…本当に、この生き物は動物なんじゃないだろうか。
しばし逡巡のち、正人はカバンから残りの三冊を取り出すと本棚に収めた。
寮と学校の往復になるだろうからと、着替えは制服と部屋着が数着。
量にして、本の3分の1もなかった。
着替えをクローゼットにしまい、これで持ち物は一通り片付け終わり。
正人は軽く手をはたくと、最後の仕上げとばかりに竜姫のベッドへ向き直った。
「おい、そのまま寝ると……」
一瞬言葉を失った。
「ん…」
長いまつ毛をかすかに震わせ竜姫が小さく身じろぐと、やわらかそうな白い頬を栗色の髪がさらりとすべり落ちていく。
うすく開かれた桜色の唇からは、言葉ともつかない呻きのような吐息が発せられた。
これから毎朝これか…
正人はまだ見ぬ今後にげんなりしつつ、竜姫の肩を揺すった。
「おい、そんな格好で寝ると制服シワになるぞ」
やまびこのように同じ台詞が幾度か響いた。
数分後、部屋の中には早速机に向かい参考書を開く正人と、気持ち良さそうに寝息をたてる竜姫がいた。