青年Aは新しいマンションに引っ越した。
荷物も整理してほっと一息ついてると、ノックの音。
開けても誰もいない。またノックの音。
やはり開けても誰もいない。またノックの音。
三度目の正直で開けたが誰もいない。
そうやら、ノックの音は幽霊か、それとも幻聴か、
それとも誰かが、機械的にノックの音がするように仕掛けを部屋に
セットした?
その時、天井から泥棒がおちてきて、青年Aを千円Aと、勝手に命名して
泥棒の人生を語り始めた。
それが面白くて、泥棒にかなりのお金を渡した。
「今度は、天井からではなくて正面玄関からお願いします。」
と、お願いした。
泥棒は、「わかった」。
と言って口でノックの音を物まねしてみせた。
まさに、今日、聞いていた音だ。
あの音は全てこの泥棒の声帯模写か?