Jazz Guitar (4)  ~ リー・リトナー ~ | Bohemian78-ambのブログ

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4回に渡りお送りしてきたJazz Guitar特集。

締めくくりの最終回は70年代後半~80年代前半を象徴するギタリストとしてリー・リトナー(Lee Ritenour)御紹介します。
本来ならラリー・カールトン、パットメセニーのギタリストにも言及すべきですがそれはまた別機会にという事でどうかお許しを。

リー・リトナーと言えば、キーボードのディブ・グル―シンやドラムのスティガットなど一流のセッションプレイヤーと組みラテンテイスト溢れるファンキーで軽快なアルバムを多数残している。もちろん我らが渡辺貞夫や高中正義との名セッションを御存じの方も多いと思う。キャプテン・カリブという曲ならばJazzファン以外の方でもご存知かもしれない。

アルバム "Captain's Journey"のジャケットより
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今日はそれらの作品の中でも歴史的名盤と言える ダイレクト・カッティング録音のLP 「Sugar Loaf Express(1977年)を御紹介したい。
これが実家に眠っていたそのLP。

ダイレクトカッティングの歴史的アルバム
"Suger Loaf Express" Lee Ritenour

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ダイレクト・カッティング
今となっては耳慣れない言葉だが、デジタルレコーディング登場以前の当時、LPで最高の音質を出すために試みられた方式だ。テープレコーダーによる録音を介さず演奏時にリアルタイムで直接レコードのカッティングマシンに音声信号を入力し原盤を作成するという大胆なもの。
やり直しが効かない一発勝負の為、緊張感から必ずしもよい作品に仕上がらないリスクはあったが、果敢に挑んだ同アルバムはその中でも歴史的名盤の1つだ。


アナログプレイヤーを保有してないので今は再生する手段がないが当時はまさに「音楽の産地直送」とも言える生々しく素晴らしい音質に酔いしれた事を覚えている。お値段も3500円で学生には大きな負担だった。しかも何度も聞くと盤が劣化しそうで結局途中からはカセットに録音して聞いていた。実に本末転倒した話だ。

能書きはこのくらいにしてとりあえずいってみたい。
元の録音がいいのでYoutubeの音源まで素晴らしい音質である。

~ Lee Ritenour "Suger Loaf Express" ~
#UP主様 お借りします。


この曲、どことなくご記憶の方もいるのではないだろうか。ラジオ番組のテーマに使われた事もあったと思う。
リーリトナーのサウンドはメローな中にもズムアンサンブルに凝ったものが多くアタックも強くめちゃくちゃカッコイイと思う。導入のサンバホイッスルから実に軽快に躍動感あふれるアレンジだ。思わず愛用のサンバホイッスルを吹いてしまった。

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このアルバムのキーボードはディヴ・グル―シンでなく、パトリース・ラッシェン(Patrice Ruchen)。ダイレクト・カッティングの緊張など微塵も感じさず楽しく弾んでいる。また2:40くらいから入る、Stuff!の名ギタリスト エリック・ゲイル(Eric Gale)が実に味わい深いギターを聞かせてくれる。


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レコードは保管状態が悪かったためライナー・ノーツシミだらけではあるが、録音時のマイクのセットアップチャートまで記載されていてとてもマニアックだ。ロサンゼルス KENDUN STUDIOでの1977年の録音。
丁度、あの愛する3人の女神が日本で解散宣言をした年の出来事である。


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SHUREのSM57というマイクロホンは聞いた事がある。当コミュニティーのオーディオオタクの方がかみついてきそうな予感。(笑)

さて、最後はこの曲でしめたい。
リー・リトナーはもう1枚「ジェントル・ソウツ」というダイレクト・カッティングのLPを残している。そこからの有名なナンバー 「キャプテン・フィンガーズ」。彼自身のニックネームでもあった様だ。

"Captain Fingers" Lee Ritenour ~
#UP主様お借りします。




この
節目節目で入るキメのフレーズはまさにJazzフュージョンの象徴とも言える。とても洗練されていて今聞いても味わい深いものがある。

おそらくこの頃にフュージョンJazzはほぼ完成されたと思う。その後シャカタクやスパイロジャイラの様にイージンリスニング化ラウンジ化していく派と、音楽としての道を極めたジャコ・パストリアスの様な派に分化していったと記憶している。自分は後者が好きで87年のジャコの死とともにJazzフュージョンへの興味は終わった。


いずれにしても久々に20代に舞い戻った様な気分記事を書いていても体中の血が20代の頃に浄化されてい幸せな1日だった



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しまった。。。リー・リトナーの音に耳を傾けているとまたいつもの妄想が。。。。

おなじみのThe TRIO For Freedomの3人が彼のアルバムに急遽参加!!

ミキ・マリアーノ・
フジムラ(Ep, Vo)
ラン・フェルナンデス・イト(Perc, Vo)
ヨシコ・エンリケ・タナカ(Bass、Vo)

さあいよいよBon Voyage! どんなサウンドが飛び出すか
今宵はこんな夢を見ながら80年代サウンドに浸りたい。

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