劇団を主宰している弟が、300万円のを借りに兄を訪れた。兄は「2年間で劇団の収益から返済すること、それができない場合は劇団をつぶせ」という条件を出し、債務期間中の資金繰りを管理することにした。ところが劇団とは兄の常識からすればおかしなことばかり。プロの声優も加わった劇団の運命は・・・!?という話。


も~、すっごく好きです、この本!!なにしろ兄・司が数々の名言を発するのです。

「吊すぞ!」・・・怒ったときの口癖

「金は正義だ!」・・・後に劇団員に“鉄血宰相”と呼ばれるようになったきっかけ

などなど、きっぱりはっきり、筋を通して、フェアで、使えるものは何でも使う兄、かっこいいなぁ。誰にどれだけ文句言われても、言わないといけないことをはっきりという人、好きです。

そして、嫉妬や悔しさを素直に出せなくて、その感情を隠して頑張る劇団員が居るのですが、そういう人も好きラブラブ(そう振舞っているわけではなく、何も考えず)屈託ない人より、ぐちゃぐちゃ考えちゃう人のほうが素敵だと思う・・・。まぁ、好みの問題ですね(笑)


劇団の姿勢が、評論家や玄人が好むような高尚なものよりも、分かりやすくて客が単純に笑って帰れる芝居を、というものであることも好みでした。わかりやすいって大事だと思うのです。


舞台ならではのハプニングも見所。恩田陸著「チョコレートコスモス」とか美内すずえの「ガラスの仮面」とか、演劇物が大好きなので、有川浩×演劇物なこの本は本当に好みどんぴしゃって感じ。


メディアワークス文庫のサイト によると、続編が2011年1月25日に発売予定ということで、本当に楽しみです!!

心に引っかかっていた本を検索してみたら、心に響く感想があり、そのブロガーへ伸行はメールを送った。彼女とのメールのやり取りはとても楽しく、ある日会うことを提案するが、彼女は乗り気ではなくて・・・という話。


こうやって書くと、なんだか軽いなぁ・・・。

実際はとっても大事なことを教えてくれる、“重たい”本です。私はこの本すごく好きです。じれったくて胸キュンな恋愛・・・有川浩小説の醍醐味!ちょっとめんどくさい性格のヒロインも、有川浩っぽい。「海の底」のヒロイン・望や「シアター!」のヒロイン・千歳のような・・・。


さて、どうやったらネタバレせずに感想を書けるかな~と悩んだのですが、諦めます。ネタバレしないようにすると、書きたいことの大半が書けない!

ということで、以下はネタバレ注意です。読んでいない人は読まないでください!


















ここまでしなくてもいいかなぁ汗でも、ひとみの「・・・・・・重量オーバーだったんですね」という台詞の重みがなくなっちゃうし。うっとうしい書き方ですみません(;^_^A


私はこの本を読んで、衝撃を受けました。後ろから自転車のベルを鳴らして、寄ってくれなかったら当たり前に「この人感じ悪いなぁ」と思っていました。

耳が聞こえない人も居ることはわかっていても、自分がすれ違う人がそうかもしれないとは全く想像したこともなくて。


作中ひとみが「知らずにひどいことした」「耳が悪い人もいるから後ろの人に気付けない人が居てもイライラしちゃいけないね」なんて思うはずがない、というような事を言ってましたが、私はこの本を読んでから、そう思うようになりました。

一見感じの悪い態度を取られても、自分の想像のつかないような理由があるのかもしれない、と考えるのです。そうすると、イライラしたりムッとすることがすごく少なくなりました。家族や友人が文句を言っていても、勝手に事情を想像して言うようになり・・・。

例えば横入りしてきた車に怒っていたら「もしかしたら妊婦さんが乗ってて、産まれそうなのかもよ~」とか「トイレに行きたくて切羽詰ってるのかも?」とか言うのですが、「よくそんなことまで考えるね・・・」と呆れられます(笑)元々の性格もあるかもしれませんが、どうでもいい人に怒ることがあまりなくなりました。


自分がなんとなく思っていたよりも、耳が聞こえない人やしゃべれない人はいっぱい居ることにも気付きました。


この本は私にとって、とても大切な本です。読み返すたびに発見があります。



ようやく読みました、この本。 何と言うか、難しそうなイメージがあってなかなか読む気にならなかったのです・・・。きっかけを作ってくださった青空さん に感謝ですラブラブ

“バチスタ手術”の成功率100%を誇っていた、東城大学医学部付属病院の“チーム・バチスタ”。ところが原因不明の術中死が連続して起きるようになっていた。病院長に頼まれて“愚痴外来”の田口は調査をすることになったが・・・という話。
難しい、医療問題ミステリだと、読みもしないのに勝手に思い込んでいました。
だから読んでみてびっくり。すごく読みやすかったです!医療系の専門用語とか理解しきれているとは言えないかもしれないけれど、それでも問題ないほどエンターテインメント性の強い小説でした♪

全く自分から動いていないのに巻き込まれる田口や、しれっと厄介事を任命する病院長や、何と言っても強烈なロジカル・モンスター白鳥。多様で個性的な登場人物たちがとっても魅力的です。

医療の色んな問題について書かれていますが、説教くさいわけでは全然なくて、「こんな問題があったのか」とか「医療系の仕事は激務だと知っている気になっていたけれどこんなに大変なのか!」とか、面白く読んでいるうちに自然と考えさせられました。


このままで日本の医療は大丈夫なの!?と不安になってきます・・・。問題が山積みのようですが、それは社会全体もそうなのかもしれませんね。

肝心のストーリーも本当に面白かったです。


今はシリーズの「ジェネラル・ルージュの凱旋」を読み始めたところです。また近いうちに感想アップします♪

「異色作家短篇集」に影響を受けて書かれた、ちょっと変わった短篇集。




裏表紙の内容紹介で「小説のあらゆるジャンルに越境し、クレイジーで壮大なイマジネーションが跋扈する恩田マジック15編」と書かれていて、どんなん!?と思って読んだらそんなんでした(笑)




『観光旅行』指や手の形の大きな岩が所かまわず生えてくる村を見学しに行った夫婦の運命は・・・。


『スペインの苔』幼少期の悲惨な体験とその後の人生。ロボットと偽善者とスペインの苔の話。


『蝶遣いと春、そして夏』山の声を聴き死者を弔う蝶遣いと、蝶遣いになりたい少年の話。


『橋』日本を西と東に分ける橋のバリケードで水商売の女性たちがおしゃべりをしている話。

『蛇と虹』姉妹が不穏な気配漂う思い出話(?)を交互にしていき・・・。

『夕飯は七時』三兄妹が初めて聞く言葉に戦々恐々とする話。

『隙間』隙間を恐れている男が、あるときついに・・・。

『当籤者』ロト7に当籤してしまうと命の危険さえあるのに、ある男が当たってしまい・・・。

『かたつむり注意報』シン・レイという作家の足跡を追ってある土地へと来た男は、かたつむり注意報が出た場に居合わせ・・・。

『あなたの善良なる教え子より』手紙に書かれた、“善良なる教え子”の過去と告白。

『エンドマークまでご一緒に』フレッド君はミュージカルの主人公。音楽がなるといついかなるときも歌って踊らなければならない。

『走り続けよ、ひとすじの煙となるまで』王国=駆動体がいかに発見され、走り続けてきたか。

『SUGOROKU』「上がり」を目指してお告げに従い進んでゆく少女達。

『いのちのパレード』あらゆる動物たちが歩いてきて、そして遠くへと行く。

『夜想曲』インスピレーション、ミューズ、天啓などと呼ばれてきた三人組がある部屋へとやって来て・・・。




こうやって並べてみると、本当にジャンルに分けることが難しいし、それぞれ想像力を刺激されるような、不思議な話の短篇集だと、改めて思います。


恩田陸の「夜のピクニック」や「ドミノ」あたりしか好きじゃない人にはオススメできません。読み終わった後スッキリするような本ではないからです。けれど、「常野物語」シリーズや「月の裏側」なんかが好きな人なら、気に入ると思います。


リーダーの想いと、走ることだけを考えているような主人公に引っ張られて、ど素人と言っても過言ではない残るメンバー8人、計10人で箱根駅伝を目指す、青春スポーツ小説。


・・・と言えばなんだかとっても爽やかスポ根のようですが、10人全員とっても個性的でスポーツマンっぽくないししょっちゅう酒盛りしていて、爽やか・・・ではないような・・・

それもそのはず、ある日突然箱根駅伝を目指すことになったメンバーのほとんどは長距離未経験者で、そのうちの1人、“王子”に至ってはスポーツとは無縁のマンガオタク。スポーツマンというより普通の大学生のノリなのです。そこがこの小説の魅力の1つだと思います。

長距離走とは縁の無かったメンバー達が、文句を言いながらも頑張って成長していく流れがとても読み応えがあるし、それぞれのキャラがとてもいい!特にリーダー・清瀬灰二がしれっとしていて、でも熱くて、素敵ですきらきら!!


今回でこの本を読むのは3度目くらいなので、油断していたのですが、カフェなどで読んでいると何度も涙が浮かんできてちょっと焦りました。なんというか、こう・・・ぐっと熱いものがこみ上げてくる、というか(笑)

解説には「まるでファンタジーだ」という感想もあったと書かれていましたが、「いいじゃん、小説なんだから!」と思います。でも読む人によってはご都合主義のように取れるのかなぁ。それでも私は読んでいてすごく盛り上がるしドキドキハラハラするし、こういうの大好き!です。


小説の終盤で、それぞれが今までを振り返ったり、まったく走ることと関係のないことに思いを馳せたりするのですが、なんだか数回読んだ内、今回が1番その部分に読み応えがあったし、じっくり考えられた気がします。

きっと1回目・2回目はストーリー展開や主要登場人物達にしか目がいかなかったんですね。

特に印象に残ったのは“キング”というメンバーが「俺はこんなに、だれかと濃密に過ごせたことはなかった。一緒に、心から笑ったり怒ったりしたことはなかった。たぶんこれからもないだろう。ずっとあとになって、俺はきっと、この一年を懐かしく切なく思い返す。」と思うあたり。

1回目・2回目は読み流していたのに・・・。でも今回は凄く切なくなりました。


この本を初めて読んでから最初の箱根駅伝を、生まれて初めてちゃんと観ました。テレビで、ですが・・・。それまでは「ただ走っているのを見て、何が楽しいんだろう」なんて思っていたのに(^▽^;)

すごーくドラマチックでした。

「ただ走っているのを見て」いるだけで、「この小説のメンバーのように、皆色んな思いを抱えているのだろうし、ずっと走りこんできたんだよなぁ・・・」と思ったし、選手達の努力や感情がテレビの画面越しに伝わってきたような感じで、胸が熱くなりました。


とはいえ、私自身は相変わらず走るの大嫌いなままなのですが(笑)特に長距離やらマラソンやらは嫌いなんです。


この本は本当にオススメ。私のスポーツ小説ベスト5のなかで、「DIVE!!」と1位・2位を争う小説です。

青春したくなるし、何かに打ち込みたくなるし、少しでも運動しようと思い始める・・・そんな本です。