入っていくと、昨日のおばちゃんが「はいはい、あんたたちね」という感じでさっさか奥へ案内してくれます。
通常ワークショップで使うのは、約45cm角の布。バンダナくらいのサイズです。
私たちは手描きには目もくれず(周囲にチャップが押してあって、真ん中が開けてある「お手軽バージョン」もありました。名前だけ自分で書いて染める、とかそういう人向けらしい。もちろんそんなのにも目もくれず)、チャップにダッシュ。
どうしようどうしよう、決められない~~、と大騒ぎしながら壁一面のチャップを眺めていたら、おばちゃんが「使えるチャップはこの棚の中だけよ」と冷たい一言…。指していたのはチャップコーナーの一角だけ。うう、そうなのか。
でも掘ってみたらまあ結構な数のチャップが並んでるんです。一度落ちたテンション再びアップ。それに、ちょっと制限された方が却っていいかもしれない…。無数にあるチャップの中から納得のいくものを選ぶだけで日が暮れかねませんからね!
私は、「せっかくだから伝統模様オンリーのと、そうじゃないの2枚やりたい」と思っていました。
というわけで、まずは伝統模様。
こういうレイアウトでいこう、と決めました。
七宝のような丸が重なり合って並ぶカウォンと、聖剣クリスがモチーフの元というパラン。
ワークショップは、職人さんがマンツーマンでついてくれます。
チャップを押すにあたってのルール(模様と模様を空ける幅とか、ふちの処理とか)に沿って、「それはできる」「それはできないけど、こうしたら」などのアドバイスをくれて、押す位置決めなどもやってくれます。
先にチャップを決めたお友達がやるのを見学。
まずはチャップをあっためます。
十分にあたためないと、ロウが均等につかなかったり、布に持っていくまでに冷えて固まってしまったりするのだそうです。
折って布のセンターをとり、チャップを押していきます。
右と左で濃さが違うの、わかりますか?
左は1回、右は2回チャップしたところ。1回で薄いと、全く同じ位置に上から2回目を押すのです…ひええええ、おそろしい…。無理、絶対ずれる。
でも職人さんは、ぴたーーーっと同じ位置にキメるんですよねぇ…。すごいなあ。
さて、私。
4分割した布の一コマに、斜めにチャップを押していく必要があるので、周りを新聞でマスキング。職人さんがリードしてくれて、押す位置にチャップを持って行き、ぐーっと押します。「上げて」と言われてそろりそろりと持ち上げると…うわーー!ちゃんと模様になってるーー!!!
すごい、これは楽しい。
失敗してもいいから自分で押す位置決めてやりたい、と言ってみたのですが、それは許されず。隣の作業台で一人でチャップしてる欧米人女性がいたので、「彼女はなんで一人でやってるの?」と聞いてみたら、「2度目なのよ。通ってるの」とのこと。えー、私も通いたいーー!一人でできるようになりたいー!
1模様目完了。模様の特性か、一度で濃くついたので2度押しはせず。
2模様目。

これは真ん中辺りに押すのが隣とずれてしまいました。あちゃー、まあいいか、と思っていたら、職人さんはその辺にあったピンセットを手に取ってちょっとロウをつけ、ちょちょいと修正。…私より几帳面だわ…。
2模様目完了。
あああ、もうこの時点で相当いい感じ!!
3模様目。
パラン!! うひょーー、パランーー!!!
4模様目は細かいです。模様同士の継ぎ目をぴたっと合わせて押していく職人さんに歓声あげっぱなし。
と、ここで職人さんが鍋に新しいロウの塊を入れました。「ロウ、高いんだよ」と言うので、「いくらくらいするの?」と聞いてみたら、「1kgでRp.70,000くらい」。ふむ。「その1kgの塊で、サロンだったら何枚分くらい?」「模様にもよるけど…まあ2枚ってとこかな」。えー!1kgでたった2枚分!?
そりゃ高くなるわけだわ~~~。
完了!
できたーー。
わーん、もうこのまま持って帰りたい!
でもせっかくだし、やっぱり染めることに。「赤?青?緑?」と聞かれて、「うーん、うーん、青!」
染料など。
染めるところはチャップの作業台の奥。大きな布を染める時はコンクリ造りのプールみたいなところでやりますが、小さいのはタライでじゃばじゃば作業してくれます。
染める前にざっと水洗い。「ホコリを取るためにね」。
ざっと水分を取ったあと、1液に浸けます。じゃぶじゃぶとまんべんなく染みこませて、
干す。
布から水分がしたたらなくなったら、もう一回1液にじゃぶじゃぶ。干して水分を切ったら、
2液にじゃぶじゃぶ。
2液につけたとたん、ぱぁっと色が変わります。
染まったー。
*模様が違うのは、お友達のだからです。私がチャップしたのは、2枚目のチャップ選んでるうちに染められちゃってたので…。
水を切って、染まり方が甘ければもう一度2液につけることもあるようです。
これは私の2枚目。赤に染めてもらったところ。
水気が切れたら、おもむろにぐらぐらと沸く大鍋へ。
煮てロウを溶かすわけです。
浮いてる茶色いのがロウ。
ロウをすくいとりつつしばらく煮ると…
あ!白く抜けた!!
泡の立つタライに移して、素手でじゃぶじゃぶ。「それは何が入ってるの?」と聞けば、「洗剤よ」。洗って、軽く絞って、そのままどこかへ行ってしまうおばちゃん。どうやって乾かすんだろう?しばらくしてからまた来ればいいのかな、と思っていたら、
はっ!おばちゃんアイロンかけてる…!
更に更に、
え、ミシン? 端っこ縫ってくれるの!?
普通、バティックのワークショップって、切りっぱなしの布にロウを置いて、染めて、それで終わりなんです。端は自分で縫うしかない。なのにこんなちゃんとミシンかけてくれるなんて…!
タグまでついてる!
て、丁寧…!
これはいい記念になるばかりでなく、きちんと製品として使えるものを、という店の心意気が感じられる工程。素晴らしい。
最後にはラッピングもしてくれちゃうのです。
これで1枚Rp.50,000は激安!
私たちは2枚以上やったり、サイズの違う布(値段が違う)をやったりと、もう大満足。
ちなみに、ここのショップで売られているものは、ポーチやぬいぐるみなどの加工品も全て、本物のバティックです。
Batik KrisやMirotaなんかで売られているものは、全部プリントもので仕立てられています。プリントものは、「バティック」ではないんですね。「バティック風模様の」プリント生地。
このお店のおばちゃんたちは口を揃えて、「あんなの(プリント)はバティックなんかじゃない。あんなもんはおもちゃだ。ウチのは全部ハンドメイド。チャップも手書きもコンビナシもあるけど、全部人の手で一つ一つ模様を描いて染めたものしか使ってないよ」とさも当たり前のことのように言います。
ハンドメイドの生地ということは、全て一点もの。たとえチャップでも、やっぱり1枚1枚違うものなんです。プリントものとは色の深みや風合いも全く異なります。
なのにポーチはRp.25,000~。全然高くない。
ワークショップも商品も、満足度の高いお店でした。
かつて秋篠宮様もいらしたことがあるというこのお店、おばちゃんたちは簡単な日本語もできます。
ワークショップは2時間~。ふらっと立ち寄ったついでにやることも可能です。
ジョグジャに行ったら是非!! 超オススメ!!!
《店舗情報》
Winotosastro
住所:Jl.Tirtodipuran No.54, Jogjakarta
電話:0274 375218
営業:9:00~17:00(ワークショップは昼くらいまでの受付)
URL:http://www.winotosastro.com/batik/index.html

























































