もうすぐ6月も終わります。
3月10日前後から、イタリアのほうで爆増していたウイルスの感染者がドイツでも急増し、ドイツ全体が不穏な空気に包まれ、メルケル首相の大変冷静で、理性的でそれでいて慈愛に満ちた演説に続きドイツは全国で外出制限が実施されました。
ドイツは、多くの商店の休業要請をすると同時に緊急援助もすぐに始め、わたしの会社も含めて多くの中小企業がとりあえずの当座のお金を手にすることが出来ています。しかしながら、この緊急援助の補助金は、生活費としてではなく会社の維持費としてのものでしたから、売り上げが全くなくなった中小企業、レストランのオーナーは、しばらくは全くの収入無しでなんとかやりくりすることを余儀なくされました。従業員に対しては、操業短縮手当と言う名目で、連邦労働局から収入のおよそ60%から70%程度が支払われています。まあ、この手続きはちょっと面倒でしたけれど。
わたしたちの会社は、緊急援助で振り込まれた9000€は、大型車両のローン、手配済で入金済みだったグループ旅行の返金などで瞬く間になくなり、会社の口座もかなり危機感を感じるものになりましたが、なんとか幸運にもすぐに旅客運輸の仕事が見つかって、所有の車はほとんど稼働中です。うちのバスが全部停まっていたのは、3月17日から30日までの期間だけでした。これはかなり幸運だったと思います。
今はバスが四台になっていますが、一堂に会することがない。いつかは全部揃った写真が撮りたいなあ。
わたし自身は、本来は8人乗りのミニバンで、主に日本からの観光客、ビジネス客に移動と観光や視察案内を一手に引き受ける日本語ドライバ—としての仕事が中心でしたが、それは今は休業状態で、再開のめども立っていません。今はバス運行のための様々な仕事を担当しています。
夫は、この道40年近くで、路線バスはほとんど担当したことが無く、ヨーロッパ中を走り回るツアーバスのドライバーとして生きてきました。独立してからも、出来る限り自分自身でハンドルを握り、ヨーロッパの隅々まで熟知したドライバーとして評判もとても良かったです。わたしの会社の社員の運転手さんたちも同じく、走り回るのが自分の人生、と称して、今日はバルセロナ、明日はパリ、と言うような旅の生活を心から楽しんでいた人たちばかりです。
それが今は一日中、同じルートを往復する生活になっており、仕事が続けてあるのは有難いのだけど、かなり負担になりかけているような印象があります。しかもこれがいつまで続くかもわからないし。
会社としては、今の仕事がもしも無くなってしまったら、数か月で倒産ですから、続けなければならないけれど、まだどれぐらいの期間出来るかもわからないし、そもそも一度も希望したことのない分野で、頑張っていくことが出来るのかどうかも自信がなく、わたし自身はかなり精神的に参っています。当面は倒産の危機を逃れているのだから、満足しなくてはいけないのですが。
現在は、日常生活はほぼ元通りになったという感じです。いろいろな催し物はまだ禁止されているものも多いですが、街の中もも人出が多くなってきました。
ただし、毎日のように聞こえてくるのはあちらこちらでの商店や会社の倒産のニュースです。三か月間の外出規制措置により、収入が途絶えたお店や企業の倒産はこれからもどんどん増えてくるはずです。恐ろしくてたまりません。
さて、わが社は大手ツアー会社から、ドイツ人団体客の観光ツアーの依頼を受けて営業していましたが、遂に今年の8月31日までのツアーはすべてキャンセルと言う連絡が来ました。ホテルや観光地は徐々に営業を許可されていますが、ホテルもソーシャルディスタンスの規定を守るためには、キャパシティーが通常よりも少なくなるために、大型団体の受け入れが難しいのです。また、国をまたぐツアーが多いために、国ごとの規制は細かく違っていますので、ツアーのサービス、例えばどこかの市内観光や、お食事などの手配も、現時点では難しいのです。
規制緩和で、喜んでいる人たちもいるでしょうが、純粋に喜べるのは、ごくごく一部の人だけだろうなと思います。
会社が開店休業になって、唯一良かったことはお庭がここに越してきて初めてご近所に見劣りしないほど整えることが出来たことだけ。でも、うれしい。
7月1日から多くの週でさらなる緩和措置がとられます。具体的なことはまた覚え書きとして7月に入ってから書こうかなと思います。
さんぼ


