東京に住む旧友が

親戚の急逝により関西に急遽来ることになった

中之島でホテルをとったから

会いましょうということで

だいたいの時間よりは

少し早くに肥後橋駅におりた

日中から夏日のような暑さだった

それでもすこし時間があるし

このあたりのカフェに入ってもいいのだが

どうしようかとこの時点でも

決めきれていなかった

とりあえず歩く

 

宿泊先のホテルのロビーで

落ち合おうと思ったので

確認のためにもホテルの前を通ろうかと

駅上に新しくできた大阪でも最高級の

全く要はないのだろうコンラッドホテルの脇から

土佐堀川の方にまわった

 

ビルの谷間のスタバの外で喫煙のサラリーマンが

ところどころに集まっている

電子タバコが増えているなと思いながら

できるだけ風向きで煙に当たらないように息を殺して歩く

皮肉なことに喫煙者だった者が

非喫煙者より一層にタバコの煙を忌み嫌うのだ

 

新しくなった肥後橋界隈が

はじめてではないけれど

友人がセレクトしたホテルの方に回るのは

はじめてだった

人が歩いているすぐそばから

阪神高速の上りになった入り口があることに一瞬驚く

まだ入り口だからいいといえばいいのか‥

ビルの谷間と土佐堀川を挟んで頭上には阪神高速

 

ホテルを確認した

(あとで妹に聞いたら旦那さん建築士が設計したホテルだった!!)

その前を通り、目の前には右には新しくできた

中之島美術館、左は国立国際美術館だった

来る前にはそんなこともあろうかと

国立国際美術館の方だけは確認していた

金曜日は20時までの夜間も開館している

 

 

「クリスタルパレス」

 梅津庸一

 

 

何の情報もないけれど

やっぱりせっかくこちらまで出たからと

まだ時間もあるなと入館

 

夜間は17:00からの入館で

チケットは1200円が1000円となる

お仕事帰り、この夜の時間帯

静かでおすすめである

 

 

 

 

 

 

何の知識もなかったが

入場からこれだ!!

 

もっていかれた

この方かなりキテます目がハート

 

この緩さと反復とこの量、色合い

好きだ

この時点で

正解だったと期待度が高まる

 

椰子の木の

作陶がいきなり並ぶ

 

「パームツリー」シリーズ 2021

 

 

ここから入ってここから出るんだなと確認する

もちろん非常時の確認ではない

 

 

 

 

 

はじめは写真はNGとは書いていなかったが

どうなんだろう?と思いながらもずっと見ていた

何せ、なんの情報もないから

とりあえず目の前の作品にひきこまれていった

 

途中で写真を撮っている方を発見

やった!とばかりに

即座に美術館の監視員?の方に聞いたら

 

ニコニコ「フラッシュと動画以外でしたら可能ですよ」

 

 

瞬間、スイッチして戻った

半分くらいはきていたので

はじめまでは戻れなかったが

戻って一番撮りたかった一枚としたら

この黄色い敷物がしきつめられたブース

この一枚

 

 

入場者もまばらですごく見やすかったのだけど

写真を撮っている人は

カメラをちゃんともっている人が多かった

 

 

 

 

 

梅津庸一、美術家は

1982年生まれということだ

それくらいの情報は入ってすぐのキャプションで読んだ

う〜んとひとまわり、自分よりは若い作家さんなのだ

 

入るまえは勝手に自分よりは年上の方かと思っていた

パームツリーみた瞬間に

そうでもないかと思っていたら

やっぱりそうだった

この感性は私世代よりは若いんだろうという感触が察知される

 

 

絵画、作陶(現在は信楽にうつりすんでいる)版画

 

 

 

 

けっこう写真は撮ったのだけど

どれをこのブログ15枚のうちに

セレクトしたらいいのか?

難題である

 

そして展示会場が地下で

電波が弱いどころか圏外になる

 

地下におりてくる前に

「ひといきついたらでいいので出れるようになりましたら教えてね、ロビーに行きます」と

友人にLINEしていた

連絡が来ているかもしれず

気が気でない

 

結局やっぱり時間潰しの思惑も

少しあったのが

ひっくり返るくらい面白くて

逆に友人を待たせてしまうということになってしまった泣き笑い

 

 

 

 

現代美術の有り様(システムや政治力、権威)

なんだかんだに失望した彼が

自身で立ち上げた

 

私塾「パープルーム予備校」2014〜

 

の中に入って立ち見の鏡があったので我がを作品にいれてみた

 

 

 

 

すごい視点なんだけど

作家自身に残る

「蒙古斑」

そして「花粉」

が彼の作品のキーワードでもある

この作品は

 

「花粉濾し器 2021年」

 

 

タイトルを美術館が用意したものでなくて

手書きであるところ

そういった細かいところ

全部、オール梅津庸一ワールドである

 

 

 

↑こちらの美術手帳のデジタルサイトは

写真付きで文章もありわかりやすい

(タイトルの由来など、場所や時間をリンクさせていることがおもしろい)

興味のある方は是非ご参照まで看板持ち

 

 

 

今回の「クリスタルパレス」

梅津庸一の回顧展としたら最大規模であるらしい

現代のアーチストさんで

才能が多岐にわたる人がいるのだと知ると嬉しくなる

丸亀の猪熊源一郎美術館で去年知った

中園孔二の「ソウルメイト」以来の輝きだ

 

 

 

 

 

 

 

ただただ絵が並び

そこに美術館の展示としての少し趣向があったとしても

こんなに展示に関して作品をとりまく世界観に

こだわった展覧会は見たことがない

 

一枚目の黄色い絨毯とか

作陶を並べる曲線やその色使い

絵画や作陶というその境界線さえも越えていく

ボーダーレスであり

空間の使い方さえもアート

 

彼の子宮

いや、男性だから子宮はないだろうけれど

まさに創造性の中に入ったかのような感覚だ

 

 

 

 

 

 

 

写真にすると

いわゆるインスタ映えしてしまう

ある種ポップ感もある作品も多い

話題性が出てあんまり人が多くなるまえに?

黄色い絨毯が汚れないうちに

いくなら早いうちをお勧めします

会期が10月頭までと長いので‥

なんのおせっかいと心配やって感じですが泣き笑い

 

 

私は最後、友人との約束が頭にあるし

駆け足だった

映像はほぼ観ていないので

会期中にもう一度行こうかと思う

 

 

よく登場するが、妹が(今日自宅に来ていたのもある)

「お一人さまの美術館っていいよね?」という

同じこの国立国際美術館で最近していた

メキシコ展を一人で見て一人で鑑賞することの気楽さに気づいたようだ

 

家族がいるとなかなか一人になれない女性も多いかもしれない

お一人さまというのが苦手な人もいらっしゃるかもしれない

 

誰かと見るのももちろんいい

 

だけど、美術館は自分はとくに一人に限ると思う

 

自分の感性に反応させるときは集中したほうがいい

誰かいると一緒にはみないにしても

(ベッタリひっついたカップルさん、やっかみがあるのか笑

なんと不自由な!と思ってしまう)

その相手ともどこかで共鳴させたくなるので

そっ私の場合

そばにいる人からの影響も強くうけてしまうタイプの人は

一人のほうがいい

誰といても、影響をあまり受けないひとはもちろん大丈夫だと思うけど

 

ほんま、いらんおせっかい度々、すみません悲しい

 

 

 

 

 

友人も翌日にこちらの展覧会に来たという

(だいぶとすすめたので)

そしたらなんと

ご本人、梅津さんがいらっしゃったということだ

上下ジャージにトートバックで鑑賞者と混じっていたらしいが

異質感たっぷりの個性だったらしい

 

会ってみたいな〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんやろうな

ほんまたまらんわ

 

無駄とか無意味さとかそういうの

どうでもいいことに熱中するみたいな

(子供の時にありがちなやつ)

 

現代的にはそんなんいらんやん

すぐに大きな結果を求めるとか

リスクヘッジするとか

的に排除されがちな

効率の悪さをいう感じ

「時短」とか

ああいうのに叛逆していているようで好みだ

 

 

彼はビジュアル系のバンドも好きらしくて

DAIRAUAというバンドに今回の展示用の曲を作ってもらったらしく

響いていおりました〜

ずっと聞こえておりました

 

視覚と聴覚が異様にミックスされる体験でもありました