最終日の朝ー。なんかちょっと雲がち…。海も鈍色です。
飛行機に積む荷物は6:30にピックアップするから、ドアの外に出しておいてね、と言われていたのですが、私たちは乗り継ぎがぎりぎりになりそうだし、もともと手荷物として機内持ち込みできるサイズのキャリーバッグしか持ってきていなかったので、預け入れ荷物は無し、と伝えておきました。
お部屋は8:30にはチェックアウトしないといけないので、早めに(と言ってもこれまでの日と大して変わらないんですが)朝ごはん。
この日の日替わりホットプレートはフレンチトースト。分厚い食パンに、どうやって染み込ませたのかと小首を傾げざるを得ないほど中までしっかり卵液が染みていて、なのにべったり重たくなくて表面カリッと中ふんわり。
…と、朝食中に横殴りの雨と暴風がやってきました。
空が真っ暗になって、小さい波がいっぱい立って、椰子の木がわっさわっさと揺れます。スタッフさんたちは大急ぎでガラス戸を締め、外のテーブルにカバーをかけに。
いやー、こりゃ大変だ、まあでもスコール程度だろう…とこの時は思っていたのですが…。
レストランを出るとき、いろんなスタッフさんたちに「道中気をつけて。またおいで」「いいフライトを」「次はいつ?来年?」と声をかけられて、「ああそうか、本当に帰るんだなあ」と実感して寂しくなったり。
8:30ぎりぎりにお部屋を出て、ロング・ハウスへ。
チェックアウト&清算…なのですが、飛行機代と宿代などは事前に振り込んであるので、この場で清算するのはリゾート内でのアルコールや買い物の部分のみ。
それも、前回説明したバウチャーで全部収まっていました。しかもまだあと$100以上残ってる…。というわけで、ブティックに行って、ロゴ入りのサーモスカップやらなんやらお買い上げ。シュノーケルで最後にお土産にもらったサーモスカップですが、どうしても色違いが欲しかったのです…。
チェックアウトの時に、飛行機のボーディングパスを渡されます。手作り感満載。チャーター機ならでは。
ブティックから戻って、わーいわーい、やったー、と買ったものをカバンにしまっていると、ゲストリレーション周りのマネジャーらしき年配の白人女性が現れて、「みなさんにディレイのお知らせです」とアナウンス。
9:30にリゾートを出発予定だったのですが、それが9:45になった、と。
飛行機が遅れているので、それに合わせてリゾート発も遅らせるということのようです。
乗り継ぎ便がケツカッチンの私たち、すぐさま確認。
すると、「実はまだ飛行機が着陸してない。上で旋回しながら着陸のタイミングを待ってるんだ」とのこと。
この時点で、リゾート周辺はこんなお天気。確かに雲は厚いけど、雨は降ってないし、飛行機が降りられないほどの悪天候には見えないけど…。
私たちを空港まで送るため待機していたSさんによると、「6km先まで視界がないと、着陸できないんだって」。
リゾート専用の飛行場は、見渡す限りの大草原(というか空き地)の中にぽつんと建っています。あそこで6km先まで視界がきかないとか、相当の悪天候なんじゃないのかしら…。
そうこうするうち、リゾートにも雨雲が迫ってきました。東の空の淵が真っ黒な雲で覆われて、それがどんどんこちらへやってきます。
「出ましょう、雨が来ないうちに」。
というわけで、9:40頃わっせわっせとボートへ移動。
乗り込むとボート・クルーがペットボトルのAquaを渡してくれました。これがますます「ワカトビを離れる」感を増幅させて、寂しいのなんの…。ああ、ペットボトルの世界に帰っていくのね…。
が、そんな感傷を吹き飛ばすように、出航してすぐに横殴りの雨。
ありゃありゃ、まあまあ、どーなっちゃうんでしょ。
真横から吹き込んでくる雨に、ゲストの荷物を濡らすまいと必死にタオルをかけるクルーとスタッフの皆さん…と、ゲストたち。
この日、レストランのサブマネジャーらしき男前が休暇入りで同じ便に乗ってバリからロンボクへ帰るとのことで、当然ボートにもいたのですが、「飛行機まだ降りてないんだって。乗り継ぎ間に合うかなあ」と私たちと同じ焦りを抱えていました。「飛行機どこ?」「Lion」「私たちはCitilinkなんだけど、一昨日の夜中に突然SMSが来て…」「同じ同じ!僕の乗るはずだった便も急に時間変更になって、早まったんだ」「もー!」
視界がきかないなか、なんとかトミア島の船着場に着いたボート。
来た時と同じ道を辿って空港まで行くのですが、雨風吹き荒れる中を歩かせられないということで、船着場に車が横付けされていました。
順番にゲストが乗って、空港へ向かいます。
空港の入り口で、「私たちここまでしか入れないので、ここで。お気をつけて!」とSさん。
小学校の教室くらいの部屋で荷物をX線に通して、待合室へ。
相変わらず外は断続的に横殴りの雨と風。
飛行機はまだ降りていません。ディレイした搭乗予定時刻を過ぎても、動きなし。
さらに10分くらいした頃でしょうか、空港周りのゲストサポートをするスタッフさんが、「飛行機はマカッサルへ引き返しました。天候回復を待って再度トライするけど、いつ降りられるか現時点では不明です。一旦リゾートへ戻りましょう」とアナウンス…。
ななんと、ダイバート…。
大きな荷物はそのまま空港に預けて、ゲストだけでリゾートへ逆戻り。
この時点で乗り継ぎ便はアウト。出発がいつになるかわからないので、後続便の予約もできません。
再び車に乗って船着場へ。ボートに乗ると、「こんなに早く再会できるなんて!」「おかえりなさいーい!」と明るくスタッフさんたちが迎えてくれました。到着するゲスト用だったはずのウェルカムドリンクが振舞われ、さっきまでより弱まった雨の中再び出航。
いつ帰れるかわからないという状況下で、イライラしている人なんて一人もいませんでした。
私たちはほんの少し焦ってはいましたが、私は基本「毎日が日曜日」だし、差し迫った用事もないし、「雲はそのうち切れる。その隙をついて飛行機は絶対降りてくるはず」と楽観視していました。
同日中にバリで乗り継いで他の目的地へ行くゲストは、私たちともう一組、夕方の便でオーストラリアへ向かうご夫妻のみだったようで、他のゲストはバリにあと何日か滞在する予定だそう。
リゾートに着くと、「レストランにランチの用意ができてますから、とりあえずレストランへ。今後のことは分かり次第すぐ連絡します」というアナウンス。
この時点で13時ちょっと前でした。あまり時計を見ていなかったので意識していませんでしたが、そういえばお腹空いてる。
レストランへ行くと、「おかえり!」と迎えられました。そして滞在を続けているゲストたちの驚いた顔。シンガポーリアンのご夫妻は、私たちの顔を見るなり「どうしたの!?」と目を見開いていました。
到着した日に食べて感動したガスパチョ。また食べられて嬉しいよ…。
デザートもしっかり食べちゃうもんね。
「アイス食べる?」と聞かれて、「たーべーるー!」としっかり2スクープ。
デザートに移る頃、ゲストリレーションスタッフがやってきて、「飛行機はいつマカッサルを発つか分からない。乗り継ぎ便はバリ・オフィスのスタッフが手配かけるけど、Citilinkは今日の後ろの便はもう席がないからエンドースできなかった。キャンセルでいい?」と現状を説明してくれました。
乗れなかった便はもちろんキャンセルでOK。そもそも何時に出発できるか分からないから、後続便も取りようがありません。
見通しはまだ立たないとのこと。「休憩用にお部屋を用意してあります。16号室を使ってください」だって。素晴らしい~。
この時点で、「もしかしてもう1泊か?」と思い始めていた私たち。部屋が用意されたというので、さらにその思いが強くなります。
もう1泊、全然ウェルカム。
16号室はレストランからほど近いビーチ側のお部屋でした。
相変わらず空は蓋がされたみたいに暗くて、せっかくのハンモックも楽園感ゼロ。
キーホルダー、お部屋ごとに違うんだなあ、ということに気づいたり。昨日見たツバメウオさん、今日もあの辺を泳いでるのかな。
昼寝でも…とウトウトしかけたところで、内線。「4:30に出発する予定なので、それまでにロング・ハウスに」。
この時点で3:50くらい。
それでは…といそいそ移動して、ロング・ハウスへ。
ところが、10分後くらいに「マカッサルは発ったけど、まだ飛行機が着陸できるかどうかわからない、とのこと」とさらにディレイの連絡。
その直後、「フリーカクテルをご用意しましたので、ご自由にどうぞ」。ラウンジにはいつものようにおやつが並びはじめます。
私たちは、「ライブラリーに大きなソファがあって、そこなら寝転がれるよ」というSさんの勧めに従ってライブラリーへ。
携帯を充電しつつ、コーヒーテーブルに置かれていたワカトビの海中写真集に釘付け。
しばらくそうしていたのですが、小腹が空いたのでラウンジへ。「何か飲む?作るよ」と声をかけられ、「そう?んー、じゃあ…マティーニ」。
ほぼ同じタイミングで同じものを頼んだ西洋人のおじさまと偶然隣り合わせに座っていたので、2人で顔を見合わせて、「嵐に乾杯」。
少々強めのマティーニをちびちびやりつつ空に目をやると、すこーし明るくなってきた、かな…?
バリ・オフィスのスタッフさんから電話がかかってきて、ウチの旦那さんと直接お話し。
Citilinkはエンドースできなかったのでキャンセルしたこと、予約を入れたサイト経由で返金手続きがされること、さらに、今日の最終便のAir Asiaに席があることなどを知らせてもらいました。
バリに1泊でもよかったけど、今日中に帰れるならその方が面倒が少ない。Air Asiaというところに引っかかりはありましたが、まあ仕方なし。
最終便の席を押さえてもらうことに。あとは飛行機が来るかどうか。
「ここの空港には照明設備がないから、夜間の離着陸ができない。最悪、飛んできた飛行機は着陸できるけど離陸ができないということになるかもしれない」というSさんからの情報もありつつ、あとはもう運を天に任せるしかない。
その時、同じ便でバリに行く予定だったオーナー夫妻の奥様(シンガポール出身のアジア系)が南の空を指して「飛行機が降りてきたわ!」
しばらくして、「ボートを出しましょう」というアナウンスが。さすがにみんなやれやれ、といった感じでボートに乗り込みます。
フロント・オフィスにいたスタッフさんたち全員がジェッティで手を振る中、出航。
と思ったらあれれれれ、午前中とは逆方向へ舵が切られます。リゾートのお部屋沿いにぐるっとまわり込むように進む船。潮の流れとか満ち引きとかの関係かな?と思ったら、違いました。
オーナーが、「飛行機が降りたという情報が来てからボートを出すこと。車が横付けできて道がマシな、大きい方の船着場を使うこと」という指示を出していたのです。
船着場には、やってきた飛行機に乗っていた新しいゲストたちが待っていました。
私たちもやれやれだったけど、今日来るはずだったゲストたちはかわいそうだったなあ。
Sさんとは今度はここでお別れ。「また来ます!」と明るく手を振って、車に乗り込みます。
大きい方の船着場は村により近く、電波塔や家並がずらり。確かに、来た時の小さい船着場の方が離島感があります。隠れ家みたいなリゾートに行く気分を盛り上げるなら、あっちだな。
空港に着くと、待合室を経由せずそのまま荷物をピックして搭乗するよう促されました。
よくぞ降りた、ガルーダ!
タラップを上りきったところにいたガルーダのCAさん、にこやかに挨拶した後、私の顔を見るなり何故かインドネシア語で「待たせちゃってごめんなさいね、もーでも大変だったの~」。「あはは、疲れちゃったよねぇ。マカッサルで何時間も待ったんでしょう?」と聞けば、「朝は着陸までなんどもなんども旋回したし、マカッサルでは何時になれば出られるかわからないし…」ここでハッとして、「すぐ出発しますから、お席へどうぞ」。
ぷぷぷ、かわいい。人間らしくて憎めない。
ほどなく飛行機は離陸しました。
リゾートのレストランで用意されたのであろう機内食は、生ハム入りのサンドウィッチにマフィン、果物。おいしかった。
19時過ぎ、真っ暗になったバリの空港に着陸。今日から休暇入りでロンボクへ帰ると言っていたレストランスタッフさんを見つけたので声をかけると、「明日の便になったよ。今日はバリに一泊」と疲れたように笑っていました。「君たちは?」「この後、Air Asiaの最終便で帰ることになった。またね!気をつけてね!いい休暇を!」
国内線の出口では、ワカトビのバリ・オフィスのスタッフさんたちが待ち受けていました。Air Asiaのチケットを渡されます。「まだ時間に余裕があるから大丈夫。出発口はあっちです」と案内されます。的確なアシストにお礼を言って、出発ゲートへ。
やれやれ。
ここまで来ればもう大丈夫。
スラバヤで私たちの留守中、ウチのにゃんこのお世話をしてくれている友人へのお土産を買って、妥当とは思えない値段のソト・アヤム(ああ、こういう味のところに帰ってきたんだなあと改めて寂しくなった)で遅い夕飯を済ませて、思いがけずオンタイム運行のAir Asia機に。
こんなに、こんなに離れるのが惜しい、寂しい、次はいつ行けるかな…と思った旅行先は、15年前のバリ以来。
ビーチで拾った貝殻を眺めながら、しばらくの間、あの真っ青な空と海と海の中を思い出して長いことぼーっとする日々が続いたのでした。
今度はいつ行けるかなあ。




























































今までの人生で食べたラザニアの中で一番おいしい。断言。



















