iPS細胞よりさらに簡単に万能細胞を作る手法の発見。その名はSTAP細胞。
そしてその立役者は割烹着を着た若干30歳の研究チームリーダー、小保方晴子さん。

専門外の私にはよくわからないがSTAPは「刺激惹起性多能性獲得」Stimulus Triggerd Acquisition of Pluripotency cellsの頭文字を取ったもの。
哺乳類では一度それぞれの臓器や組織に変化した体細胞は、別の体細胞には変化できないと考えられていた。しかし今回マウスのリンパ球の細胞を弱酸性の溶液につけて刺激を与えて培養することであらゆる細胞に変化できる万能細胞が作れることが発見された。しかもiPSより適応性があり短期間でできる。全身がSTAP細胞から作られたマウスの胎児が得られたというから驚きだ。人間の細胞でも成功すれば病気や事故で失った機能を取り戻す再生医療への応用が期待できる。

そして小保方春子さん。大学時代は勉学の傍ら体育会のラクロス部で汗を流す文武両道生だったそうだ。研究室の中には色鮮やかな置物が多く、彼女の耳には可愛いピアス。しかも白衣の代わりに着ているのは祖母からもらったという割烹着。その一方で学生時代から再生医療で人の役に立ちたいという強い志を持っていたと聞く。
興味あることに明るく突き進む若い感性と努力を惜しまぬ真摯でひたむきな姿勢が常識をくつがえす素晴らしい研究成果を生んだ。なんか日本を元気にしてくれるニュースである。
生物学ではなく化学出身だった事も別の視点で問題をとらえ直せたという点でよかったと思う。以前、田中耕一さんのノーベル賞の時もそれを感じた。どんな分野でも新しいアイデアに対して権威者から徹底的に正当性を追求される。保守的な考えともぶつかる。そのためには粘り強く実験を繰り返し客観性のあるデータを集め実証しないといけない。そのへんの苦労の跡は彼女のインタビューからもうかがえる。
彼女のインタビューの印象的な言葉
「やめてやると思った日も、泣き明かした夜も数しれないですけども
きょう1日だけは頑ばろう。明日1日だけは頑張ろうと毎日思ったところと
本当に決定的なピンチになったときに
必ず助けてくれる人が現れてくれた
というところがすごく大きかったと思います。」

ところで、こういった研究が進み将来人間の寿命が著しく伸びてしまうどうなるのか。ずっと現役で頑張れるなんて手放しで喜べない気がする。人間は寿命があるとわかっているから人生を充実させようとするだろうし、子供や孫など後に続くもののために頑張ろうとする。もし300年も生きる様になったら若い世代はいつまでも長老の支配から逃れられず夢も未来も描けず。。。。。
おそらくお互いにとって相当不幸な世界になるだろう。
いろんなことを考えさせられた1週間だった。