。そしてまた覗いた男の自分だけの覗きという世界における自己正当化の考え方にも興味を持たされた。


彼の覗きのスタートとなる叔母のキャサリンも気になる存在だ。彼の母の妹のひとりであるキャサリンは、母をたずねてよく遊びにきたとのことで、『夜になると寝室で裸で人形をいじる』ということ以外はほとんど情報がなく、いったい、どんな人だったのか、なぜ覗かれる危険性を考えなかったのか?何度も覗きに行ったであろうフースの存在に本当に一度も気づかなかったのか気になるところだ。


その部分はこのように記述されている。


フースの観察が始まった時点で、叔母キャサリンは二十代後半、フースの言を引けば、”胸が大きく、アスリートのように引き締まった体格で、燃えるような赤毛のもちぬしだったという。夜になるとキャサリンはよく、寝室の明かりをつけ、鎧戸をあけはなしたまま室内を裸で歩きまわっていて、フースは窓枠の下にひそんで室内をのぞき―――「叔母という炎に引き寄せられる蛾ですね」―――

 

あと、一番気になったのは殺人を覗いてしまったこと。それもフースの正義感でおこなったある行為が元になっている。そこの顛末が尻切れトンボに終わったことは惜しいことだ。
 


● 新しい仕事と『「やりがいのある仕事」という幻想』

突然の所属変更と、2月一杯で辞める王さんの引継ぎを大急ぎで行うことで、ずいぶん動揺してしまった。「会社の情報システムの生贄だ!被害者だ!」などと、知り合いに訴えても見たが、どうにもなるわけではない。


冷静に考えれば、そんなに慌てることもないのかもしれない。まず、現状の王さんの働き方をみると、余裕が多少はあることがわかる。それはいままでほとんど定時で帰っていることからもわかる。移動前の部署では自分は本当に役にたっているのか疑問を感じることが大きかったが、今度の部署ではまさしく人手が足りないし、逆に『自分がいなかったら誰を持ってこれたのだろうか。』という疑問を持つほどだ。


たとえば仕事でトラブルになっても明らかなのは王さんのわかっていた退職に対する会社の準備不足だ。だから何かあっても自分だけの責任とはならないと考えられるのだから、やはりもう少し気を楽にもとう。『過度の責任感でつぶれるよりは、ゆるい仕事ペースでもぼくに辞められるよりはましであろう。』と、考えねば・・・。
 

最近、ミステリー作家として有名な森博嗣(もり ひろし)の”「やりがいのある仕事」という幻想”という本を買った。その本のカバーにはこう書かれている。「仕事に勢いが持てなくても、すごい成果が残せなくても、人が羨む職業に就けなくても、きみの価値は変わらない」


仕事で頭が一杯になると冷静な判断を失いかねないので、そんなときの考え方のヒントをこの本は与えてくれた。