伊丹『特命の亀山~犯人は風間で決まりなのに、何を調べてんだ』
亀山『お前らこそ、何調べてんだよ』
芹沢『それが風間がやったという物証が何もないんすよ』
右京『まさか強引な取調べは行っていませんよね~』
伊丹『余計なお世話です!おい、行くぞ。あとは証拠さえあれば風間も認めざる得ないだろ』
芹沢『はい』
亀山『捜一は風間で押し通す気ですね・・・』
右京『・・・』
引き続き聞き込み
亀山『ここ最近で何か変わったことはありませんでした?』
住民『大した事じゃないですけど・・・以前は野良猫が沢山いたんです。それが最近はほとんど見なくなってしまって』
右京『それはいつごろからですか?』
住民『3ヶ月くらい前からかしら』
亀山『他には?』
住民2『まさえさんは最近体調が優れないってよく言ってましたね』
右京『そうですか。まさえさんと特に親しい人はどなたかご存知ですか?』
住民2『まさえさんが勤めている食品工場の松阪(55)と言う男の人とよく飲みに行くと聞いたことがあります』
右京『警視庁特命係の杉下と申します』
亀山『同じく亀山です』
松阪『私が開発部の松阪です。何か事件のことでお話があるとか』
右京『え~二、三質問がありまして、まさえさんが事件に巻き込まれるような理由に心当たりはありますか?』
松阪『弟さんと揉めていたと聞いたことありますが詳しくは知りません』
亀山『では、事件後に現場から持ち去られているものがあるのですがそれについては?』
松坂『私に聞かれても困ります・・・でもあの家には何度かお邪魔したことありますが、盗まれるものなどなかったと思いますよ』
右京『そうですか、失礼しました。あっ!あともう一つだけ、事件の日はどちらにいらっしゃいました?』
松阪『私を疑っているんですか?』
亀山『単なる確認ですよ』
亀山『ご協力感謝します。ところで表に大量に積んであるのは缶詰ですか?』
松阪『ええ、我が社の社運をかけた新商品ですよ』
米沢『お待ちしていました。ご依頼の件の結果が出ました。被害者のまさえさんのものと思われる毛髪からは微量ですが農薬の一種であるメチレンテトラピンが検出されました』
亀山『なんすか?それ?』
米沢『ですから農薬の一種です。日本では有害指定農薬ですのでおそらく外国で体内に取り込んだか、外国製品を摂取したということになります』
右京『なるほど。少しずつ事件が見えてきました』
亀山『?次は何を調べます?』
右京『吉永社長に会いに行きます。何をやってるんです?』
亀山『え?今ですか?帰ってきたばっかりじゃないっすか』
右京『おやおや、刑事がそんなことを言っていては事件解決は永遠にありませんよ』
亀山『はい、はい、行きますよ~』
右京『先ほどお電話致しました杉下です。さっそくですが従業員の野原さんが失踪した日に早朝ゴルフに松阪さんと行っていたのは確かでしょうか?』
吉永『ええ。帰りの車内で殺人事件のことは聞きました』
右京『まだ遺体は見つかってないので殺人事件と断定は出来ませんよ』
吉永『しかしあれだけの血痕を残していたら・・・』
亀山『あれだけ?なんであんたが血痕の量を知ってるんです?』
吉永『いえ、言葉のあやですよ。テレビで見たんですよ』
右京『そうでしたか。もう一点だけ、工場で外国産の食品は輸入していますか?』
吉永『ええ・・・野菜は主に某国からの輸入品です』
亀山『どうやら犯人は吉永と松阪で決まりみたいっすね』
右京『ええ、しかし・・・遺体が見つからなければ我々は何も出来ません』
亀山『そうっすね。どうしますこれから?』
右京『考えがあります』
しばらくして
いかにも富豪そうな女性登場
吉永『今日はどういった用件でこちらに?』
神戸『私、神戸美和子と申します。この度私の会社でお宅の土地を買い取らせていただきたいと思いまして参りました』
吉永『うちの工場予定地ですか?』
神戸『ええ、ぜひ私に譲ってください』
吉永『ダメです。あそこは売れません』
専務の上尾『社長、またとないチャンスですよ!どうせ工場の予定は頓挫してるんですから!』
吉永『うるさい!とにかく売れません』
その日の夜
工場予定地で土を掘り返す吉永と松阪の姿があった
右京『やはり、そこでしたか。亀山君!』
亀山『見つかりました。野原さんの遺体と子供二人の遺体です!凶器も出てきました!』
吉永『罠だったのか・・・しかしあの神戸という女も刑事なのか?』
右京『いえ、僕の上司(小野田)の知り合いのお嬢さんです』
松阪『いつから疑ってたんです?』
右京『あなたが事件の日のことを調べるのに手帳を見ていたことがまず引っかかりました。普通友人が失踪した日の行動、とくにゴルフに行っていたのなら覚えているはずですからねー』
亀山『なんで、野原さんを殺したんだ』
吉永『もうご存知なんでしょ?我々は野原さんに脅されていたんですよ』
右京『新商品の缶詰に入っている野菜に某国の残留農薬が含まれていた。そして開発担当の松阪さんが野原さんにサンプルを渡していた』
亀山『それを口にしたまさえさんは体調を崩し、それを餌として与えられた野良猫も姿を消した』
松阪『・・・』
右京『そしてまさえさんは缶詰の存在に気付いたのですね?』
松阪『ええ、最初はただの報告だったんですが、次からはお金を要求されました』
亀山『その時点で製造をストップすれば済む話じゃないですか!』
吉永『それは出来ませんでした。我が社の社運をかけた商品です・・・これが全てダメになればうちは倒産します。いえうちだけじゃありません。地方の工場や取引先も巻き込みかねない』
右京『そこで殺害計画を練り、自宅からサンプルの缶詰を持ち去ったんですね』
亀山『さらに遺体を司法解剖されて残留農薬が検出されないように遺体をここに隠した』
吉永『はい・・・子供たちも騒いだのでやむなく殺しました』
右京『あなたのしたことは到底許されることではありません。幼い子供を含む3人の命を奪ってまで守らなければならないものなどありませんよ!』
吉永『すいませんでした!!』
止める右京『亀山君!彼らには殴る価値もありません。行きましょう』
亀山『ようやく3人の遺体がひろしさんに返されたそうですね』
右京『そうですか』
亀山『しかし、吉永社長があの話に乗ってこなかったらどうするつもりだったんです?現に頑なに拒んでいたそうだし』
右京『欲に目のくらんだ彼らがこの話に飛びつかないはずがないと思ってましたから。後のことは考えていませんでした』
小野田『邪魔するよ!』
右京『先日は神戸さんにご協力いただきありがとうございます』
小野田『あれ以来、彼女は刑事になりたいと言っているそうだよ』
右京『おやおや、面白そうじゃないですか』
角田『よ!ヒマか?一課が刑事部長にこっぴどくしかられたらしいぞ』
亀山『俺らの忠告を無視した罰ですよねー右京さん』
右京『どうですかねー』
杉下右京は今日も紅茶を嗜んでいた
終わり。