ご飯に関しては、あらゆるガイドブックで、残念な評価を受けることが多いドイツからイタリアに来た場合、食事は大きな楽しみの一つになります。いや、ドイツ料理だって、食べる場所と、何を注文するべきかを熟知していたら、結構満足できるところも多いんですけどね。食のレベルに関しては、どうしてもイタリアのほうが上だと思う人は多いでしょう。実際、わたしはドイツの生活にかなり満足していますが、レストランでの食事に関しては、イタリアでのほうが、喜びが大きいですね。
また余計な話になりますが、ドイツ人というのは団体旅行が大好きで、それだからこそわたしと夫は弱小ながらもツアーバス会社を経営できていたんですが、ドイツ人団体旅行者の最も好むデスティネーションの一つがイタリアです。
わたしは夫の運転するバスで、長女が小さく、次女がまだ影も形も無かった頃、二週間に一回ぐらいイタリアに行っていた時期があります。バスの中のお世話係と、観光地でのガイドさんに会うまでの引率とか、添乗員をしていたのです。長女はまだ幼稚園前ぐらいだったかな?楽しかったですね。
で、ドイツ人団体客ですが、通常はツアーにはお昼ご飯はついていません。で、ガイドと一緒の観光の後は、たっぷりと時間があるんで、常人ならばそこでお昼ご飯を、とか思うと思うんですが、ドイツ人たちは決してレストランなんかには行きませんでした。自由時間が終わってから、バスの中で販売しているドイツから持ってきたソーセージと黒パンを食べるんです。
美食の国イタリアにいるのに、イタリアのご飯を口にしない。まあ、夕ご飯はホテルのセットメニューがついていましたけどね。それもイタリア料理ではありますけどね。
考えてみれば日本人の旅行客の人も、お昼ごはんなんて食べないで、精力的に観光する人も最近多いかな。
実際のところ、わたしも先日のパリ旅行ではお昼はちゃんと食べていませんね。おやつぐらいで済ませました。でもそれはわたしにとってはとても珍しいです。わたしはちゃんと食べる派です。朝はすごく軽い習慣なので、お昼ごろにはおなかが空くし、その頃にはちょっと座って休みたくなっているし、何より旅行先ではその土地のレストランかカフェに入って、ちゃんと食べたい。
出来ればワインと一緒に時間をかけたい。
というわけで、ドイツ人のバスの添乗員をしてイタリアに行っていた時も、ドイツ人団体客が神社仏閣巡りとか散策をしている間、長女と一緒に評判のいいレストランに入って、しっかりイタリア料理をワインとともにいただいていました。夫?夫はかわいそうに、一緒に食べたことは無かったと思います。大型バスの駐車場は、イタリアの場合はどこも非情なほど遠くにあるので、彼はそれこそドイツから持ってきたサラミとかソーセージを齧って終わりです。
さて、今回のミラノ旅行では、ミラノ在住の旧友と4回一緒に食事できることになっていたので、一回一回を吟味して選びました。あ、わたしが選んだんじゃなくて、もちろん現地在住のお友達のお勧めです。彼女のお墨付きのレストランのほかに、彼女がかねがね行ってみたかったというレストランもあったな。
ミラノでの最初のお昼ご飯は、お友達もまだ行ったことのない軽食レストランで、なんと彼女は日本の雑誌でそのレストランの記事を見て、一回行ってみたかったとのことです。日本の旅行ガイドブックは本当にいろいろと載っていますよね。レストランとショップ情報に関しては。
そのレストランは、「タコバーガー」で有名なPescaria
Pescaria Milano
Via Nino Bonnet 5 20154 Milano
ここは、カウンターで注文して席に着くタイプのレストランで、南イタリアのプーリア州の名物を食べることができます。
タコをカリっと揚げたものを挟んだタコバーガーが有名らしいです。
地下鉄二番線のGaribaldi駅から歩いて10分ぐらいだったと思うんですが、すごく便利のいい場所というわけでない。どの地下鉄の駅からも多少歩く感じのところで、回りは、味もそっけもない建物ばかりの新しい区画です。そこにある小さな食堂。
わたしは最初、貴重なミラノでの四食のうちの一食が、マクドナルドまがいのカウンターで注文するところなんて!と一瞬思いましたが、そのショーウインドウに並ぶ数々の海の幸を見るにつけ、これはただものではない、とすぐ気が付きました。
新鮮な海の幸をその場で調理、あるいは生のままいただくことのできる素敵なレストランでした。
注文したのはもちろんタコ関係。バーガーは大きすぎると思ったので、オープンサンドっぽいのにしました。すみませんが、料理名は覚えられませんでした。Polpoナントカ、と言っていたと思います。二種類頼みましたがもう一つはサーモンです。お友達はタコとマグロ。
こんがり焼いたタコの下には、ほうれん草か何か、緑の野菜のくたくたに炒めたのも入っていて、意外な組み合わせでしたがとてもおいしかったです。下の台は、パンなんですが、いかにもイタリアによくある、ぱさぱさの白パンなんですが、程よい具合にトーストしてあり、上の具ととてもよく合ってました。
あとは、お友達と二人でシェアしてFrittura Mista。これは説明する必要もない、軽くサクサクに揚げた海の幸のフライですが、さすがイタリア。揚げ具合、衣の具合、完璧でした。ドイツのイタリアンでもフリットは食べられること多いですが、衣が厚く、まるで日本でいうところのフリッターのような感じのところが多いんです。だからドイツではフリットは、ちゃんとしたのが出てくるとわかっているところでしか頼めませんが、イタリアは今までの限られた経験では、ほとんどはずれが無い。その中でもここのフリットは今までで一番軽く、揚がり具合が、非常に良かった。
もちろんお供は冷えた白ワイン。
テーブルはほとんどが相席になるような感じで、高いバーチェアーみたいなのによじ登らなくてはいけないテーブルも多く、落ち着いて食事をする感じでは全然ないです。かなり狭いお店なので、並ぶことも多いらしいし、予約は出来ないんじゃないかなあ。だから、ここに行きたい人は、お昼の開店のちょっと前に行っておくというのが一番確実かもしれません。
あと、メニューはイタリア語だけだった覚えがあります。ただ、カウンターに見本があるので、それを指させばいいし、働いている人たちは英語はわかるし、そんなに苦労しないと思います。
「ヨーロッパ情報」のジャンルにいると思うんですが、情けないことに、いくら払ったか覚えていません。ちょっとネットで調べたけれど、見つけられなかった。二人分で30 €しなかったと思います。ワインも入れて。
長居するところでは無いので、さっさと食べて出ていくんですが、それでも手をかけた、体に良いものを食べた!と言う満足感でいっぱいになって食事を終えることのできる素敵な場所でした。ちょっと駅から歩きますし、あのあたりは別に観光箇所も無いようなところですが(近くといえば近くに有名な食材デパート、イータリーがあるけど)、ここは足を伸ばして食べに来る価値ありだな、と思いました。
さんぼ


