新幹線大爆破

「新幹線大爆破」
1975年日本  監督:佐藤 純彌   脚本:小野竜之助・佐藤純弥

現在、走行中の新幹線。犯人の男は、スピードを落とすと、新幹線が
爆発すると脅迫する。新幹線は停車駅も無視して走り続けなければな
らず、当然時間がくれば、終着駅に着いてしまう。だから犯人との
交渉がうまくいかないと、新幹線の乗客は、爆発で大事故、大惨劇に。


巨額の身代金を得ようというわけで、「爆発させたくなかったら、金
を払え!」シンプルに言うとその物語の犯人役が高倉健で、もちろん
彼が主役の映画が、「新幹線大爆破」。


海外でも通用しそうな、練られた脚本で、何度かうまいストーリーだ
なぁと感心した。見終わってから、ネットで映画の事を調べてみた。
この映画は日本よりも海外で評判が高いとの事で、フランスでは大ヒッ
トしたという。その事にとても納得した。


アメリカ映画「スピード」という映画の元ネタは、この「新幹線大爆破」
との事で、新幹線がバスに置き換わっている。


1994年制作の「スピード」ではお金を要求するデニス・ホッパー演ずる
犯人役がとても憎々しげで、いかにもそのような犯罪を犯しそうなキャラ
として、うまく演出されていた。また、この映画でブレイクしたキアヌ・
リーブス、そしてバスの運転手が撃たれてしまった為に、運転役を代行
した女性役のサンドラ・ブロックも魅力的だった。


一方、「新幹線大爆破」の高倉健は、爆弾系の犯罪に手を染めるタイプ
には見えないところが、残念。高倉健の演技は幅が狭い。


ところで、この映画、とても不思議なワンシーンがある。無事に新幹線が

停車できたというところで、乗客がとても喜ぶのだが、その新幹線の中

で、座席にいる乗客が太鼓をたたいている。これはいったい何なのか?

それは、ほんの一瞬で、次のシーンでは誰も太鼓をたたいておらず、そ

の存在すらなかったかのようだ。


新幹線大爆破2

この映画をみた海外の人は、『日本という国は、何か嬉しいことがあっ
た時に、新幹線の中で太鼓を配り、全員で太鼓をたたいて、喜びを分か
ち合うのか?』と、勘違いするのではないかと、心配だ。


このシーンの意味はなんだったのか。
もう気になって、時々思い出しては・・・・もんもんとしている。


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