3月19日 品川にて タクシーの運転手が首を刺されて死亡していた。
伊丹『ひでー殺し方しやがる・・・』
三浦『ああ・・・おそらく首を刺されて即死だな。害者の身元は?』
芹沢『被害者は今井義男(61)、東都タクシーの運転手です。普段は神奈川県を中心に活動していたようです』
米沢『後部座席にクレジットカードを見つかりました』
伊丹『すぐに問い合わせろ!もし犯人のものなら動かぬ証拠だな』
右京『まだ断定するのは性急過ぎますよ』
伊丹『また特命係か、何度言ったら分かるんですか。殺しは一課の仕事です!』
亀山『お前らが事件を解決できるか見守ってんだよ、ねー右京さん』
右京『それはともかく、現金を取られていないということは金銭目的の犯行とは考えにくい。となると考えられるのが怨恨の線ですね~』
芹沢『でもわざわざ客になってまで殺したりしないで、他で殺したほうが目立たないんじゃないですか?』
亀山『俺もそう思います』
右京『ええ・・・もう少し調べてからでないと何とも言えませんが非常に不可解な現場ですね~』
米沢『ちなみに凶器のナイフは残されていましたが、指紋は検出されませんでした』
伊丹『とにかく、このカードの持ち主を重要参考人で引っ張るぞ』
しばらくして、特命にて
亀山『どうやら捜一はカードの持ち主として米軍の兵士を参考人招致するようです』
右京『そうですか。しかし、そうなるとアメリカ側の協力は期待できません。事件解決はいっそう困難になりますね~』
亀山『それがそうでもないんすよ。なんでも昨日発見されるまで基地から脱走していたそうで、アメリカも事情を聞き次第警察に全面協力するといってるそうです』
右京『おやおや・・・脱走となるとかなりの重罪ですよ。そんな人間が新たな犯罪を、ましてや大きな事件を起こすとは思えません』
亀山『でも、金が必要になって仕方なくってことも・・・いやっ金には手がつけられてませんでしたね』
右京『ええ、米軍の脱走兵とタクシー運転手という関係からは怨恨の線も考えにくいと思いますよ』
角田『よ!ヒマか?ようやく米軍の兵士から事情を聞けたらしいな。いまはどこもその話題ばっかりだ』
右京『亀山君、行ってみましょう』
取調べはすでに終わっていた。
伊丹『くそっ・・・』
亀山『もう終わったのか?』
芹沢『はい、弁護士同席で来て【名前はケイン・コスナー。自分は犯人ではない、タクシーにも乗ってない、カードは入っていた財布ごと無くした】とだけ言って一方的に終了ですよ』
右京『やはりそうでしたか。アメリカ側の協力というのは』
亀山『どうします?右京さん』
右京『被害者の今井さんから調べてみましょう』
東都タクシー 横浜支社にて
右京『警視庁特命係の杉下と申します』
亀山『同じく亀山です』
里見支社長『今井のことですか。彼は優秀とは言えない人物でした・・・仕事はそこそこできるんですがお客とのトラブルが絶えませんでした』
右京『具体的にはどのような?』
里見『何度も脇道にそれて料金が増えた、とかお客さんの問い合わせを無視したりとかですね』
亀山『特に恨まれたりするというような心当たりはあります?』
里見『さあ・・・私生活までは分かりませんから』
右京『そうでしたか。ところで事件現場ではタクシーのメーターが1万7千円となっていました。死亡推定時刻から考えて運転は深夜料金の時間です。どこから乗車したのか見当はつきませんか?』
里見『そうですね・・・県内ですと横須賀、都内ならば八王子といったとこでしょうか』
亀山『今井さんの活動エリアは神奈川中心だったんですよね?』
里見『最近までそうでしたが・・・この不況で場所を選んでられませんよ。少しでも競合しない場所を探さないとやっていけません』
特命にて
亀山『右京さん!今井さんの以前の職場の同僚から話が聞けました』
右京『資料によると今井さんは川崎でハイヤーの運転手をしていましたね』
亀山『ええ、でも横浜での評判とは全く違いかなり評判がいいんですよ。お客さんから指名も入るようだったらしいです』
右京『2年前に起こした事故と何か関係がありそうですね』
亀山『そうなんすよ。事故後に解雇されたとこを東都タクシーに拾われた格好です、そのころから塞ぎこみがちになったそうです』
米沢『失礼します。解剖の結果が出ました。死因はやはり失血死でした。それと気になることが・・・左耳がほとんど聞こえてなかったようです』
亀山『え?』
右京『なるほど・・・』
一課の部屋の前
亀山『何か情報あるんだろ?教えろよ~』
芹沢『先輩、勘弁してくださいよ~』
亀山『だったら早く教えろよ。すぐに開放してやるよ』
芹沢『車が一部改造されていたんです』
右京『どのように?』
芹沢『運転席と助手席のドアの内側が簡単に外れるようになってました』
亀山『で、何が出てきたんだ?』
芹沢『何もです』
伊丹『これはこれは特命係の亀山~いったい何をやってるんですか~』
亀山『いちいちうっせ!ドアの細工はなんだったんだよ』
伊丹『お前、また余計なことを!特命には関係ない、とっとと帰りやがれ』
芹沢『我々もわかんないんすよ』
伊丹『ばか。お前にはプライドが無いのか!』
右京『気になりますね~写真を見る限り一見しただけでは細工には気付きませんね~専門家の手によるものでしょうか、もうお調べになったのですよね?』
三浦『あっ・・・直ちに調べますよ、おい行くぞ!』
芹沢『はい』
特命にて
亀山『一課がようやく見つけたようですよ。細工を請け負った修理工場を』
右京『そうですか』
亀山『でも、修理を依頼はされたけど、実際にはやってないそうなんです』
右京『ということは・・・依頼者と実際に細工をした人物は異なるということになりますね~』
亀山『なんだか全く見えてきませんね・・・』
右京『え~僕にもまだわかりません』
続く~