35年前の今頃、キャンディーズはつま恋合宿を終え、九州公演を皮切りに「ありがとうカーニバル」のツアーに突入している。
彼女達に夢中になっていたあの頃の自分に戻りたいといつも思う。
なぜ時間は過去から未来に向かってだけ流れるのか。
仮に時間は遡れなくても、せめてもう一度全てを元の状態に戻してやり直すことができないか。
しかし「覆水盆に返らず」のことわざにある様に一度起こしてしまった事を周囲に何も痕跡を残さずに元の状態に戻す事はできない。この世の変化は不可逆である。
しかし当時のラジオ放送を当時のラジオで聞いたら気分だけでもタイムスリップできないだろうか。そう思ってこんなものを借りてきた。
ソニー スカイセンサー5900!

先輩から拝借したものだ。
BCLファンならずとも当時のあこがれのラジオとして御存じの方も多いと思う。1975年発売。10KHZ単位で正確なチューニングが出来る巨大なSPREAD DIAL、SSB放送受信の為のBFOスイッチ等々マニア垂涎の機能満載。さらにBASS/TREBLEつまみもありFMの音質も素晴らしいものだった。本機で大橋照子さんのヤロメロのキャンディーズコーナーを聞かれていた方も多いのでは。
あいにくポップアップアンテナが故障していて伸びない。しかしそれにも関わらずスイッチを入れるとFM放送が高感度でクリアな音質で聞こえるのに驚いた!
当時自分が使っていたのはICF-5900ではなく姉妹品のICF-7800という小型ラジオ。折り畳み式のシェル型ボディーに巨大マグネットスピーカー、BASS/TREBLE、スリープ、目覚ましタイマー付きの優れモノだが、スピーカーのウレタンエッジが劣化して破れており今回は使用断念。

前置きが長くなったが、ではどうやって当時のラジオでキャンディーズを再現するか。
仕組みは簡単である。
Youtubeに上がっている当時のラジオ音源をカ―用のFMトランスミッタ―で飛ばしてこのICF-5900で受信すればいいのだ。(実は出張前の3/10の日曜日に実験していが報告が遅れてしまった。)
PCのヘッドホン端子にAudio Technica製のFMトランスミッタ―を接続。

電源はシガーライターソケットが必要だが、ACとシガーライターソケットの変換アダプターを購入した。

さて、いよいよ音出し! 緊張する。
日曜の朝だったのでこのコンテンツを選んだ。
1978年4月2日 不二家火曜ベストテン キャンディーズの微笑み返し2週連続1位
周波数針がニッポン放送の1242kHz(当時は1240kHz)の位置になる様にFM周波数を調整する。
PC等の目ざわりなデジタル機器を避けるためラジオを持って和室に行った。
さあスタート!

な、なんだこの感覚は。。。。
ロイ・ジェームスさんのアナウンス。あの頃の日曜の朝と同じだ!
微笑みがえし 第1位の嬉しい語りと共にAMの音質であの曲がかかると、思わず目頭が熱くなってしまった。。。。
これは想像を超える体験だ。
1978.3.12のGoGoキャンディーズも聞いてみた。
もちろん周波数の針が1134KHZ近辺(当時は1130kHz)になるようにFM送信周波数を再調整した。

ああ。。。。。。ラジオの向こうでミキちゃんが歌っている!
まるで今現実に起きていることの様に!!
身も心もどんどんあの時代に帰っていく自分がそこにある。
こうして留守中の家で1人涙ぐんでいました。
最近はyoutubeで手軽に3人の画像を見ながら音源を聞かれることも多いと思う。でもこの体験は全くその対極にあるものだった。画像など無くてもこんなに感動してしまう。CMが入っていたりするとすごいリアリティーだ。
最後に、今日3/19日はニッポン放送キャンディーズスペシャルで「つま恋合宿」のドキュメントが放送された日。
これをスカイセンサー5900で聞きながら今夜は寝ようと思います。
ありがとう5900!

ありがとうキャンディーズ!
