どのようなスポーツでも、基本的には攻守のバランスが大切だと言われています。
しかし、攻撃を仕掛けないことには勝つことが出来ません。
例えば、野球の場合はいくら良い投手、守りの堅い守備陣がいたとしても、攻撃力が無ければ、守ることが出来ても、勝つことが出来ません。
サッカーも同様で、いくら鉄壁の守備陣が揃っていても、得点力が無い攻撃陣なら、守ることが出来ても、勝つことが出来ないのです。
ところが、武道のひとつである柔道の場合はどうでしょうか？
当然のように、技を仕掛けていかなければ、勝つことが出来ないことは、他のスポーツと比べても変わりません。
しかし、大きく異なる点があります。
柔道の場合、鉄壁な防御をしていれば、勝てなくても負けることが無いかと言えば、決してそうではないのです。
極端な防御姿勢を取ったり、技を仕掛けなければ、「指導」という警告を出されてしまうことがあるのです。
つまり、守っているだけでは、勝つどころか判定負けを喫してしまうことがあるということです。
これは、今の時代の商売やビジネス、貯蓄などにおいても同じようなことが言えるのではないでしょうか。
以前は、上記のスポーツのように何かを仕掛けなくても、守っているだけで収入が得られたり、貯蓄が増える時代がありました。
しかし、現在はどうでしょうか？
お店の中や院の中で、じっと何もしないで待っていても、お客さんやクライアントさんが増えることはありません。
また、銀行に預けた100万円も増えるどころか、手数料だけでもマイナスになってしまうような状況です。
つまり、守っているだけで勝つことが出来た時代、守っているだけで負けることが無かった時代は、とっくに終わっているのです。
もっと言えば、攻撃を仕掛けない、極端な防御姿勢を取り続けていると、負けてしまったり、マイナスになってしまう時代を迎えているのです。
これは、海外旅行以外で外貨を持たない方にとっては、あまりピンとこない話しかも知れませんが、たとえば私が6年前にフィリピンに行ったときは、10000円で約5400ペソに両替することが出来ました。
しかし、本日は10000万円で約4500ペソであり、一時は約3700ペソまで下がった時期もありました。
10年ほど前までは、年金さえあればフィリピンではメイド付きで、遊んで暮らせると言われていました。
しかし、現在はそう簡単なことではありません。
今後さらなる年金受給額の減少、フィリピン物価の上昇を考えれば、不可能なことになるでしょう。
もちろん、中にはそんなことは無いと反論する方がいらっしゃると思いますが、これはあくまでも日本人的な生活レベルのお話です。
安全が保障されない地域や住宅、安全が保障されない飲食物、衛生面を考慮しない環境なら可能でしょう。
ただ、日本でそこそこの生活を送ってきた日本人、しかも高齢な年金受給者が、わざわざそのような環境で暮らすために、海外移住する意味があるでしょうか。
このようなことからも、以前と比べてじわりじわりと、明らかに日本円の価値が下がっているのです。
今後、さらに円安が進んでいけば、状況は想像するに容易い結果となるわけです。
繰り返し言えば、銀行に預けて使わないで守っていれば安心という時代は、終焉を向かえようとしているのです。
しかし、それでも、「そんなことは絶対にない」、「日本に限ってはあり得ない」と反論する方がいらっしゃるでしょう。
ただ、ひとつ言えることは、どこかのタイミングで攻撃を仕掛けたり、勝負することをしていかない限り、何かが増えることは無いということです。
なぜなら、商売、ビジネス、貨幣など、その価値を決めるのはあなたではなく、常に市場だからです。
これは、決してギャンブルをするという意味ではありません。
空振り三振をするか、見逃し三振をするか。
勝つためには、振りにいくしかない場面があるのです。
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