できるようになったこと
○ 傷口の洗浄。これは術後四週間以上ろくにできませんでしたが、今では柔らかい布に薬用石鹸をつけて、撫で回してしっかり洗えます。
○ 歯ブラシで全ての歯を磨く。左側はあんまり残ってないんですけどね。これも口が開かないので、洗浄液とスポンジ歯ブラシでなんとか洗っていたけど、今ではなるべく小さなヘッドのブラシで、丁寧に全部磨けるようになった。
これが口腔内の洗浄液とスポンジ歯ブラシ。
○ 残った歯を平等に使用して咀嚼。どうしても右の奥歯ばっかり使ってしまうんですが、それでは右の歯がダメになっちゃったらまた食べるのに苦労することになるので、全員平等に使ってあげることを意識しています。
○ 基礎化粧品でお手入れできるようになった。口から下はまだ注意が必要で、まだ触るのも恐々ですが、あとの部分は前のようにお手入れする気になってきた。
○ ほとんどのカップやグラスで飲めるようになった。唇の感覚が鈍いので、直接飲めず、ストロー愛用していたけれど、最近は大丈夫になってきた。難関の厚手のマグカップもクリア。
○ 「一口大」のものならかぶりつける。パンとかおにぎりはまだあの大きさには口が開かないので、ちぎったり切ったりしないと無理だけど、お肉でもお魚でもナイフで一口大に切れば、大丈夫になった。
案外、生活に支障が少なくなってきた。
解決すべき問題もいくつかあって、例えば喋ること。これは唇と左頬と顎の麻痺と感覚異常のために、前のようにはいかない。
ガイド通訳では喋るのが仕事なので、なるべく明瞭に話せるように練習しなくては。まあ、多分明瞭に昔のように話せてるのでは無いかなあ、と思うんだけど、かなり努力して発語するので、すごく疲れる。だから電話も積極的にしたく無いぐらい。特にドイツ語の発音はかなり酷くなったと思う。自分の苗字さえ難しい。Rから始まるので。先日マックドライブでいちごミルクシェイクを頼んだけど、Erdbeermilchschake(エルドベアミルヒシェイク)がなかなか通じなかった。フィッシュマックは一発で通じたけど。
口腔内も、感覚が鈍い部分があるので、食べるときに傷つけないように本当に気をつけないと。急いで食べたりしたら、噛んで流血騒ぎになります。落ち着いて大事に慎重に食べることに慣れないと。早飯ぐらいだったので。あと食べ物の温度にも気をつけないといけない。ちょうど口の下の真ん中の部分に感覚が無い部分があるので、口では温度がわかりにくい。注意しなくちゃ。
あと唇と顎の感覚が無い場合、食べこぼしとか、おべんとうとか多発します。今日はおやつにアイスコーヒーを頼んだけど、ドイツのアイスコーヒーはコーヒーにアイスクリームと生クリームがてんこ盛りにされたものですが、ちょっと気を抜いて、鏡も見ずに食べたんですが、終わった時、携帯のカメラ機能で見て仰天。口周りにべったりクリームがつき、顎までコーヒーと生クリームが滴っていました。淑女として、これはマズイ。絶対に外食時は気を抜けない。
意外なことに前と変わらず食べられるのは麺類。スープに浸かっている和風 中華の麺です。もともとわたしは麺類を啜り込んで食べることはしません。啜り込めないんです。あれ、難しいですよ。鼻から出そうになる。あるいは麵じゃなくて空気を啜り込んだり。だから元からラーメンやうどんの類は一本一本レンゲにとって食べており、みんなから「不味そうに食べるな」と不評だったんですが、こうなってみて、幸いなのは、その変な食べ方のおかげで、前と変わらずに食べられます。
あとは些細なことではあるけれど、フェイスラインが変わってしまったのが気になる。まあ、どっちにしても、美とはあまり縁がなかったので、他人は気づきもしないだろうけど、やっぱり慣れた顔から変わったのは自分では気になるな。目が慣れたら大丈夫なんだろうけど。
命を救っていただき、仕事にも復帰できている身で、何を贅沢にも細々と不満を連ねているんだろう、と自己嫌悪になりますが、わたしは自覚症状がほとんど無かったために、狐につままれた気分で手術を受けて、全てに未だに現実味が無く、自身の状況認識が不足していたこともいつまでも現状に違和感を持つ理由の一つと思う。
これが問題のアイスコーヒー。
今後は一口食べるごとに口を拭こうかなあ。それもみっともいいもんじゃ無いけど。おひげつけるより良いかも。
さんぼ

