
これは実話である。
舞台は1979年のイラン革命下のイラン。親米政権と言われたパーレビ国王が追放され、亡命していた最高指導者ホメイニ師が帰国。
よく覚えている。自分が大学2年だった頃だ。亡命したパーレビ国王の身柄引き渡しを要求する過激派が米国大使館を占拠。52人の人質解放は紆余曲折を経て81年1月までかかる。
この裏に隠れたもう1つの救出作戦が存在した。それがこの映画。
混乱の渦中、大使館から6人の大使館員が脱出した。カナダ大使の家に潜伏している。しかし革命軍民兵の執拗な捜査で脱出者の存在と潜伏先が見つかるのは時間の問題。
国務省はCIAに6人の救出の応援を要請。人質奪還のプロとして任命されたトニー・メンデス。彼にひらめいた型破りな救出プランとは。。。。。
「偽装のSF映画のロケの計画をぶち上げ6人を撮影スタッフとして救出すること。」
~ 映画「ARGO」予告編 ~
#UP主様お借りします。
#UP主様お借りします。
具体的にはイランの荒野での撮影に相応しいSFアドベンチャー映画の嘘の企画をでっちあげ、現地で偽装のロケを行い6人をカナダ映画のクルーに仕立てて救出する。前代未聞のトンデモ作戦だ。
口の硬そうなハリウッドの大物プロデューサーらを巻き込み、偽映画製作の記者会見まで行いホンモノさながらのプロジェクトが始まる。
残された時間はない。トニーは6人分の偽造カナダ人パスポート、映画ロケ用偽装品を持ち込み、革命軍民兵の厳しい監視をぐぐり抜けイラン入国。無事に6人を映画クルーとして出国させられるか。失敗すれば彼も含め全員処刑だ。
#トニー・メンデス役は監督兼主演のベン・アフレック
このカッコよさにあこがれる。
このカッコよさにあこがれる。

あまり内容を話すとネタバレになるのでやめておくが、ラストの30分、空港の出国審査や革命軍民兵の厳しいチェックを危機一髪で潜り抜けていくシーンは、手に汗握るというより緊張で足が震えた。映画館を出る時も足がガクガクしていた程だ。ここまで映像に引き込まれていく経験はそうない。おそらくイラン革命にいたるまでの石油利権をめぐる覇権の歴史的背景や当時の反米的国民感情がたびたび映し出され、作品に深みと緊張感を与えていたからだと思う。


この救出作戦は実話で18年間国家機密として封印されていた。情報公開されたのはクリントン政権時代である。
トニー役の監督兼主演のベン・アフレックの名演と同時に、影で任務遂行を支える2人の変わり者のハリウッドプロデューサー役の演技が光る。
自分にとって今年NO.1の映画作品であることは間違いない。
まさに
この実話はフィクションよりも大胆だ。