10年に一度の受難劇の会場には、外国や国内のキリスト教関係団体のグループも多く見られます。彼らは、教会を見学し、そこで祈り、礼拝に参加して、敬虔な気持ちで劇を鑑賞します。
鑑賞プラス観光ツアーも多く、アメリカからはるばるやってきた団体のメンバーは せっかくドイツに来たから、オーバーアマガウの後は、ロマンチック街道や、ベルリンなども見学するとの事でした。また、10年に一度しか開催されない、村人による劇という珍しさから、受難劇ってなんのことかわかんないけど来てみた、と言う物見遊山タイプもかなり多い。
まあ、目的はなんでもいいと思うのですが、せっかく安からぬチケットを取って、遠路はるばる来るからには、やはり目一杯楽しみたいと思います。受難劇を楽しむなんて、ちょっと違和感がある表現だなあ。なんと表現するのが適当か?
わたしは実家が教会で、父がプロテスタント教会の福牧師、母も奏楽などを担当していたクリスチャン家庭の生まれで、わたしも洗礼を受けており、子供の頃は、聖餐式用のパンを切ったり、ブドウ果汁を小さなグラスに注ぐお手伝いをしていたし、日曜日は教会に行くものだと思って過ごしてきたので、聖書物語は、我が家の常識のようなものになっていたため、一般的なキリスト教に対する知識がどの程度のものなのか想像できないのですが、アダムとイブの話、ノアの箱舟、マリアとヨゼフ、キリストが厩で生まれた事、最後の晩餐、磔刑に処され、三日目に蘇った、などは有名なんじゃないかなあと思います。
ところが、この受難劇は、キリストがいよいよ受難に向かう最後の数日間のことが演じられるために、みんなが知っているおなじみの場面がなかなか出てこないんですね。
最初の場面はイエスのエルサレム入城です。
この長丁場の受難劇を堪能するためには、前もって、予習をしていた方が断然良いと思う。
クリスチャン家庭に生まれ育ったので聖書物語は常識、と先程豪語したばかりですが、実はわたしも登場人物の中に、果たしてこれは誰だったか?何をする人だったか?キリストを糾弾する側だったか、味方だったか?とか混乱しましたもんね。ニコデモって誰だったっけ?とか。
もちろん有名なイスカリオテのユダの裏切りと後悔の場面や最後の晩餐の場面もありますが、それに至る緊迫した状況を理解していた方が、得る感動も大きいような気がします。
だからと言って、聖書を取り出して、一ページ目から読み始めるのも現実的では無いだろうし、一番良いのは、受難関係の書物を読むとか映画を見るとかはどうかな。例えば映画なら、「パッション」?ちょっと痛すぎるかなあ?「ベン・ハー」も視点は違うけれどあの時代のことで、時代背景の理解には役にたつ気もする。「King of Kings 」もいいかも。まあ、いろいろあります。とにかく何かしら、読んで、準備してきた方が良い。シナリオブックだけでは充分でない。
と言うことは、ドイツ語がわからなくても、聖書物語の知識があれば、全く問題なく堪能できるはずです。有名な言葉などはドイツ語でも「ああ、これだ!」とわかるはず。
あと、頻繁にその場面に合った背景が出てきますが、それもこの劇の見どころの一つの活人画です。ピクリとも(当然)動かないために、最初は人形かと思うぐらいでした。
オーバーアマガウの村は、壁画で有名です。ロマンチック街道ツアーで、ノイシュヴァンシュタイン城へ向かう際に立ち寄るグループは多い。この赤ずきんちゃんの家も見たことある方も多いはず。
さんぼ
