ドアの開く音にふとドアの方を見やる。



「あ、起こしちゃった?ごめんごめん」


そこには全身から水を滴らせながら歩く、一糸まとわぬ竜姫の姿があった。


「なっ・・・!」

なんて格好してんだ!


さすがの正人も声をあげ・・・いや、あげかけた声は途中で飲み込まれた。


ほかほかと湯気をたてる薄紅色の肌。

毛先からしたたる雫は滑らかな頬をすべり首筋伝いに鎖骨へと溜まる。

呼吸に合わせてかすかに上下する胸。

運動により引き締まったであろうしなやかな体躯。

緩やかな起伏、細い腰、そして・・・



男・・・・・



驚きを通り越して、その彫刻のような身体をながめながら「こんな体のつくりをした男もいるのか」と思う。



「あ、悪い!床は後で拭くから!」


言葉なくこちらを眺めたままの正人を怒っていると誤解したのか、竜姫は慌てて荷物を探り始めた。


「寝ぼけててさー、普通に今までどおりのつもりで風呂入ったらタオルが置いてなくって」


荷物整理もまだだった竜姫は大きなカバンと奮闘し、手探りで奥底から一枚のタオルを引っ張り出した。


クシャクシャと髪を拭き、全身をぬぐう。

そのタオルでそのまま床の水溜りも拭いていった。


床より先に何か着ろよ・・・


一通り拭き終わると、竜姫は荷物を散乱させながら着替えを引っ張り出し、上下ジャージに着替えた。


「さーて、もう一眠りするぞー!」


「・・・おやすみ」


正人も布団をかぶりなおすと、再び眠りにつくべく目を閉じた。


竜姫が目を覚ましたのは夜中・・・と言うよりむしろ早朝、午前4時だった。



「あっつー・・・」


全身がじっとりと汗ばんでいて気持ち悪い。

軽く走りこんだ後みたいだ。


まだ春先だと言うのに何故こんなに暑いのだろうと周囲を見渡すと、窓の上でエアコンが唸りをあげていた。


「なんで暖房なんか・・・あっちぃ~」


正人のベッドを見やると、長ズボンに半袖、お腹の辺りにバスタオルだけかけた正人が静かに寝息を立てている。

横ある正人の机の上には、犯人を示すべく25度に設定されたリモコンが乗っていた。


「・・・・・・・・・・・」


起こして文句の一言も言いたい気持ちをグッと抑える。

時刻は午前4時。起こすにはあんまりな時間だ。自分なら確実にキレる。


仕方ない・・・シャワーでも浴びて寝なおすか。それよか腹減ったなー・・・


とにかくこのままでは汗でベタついて気持ち悪いし、服も制服のままだ。

竜姫は中等部寮と同じような間取りの部屋を、半分寝ぼけながらも慣れた足取りで風呂場へ向かった。



ガチャッ バタン




その物音に、正人はうっすらと目を覚ました。


「・・・・?」


初めての寮生活、その初日。

目を開いた正人は一瞬、見覚えの無い室内に混乱した。




「・・・・・・・・・あぁ、寮・・・・」


そうだ、寮に入ったんだった。あの家を出て・・・



天井を見上げながら徐々に意識を取り戻す。


混乱がとけ頭が冷静になっていくと、風呂場から物音がするのに気付いた。



やっと起きたのか、あいつ・・・


反対の壁際にあるベッドを見やる。



繊細な寝顔に似合わず何度声をかけても揺すっても起きない竜姫。

諦めてそのまま寝かせて置く事にはしたものの、竜姫が布団の上に寝転がっているせいで布団をかけてやることもできない。


いくら本人が起きなかったからとはいえ、起こさず放って置いたせいで風邪でもひかれたら後味が悪い。


仕方なく布団をかける代わりに部屋の温度を上げ、自分は薄着で寝たのだ。



起きたのならもう暖房はいらないだろう。


正人が上体を起こしリモコンに手を伸ばすと、風呂場のドアが開く音がした。


君とはなれても  一人でも生きていけるなんて  そんなこと


気付きたくはなかったのに







はじめまして。


様 様と書いて、「サマ ヨウ」でございます。


更新のまちまちな当小説をいつもチェックしてくれているみなさま、本当に感謝しております。

ありがたやありがたや



一方的にアップしているだけなので今一交流がもてていませんが


読者さまがいるのかどうかも、アクセス数でしか判断できませんが


もしよろしければ、コメントや「相手に知らせて読者になる」などしていただけると励み・・・かつまた、更新しなきゃとの焦りにつながりますのでお試し下さい。



タイトルには「1話」「2話」と書いてますが、ただ順番に番号をふっているだけで、話が区切れているわけではありません。


書ける時に書けるだけ、をモットーにしておりますので・・・更新頻度はやっぱり不定期ですが。


高校時代書き上げられなかった物語を書き上げる事が目標なので、更新が遅くても「漂流」なんてことにはならないと思います。たぶん。きっと。おそらく。



主役二人は覚えてるのですが、当時サブキャラいっぱい作って、いまや名前ほとんど忘れました。

カップリングまで考えてたのに・・・

設定は覚えてますので、その内出します。




ドロドロ、シリアス大嫌い。

娯楽は楽しむためのもの。


そんな考えでやっておりますので、読んでて嫌な気持ちになるような暗~い展開やこじれまくった人間関係などは出てきません。

(こじれまくったカップリングなら、それはそれでアリ((ヒソヒソ



今日もアップするに足るほど書き上げられたらアップしますので


見放さずにお付き合いくださいませ~