ドアの開く音にふとドアの方を見やる。
「あ、起こしちゃった?ごめんごめん」
そこには全身から水を滴らせながら歩く、一糸まとわぬ竜姫の姿があった。
「なっ・・・!」
なんて格好してんだ!
さすがの正人も声をあげ・・・いや、あげかけた声は途中で飲み込まれた。
ほかほかと湯気をたてる薄紅色の肌。
毛先からしたたる雫は滑らかな頬をすべり首筋伝いに鎖骨へと溜まる。
呼吸に合わせてかすかに上下する胸。
運動により引き締まったであろうしなやかな体躯。
緩やかな起伏、細い腰、そして・・・
男・・・・・
驚きを通り越して、その彫刻のような身体をながめながら「こんな体のつくりをした男もいるのか」と思う。
「あ、悪い!床は後で拭くから!」
言葉なくこちらを眺めたままの正人を怒っていると誤解したのか、竜姫は慌てて荷物を探り始めた。
「寝ぼけててさー、普通に今までどおりのつもりで風呂入ったらタオルが置いてなくって」
荷物整理もまだだった竜姫は大きなカバンと奮闘し、手探りで奥底から一枚のタオルを引っ張り出した。
クシャクシャと髪を拭き、全身をぬぐう。
そのタオルでそのまま床の水溜りも拭いていった。
床より先に何か着ろよ・・・
一通り拭き終わると、竜姫は荷物を散乱させながら着替えを引っ張り出し、上下ジャージに着替えた。
「さーて、もう一眠りするぞー!」
「・・・おやすみ」
正人も布団をかぶりなおすと、再び眠りにつくべく目を閉じた。