ある日突然

職場の流し台横にこのようなものが置かれていた

この殻を割って何が生まれるのか?

これは恐竜の卵か??

何が生まれるのだ???

そのゼリー状のものから養分を摂っているということだけはわかった


う~~む

これは毎日成長記録をとらなればと義務感にかられる




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翌日はほんの少し腕をつく手を強めるくらいの成長であった

この世に生まれるべきかどうかきっとまだ躊躇しているのだ



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お休みの日があり

まさかこやつの成長をみるためにセキュリティを切って入室することもはばかられた

人は誰しも一人で成長していくときがあるのだ…

誰も来ない暗がりのシンク台で

そいつはむっくと起き上り

午前中にはまだみせていなかったいう葉を

夕刻には見せてわたしを喜ばせた



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ちょうど近くにいたこの卵をおいた本人であろう

ドクターに見せることにした

ドクターは呟いた

「おれよりも大きくなったんだな…」




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調子にのったドクターは受付台へとそいつを運んでいった

受付にいたスタッフの顔は正直くもっていた(ここだけのはなし)



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わたしは一週間職場に行くことがなかった…

そいつの成長記録を写真におさめることができないと

ほんの少し嘆いてみたら

気軽に気安く「私撮っておいたげるよ」と名乗ってくれた人がいた

わたしは喜んだ

わたしは一週間職場に行かない間も時にそいつのことを気にかけた

彼女が写メってくれているか、少し案じた


今日久しぶりに職場に行った

すぐさまそいつに会いにいった




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そいつはこんなにも伸びやかに成長していた

卵であった種はしぼみ、二枚の葉を双方につけて大きく立派になっていた

ここまでの成長過程を記したかった

もう一枚の葉をだしたときの彼の姿を見たかった

可憐にも頼るものはこの白い壁だと伸び上がる彼女の姿を見たかった



そうだ

人のこころは移ろい、おもってもないことを口にし、忘れる

そうだ

君のこと

れいこ~~~おおお~~~

一枚も撮らなかったのかあああ~~~ 

聞いたぞ~~~~



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しかし人のおもわくとは関係なく

緑の種は芽をだし光にむかって伸び上がり葉をつけるのだ


職場の方へ

いつもお休みもらってすいません

まっ多分職場で読んでくれているのはれいこさんだけなんだけどね黒猫