3月19日  品川にて タクシーの運転手が首を刺されて死亡していた。

伊丹『ひでー殺し方しやがる・・・』

三浦『ああ・・・おそらく首を刺されて即死だな。害者の身元は?』

芹沢『被害者は今井義男(61)、東都タクシーの運転手です。普段は神奈川県を中心に活動していたようです』

米沢『後部座席にクレジットカードを見つかりました』

伊丹『すぐに問い合わせろ!もし犯人のものなら動かぬ証拠だな』

右京『まだ断定するのは性急過ぎますよ』

伊丹『また特命係か、何度言ったら分かるんですか。殺しは一課の仕事です!』

亀山『お前らが事件を解決できるか見守ってんだよ、ねー右京さん』

右京『それはともかく、現金を取られていないということは金銭目的の犯行とは考えにくい。となると考えられるのが怨恨の線ですね~』

芹沢『でもわざわざ客になってまで殺したりしないで、他で殺したほうが目立たないんじゃないですか?』

亀山『俺もそう思います』

右京『ええ・・・もう少し調べてからでないと何とも言えませんが非常に不可解な現場ですね~』

米沢『ちなみに凶器のナイフは残されていましたが、指紋は検出されませんでした』

伊丹『とにかく、このカードの持ち主を重要参考人で引っ張るぞ』


 しばらくして、特命にて

亀山『どうやら捜一はカードの持ち主として米軍の兵士を参考人招致するようです』

右京『そうですか。しかし、そうなるとアメリカ側の協力は期待できません。事件解決はいっそう困難になりますね~』

亀山『それがそうでもないんすよ。なんでも昨日発見されるまで基地から脱走していたそうで、アメリカも事情を聞き次第警察に全面協力するといってるそうです』

右京『おやおや・・・脱走となるとかなりの重罪ですよ。そんな人間が新たな犯罪を、ましてや大きな事件を起こすとは思えません』

亀山『でも、金が必要になって仕方なくってことも・・・いやっ金には手がつけられてませんでしたね』

右京『ええ、米軍の脱走兵とタクシー運転手という関係からは怨恨の線も考えにくいと思いますよ』

角田『よ!ヒマか?ようやく米軍の兵士から事情を聞けたらしいな。いまはどこもその話題ばっかりだ』

右京『亀山君、行ってみましょう』

 取調べはすでに終わっていた。

伊丹『くそっ・・・』

亀山『もう終わったのか?』

芹沢『はい、弁護士同席で来て【名前はケイン・コスナー。自分は犯人ではない、タクシーにも乗ってない、カードは入っていた財布ごと無くした】とだけ言って一方的に終了ですよ』

右京『やはりそうでしたか。アメリカ側の協力というのは』

亀山『どうします?右京さん』

右京『被害者の今井さんから調べてみましょう』

 東都タクシー 横浜支社にて

右京『警視庁特命係の杉下と申します』

亀山『同じく亀山です』

里見支社長『今井のことですか。彼は優秀とは言えない人物でした・・・仕事はそこそこできるんですがお客とのトラブルが絶えませんでした』

右京『具体的にはどのような?』

里見『何度も脇道にそれて料金が増えた、とかお客さんの問い合わせを無視したりとかですね』

亀山『特に恨まれたりするというような心当たりはあります?』

里見『さあ・・・私生活までは分かりませんから』

右京『そうでしたか。ところで事件現場ではタクシーのメーターが1万7千円となっていました。死亡推定時刻から考えて運転は深夜料金の時間です。どこから乗車したのか見当はつきませんか?』

里見『そうですね・・・県内ですと横須賀、都内ならば八王子といったとこでしょうか』

亀山『今井さんの活動エリアは神奈川中心だったんですよね?』

里見『最近までそうでしたが・・・この不況で場所を選んでられませんよ。少しでも競合しない場所を探さないとやっていけません』

 

 特命にて

亀山『右京さん!今井さんの以前の職場の同僚から話が聞けました』

右京『資料によると今井さんは川崎でハイヤーの運転手をしていましたね』

亀山『ええ、でも横浜での評判とは全く違いかなり評判がいいんですよ。お客さんから指名も入るようだったらしいです』

右京『2年前に起こした事故と何か関係がありそうですね』

亀山『そうなんすよ。事故後に解雇されたとこを東都タクシーに拾われた格好です、そのころから塞ぎこみがちになったそうです』

米沢『失礼します。解剖の結果が出ました。死因はやはり失血死でした。それと気になることが・・・左耳がほとんど聞こえてなかったようです』

亀山『え?』

右京『なるほど・・・』

 一課の部屋の前

亀山『何か情報あるんだろ?教えろよ~』

芹沢『先輩、勘弁してくださいよ~』

亀山『だったら早く教えろよ。すぐに開放してやるよ』

芹沢『車が一部改造されていたんです』

右京『どのように?』

芹沢『運転席と助手席のドアの内側が簡単に外れるようになってました』

亀山『で、何が出てきたんだ?』

芹沢『何もです』

伊丹『これはこれは特命係の亀山~いったい何をやってるんですか~』

亀山『いちいちうっせ!ドアの細工はなんだったんだよ』

伊丹『お前、また余計なことを!特命には関係ない、とっとと帰りやがれ』

芹沢『我々もわかんないんすよ』

伊丹『ばか。お前にはプライドが無いのか!』

右京『気になりますね~写真を見る限り一見しただけでは細工には気付きませんね~専門家の手によるものでしょうか、もうお調べになったのですよね?』

三浦『あっ・・・直ちに調べますよ、おい行くぞ!』

芹沢『はい』


 特命にて

亀山『一課がようやく見つけたようですよ。細工を請け負った修理工場を』

右京『そうですか』

亀山『でも、修理を依頼はされたけど、実際にはやってないそうなんです』

右京『ということは・・・依頼者と実際に細工をした人物は異なるということになりますね~』

亀山『なんだか全く見えてきませんね・・・』

右京『え~僕にもまだわかりません』

 続く~


 封筒の中身を議論する特命の二人

 スポーツ新聞の競馬コーナーを指差し

亀山『メインレースで10万馬券が出ていますよ。当たり馬券を取り戻すためだったんじゃ』

右京『美和子さんは中身に心当たりは無いのでは?』

亀山『あっ・・・そうか競馬に関心の無い人に馬券をあげるなんてないか』

右京『でも、面白い発想です。亀山君・・・』

スポーツ新聞の片隅に目をやる右京

右京『これなら人にあげることも想定できます。さっそく美和子さんに確認してください』

亀山『はい』

 しばらくして

亀山『わかりましたよ!やっぱり右京さんの言ったとおりでした』

右京『では参りましょう』

駅前の宝くじ売り場にて

亀山『この女性見たことありません?』

売り場のおじさん『ああ、いつもくるよ。この女性、毎回バラで20枚、連番で20枚買ってくんですよ』

右京『失礼ですが、先日の日曜日に当選発表がされた宝くじはこちらで扱っていましたか?』

おじさん『ええ、もちろん。この売り場からも3等が出たんですよ』

亀山『3等っていうと・・・3000万ですね』

右京『西岡さんのお宅に行ってみますか』

 西岡の住むマンション

西岡『また刑事さんですか・・・』

右京『少々封筒の中身とあなたの行動が気になりましてね、少しよろしいですか?』

西岡『・・・』

亀山『あなた先日宝くじを買って、美和子にも宝くじをあげたんでしょ?』

西岡『何を根拠にそんなこと』

亀山『美和子から聞きましたよ。あなたが宝くじに凝っていることも、期日が来るまで決して開封しないように念を押していたことも』

西岡『・・・いいじゃないですか。私が買った宝くじなんだから、私のものよ!』

右京『もちろんそれは当事者間の問題です。美和子さんが宝くじに執着するとも思えませんし、怪我を負わせて奪ったり、盗んだものでもないので』

西岡『だったら何のようですか?』

亀山『その宝くじが原因で何かあったんじゃないですか?』

西岡『別に・・・』

右京『先日お伺いしたとき少々気になっていました。目的のものが手に入ったにもかかわらずあなたは心ここにあらずといった感じでした。さらに居間の片隅にお子さんのランドセルが見えました』

亀山『変ですよね~俺らが来たのが10時頃、当然子供は学校に言っているはずですよ』

右京『確認したところお子さんの雅功くんは火曜日から木曜日、つまり今日まで学校を休んでいました。しかも担任の先生が【お母さんの様子がちょっと変だった】とおっしゃっていました。ここから導かれるのは、月曜日の夜、おそらく塾の帰りでしょうかね~何者かが子供を誘拐し、それと引き換えに3000万円の当選した宝くじを要求したという推測です。どこか違っていますか?』

西岡『何を言ってるんですか・・・・雅功は風邪で寝てるんです・・・』

亀山『西岡さん、正直に言ってくださいよ。絶対力になりますって!』

西岡『そうです。月曜日の夜に電話があって・・・手元に宝くじは無いって言ったら【見つけ出せ】って脅されて・・・部屋を探しても見つからなくて・・・もしかしたら美和子に上げた3枚に紛れてしまったかと思って取り戻したんです』

右京『あなたは当選の日、つまり日曜日に当選の事実を知ったのですね?』

西岡『ええ、自分の買った番号は控えていたので』

亀山『それでその事実を誰かに話したんですか?』

西岡『直接には誰にも・・・でも・・・』

右京『はい~?』

 特命にて

亀山『宝くじが当たったなんてブログに書いたら狙われるのは当然って言えば当然ですね』

右京『確かに不特定多数の人間が見ることができるものにこのような情報を載せるのはかなり不注意が過ぎますね~』

亀山『犯人の特定は難しいですね・・・』

右京『しかし妙ですね~ブログの書き込みが日曜日の午後3時です。翌日の夜に見ず知らずの人間を特定し、その子供を誘拐するなど不可能と言っていいと思います』

亀山『じゃあやっぱり知り合いの誰かが?でも誰にも言ってないはずですよ』

右京『そこで君に調べてもらいたいことがあります』

 しばらくして

 西岡と美和子がともに通うスポーツクラブにて

亀山『こちらに西岡さんはいらっしゃいます?』

インストラクターの宮迫弘之『ええ、あちらです』

亀山『西岡さん、逆探知の準備できましたよ、これで今度犯人から電話がかかってきたらすぐに場所が割り出せます』

西岡『雅功は大丈夫なんでしょうか・・・』

右京『犯人逮捕は時間の問題ですよ。もっとも犯人はあまり利巧とは言えません。高額当選者はチェックがかなり厳しいものです。現金に換えようとすればすぐに足がつきますよ』

宮迫『いったい何があったんですか?』

西岡『いえ、ちょっと事件に関わっちゃって・・・』

 次の日の朝

 
 男から西岡家の郵便受けに手紙が入っていた

   【午前11時に宝くじを持って東亜銀行調布支店に来い、必ず一人で来るんだ】

 
 東亜銀行調布支店前にて

西岡『雅功はどこですか』

宮迫『心配しなくていい。ある場所にいるよ』

右京『やはり、あなたでしたか、宮迫さん』

亀山『券だけではどうにもならないから、西岡さんに現金に返させようとしたんだろ?』

右京『顔を出して会いに来たということは、おおかた海外へ高飛びしようと考えたのでしょうね~』

宮迫『何を言ってるんですか。私はただ西岡さんが心配で・・・』

亀山『さっき捜査一課の連中が雅功くんをあんたの家のガレージから無事救出したって連絡があったんだよ』

右京『目的はやはり当選金の3000万円ですか』

宮迫『ああ・・・借金でどうにもならなくなって・・・でもなんで俺だってわかったんだ?』

右京『西岡さんがブログに書き込みをしたと聞いて、とっさにそれを見た人間の犯行だと思いました』

亀山『しかしそれをやる時間的余裕は無かった。となると当選の事実を知る人間の犯行ということになる』

右京『西岡さんに確認したところスポーツクラブに隣接したネットカフェで書き込みしていました。同じく、あなたもそこを利用するのが度々目撃されていました』

亀山『つまり、ブログを見て知ったんじゃなく、たまたま西岡さんがパソコンに書き込みしているところをあんたが見ていたんじゃないかと思って調べたんだよ』

右京『案の定、あなたは借金まみれで誰よりも金を欲しがっていたのであなたの犯行と確信しました』

宮迫『俺が作った借金も宝くじや競馬で取り戻そうとして膨らんだものなんすよ・・・そんなとき身近に当選者がいるとなれば魔が差しますよ』

右京『確かにお金は時に人を狂わせます。しかし昔から言うじゃありませんか金は天下の回り物。無理に借金を膨らませずに地道に働いていけばこんな結果にはならないものですよ』

亀山『だいたいせこいんだよ。くだらないことで子供を誘拐までしやがって』

西岡『私ももう宝くじを買うの辞めます。この券も美和子に返さなきゃいけないし』

亀山『それなら問題ないですよ。もともと貰う気なんて無いって美和子言ってましたから』

西岡『でも・・・』

右京『いいじゃないですか。お子さんの養育費にでも当てた方が将来のためにもなりますよ』

西岡『ありがとうございます。ご迷惑をお掛けしました』

 特命にて

亀山『まったく何が面白いんすかね~確率的に言えば宝くじに金かけるなんて無駄っすよね~』

右京『しかし、西岡さんが買った40枚の券のうちの3枚を手にした美和子さんが当選していたのですよ。はなから諦めていれば当選はありませんが、万が一にかけるのも面白いものですよ』

亀山『じゃあ右京さんも買うんですか?』

右京『僕はもっぱらこれです』

亀山『なんすかこれ?』

右京『イギリスのロトくじです。なにしろ今なら当選金額50億円ですからね~』

亀山『すごい高額じゃないっすか!』

右京『まあ確率的には数百万分の一ですが』

亀山『俺にも譲ってくださいよ、右京さん』

右京『無駄だといったのは君ですよ?』

亀山『そんな事言わずに~』

角田『グリーンジャンボで10000円当たったぞ!』

亀山『こっちは50億目指しますよ!』

杉下右京は今日も紅茶を片手にその光景を眺めていた

終わり~

 午後11時10分  とあるマンションの一室にて

電話の相手『用意は出来たのか?』

住民の女性『まだです・・・そんなにすぐには無理です』

電話の相手『明日の昼までに用意しろ。さもなくばどうなるかわかってるな?』

女性『そんな・・・待って!』

 
 ツー、ツー、ツー

 電話は切られた

 次の日、特命にて

亀山『右京さん、ヒマですね』

右京『そうですね~』

亀山『最近、課長も来ないし、ここ一週間で捕まえたのは万引き犯ただ一人・・・』

右京『亀山君、君は事件が起きて欲しいのですか?それに万引きも立派な窃盗犯ですよ』

亀山『事件が無いに越したことは無い、そりゃそうなんすけど・・・何かこう派手な事件かなんか解決したいんすよ』

右京『そのような大事件がそう起こっては困りますよ』

 そこに美和子が現れる

美和子『薫ちゃん、今朝言ったもの見つかった?』

亀山『あっ・・・でもそんなものねえよ』

右京『探し物ですか?』

美和子『ええ、小さな封筒なんですよ』

亀山『中身は何なんだよ』

美和子『それが私にも分からないの』

右京『もしや青い封筒ではないですか?』

美和子『そうです。やっぱりここにあったんだ。この前来た時に鞄落としたから』

亀山『で、現物はどこです?』

右京『僕が非番の前日の夜に拾ったので、角田課長に預けました、君に伝わってないところを見ると角田課長がそのまま持っている可能性が高いです』

角田『ヒマか?いや~最近忙しくてこれなかったから淋しかった?』

亀山『課長~何か右京さんから預かってません?』

角田『あ、これか・・・面目ない。忙しくて忘れてたよ』

右京『忙しい課長に頼んでしまった僕からもお詫びしますよ』

角田『なんか嫌味にしか聞こえないな・・・』

美和子『まあ、いいわよ』

亀山『でも、中身が分からないなんて誰の封筒なんだよ』

美和子『友達から貰ったんだけど、昨日の夜中に電話があってすぐに返してくれって言うのよ』

亀山『随分失礼な人だな』

美和子『普段は品のいい人なのに珍しく焦ってたみたいだし』

右京『その電話でも中身については何もおっしゃらなかったのですか?』

美和子『ええ、私も気になって聞いたんですけど何も言ってくれませんでした』

亀山『気になりますよね?右京さん。中を見ます?』

美和子『ちょっと!まずいわよ!』

右京『もちろん中身も気になりますが・・・その女性の行動の方がむしろ気になります』

角田『話の腰を折って悪いけど、頼まれてくんない?』

亀山『え?なんか事件ですか?』

角田『ある意味大規模窃盗だな。500枚もの下着盗んだ下着泥だから。で、その裏付け捜査をお前らに頼もうかと思って』

亀山『今は無理っすね~ちょっと気になることを調べなきゃならないんで、ね~右京さん』

右京『ええ、裏付け捜査よりも迅速な対応が必要な事態かもしれませんので、あしからず』

角田『ちぇっ押し付けようと思ったのに・・・しゃあね~大木、小松!今日は徹夜だぞ!』

美和子の友人、西岡恵子の家に来た美和子と特命の二人

美和子『西岡さん、封筒返しに来たよ』

西岡『あったの?よかった!本当によかった!え?この人たちは?』

美和子『私の旦那と、その上司の杉下さんよ』

西岡『じゃあ刑事さんなの・・・』

 西岡恵子の表情が曇った

美和子『ちょっと気になるんだけど、中身は何なの?』

西岡『大したものじゃないのよ・・・ありがとう。改めてお礼するから今日はちょっと勘弁して』

右京『失礼ながら、一つよろしいでしょうか?』

西岡『はい?』

右京『今日はお出かけの予定はおありですか?』

西岡『いいえ・・・別に』

右京『そうでしたか。では我々はこれで失礼します』

美和子『じゃあ、また』

 車に乗り込む3人

亀山『やっぱりなんか臭いますね』

右京『ええ、玄関脇のカレンダーには10時に東亜銀行と書いてありました。いま10時少し前ですから約束を忘れたか、もしくはそれよりも大事な予定が出来たかということになります』

美和子『それで予定があるのか聞いたんですか』

亀山『部屋が荒らされたような状態だったのはなんだったんすかね?』

右京『君にしては鋭い観察眼です。しかしあれは封筒を探すために自ら荒らしたと考える方が妥当でしょうね~』

美和子『私は仕事があるのであとはお願いします。右京さん』

右京『はい。おや、さっそく西岡さんが出てきましたね』

亀山『尾行してみますか』

右京『ええ、しかし我々は顔を知られています、人の通りも多いので気付かれずに尾行するのは正直難しいでしょうね』

 尾行を開始する亀山、しばらくして

亀山『やっぱりダメでした。商店街のところで見失いました』

右京『そうですか、こちらでも調べてみました。西岡さんは三日前から様子がおかしくなったいう話を複数の近所の住人から聞くことが出来ました』

亀山『三日前というと日曜日、封筒に入るサイズで、人に隠したがる・・・もしかしてこれなんじゃ?』

 亀山は車内にあったスポーツ新聞を手に取った

右京『なるほど。君にしては素晴らしい発想力ですね~しかしおかげで真相に近づけたかもしれません』

続く~

 捜査を開始する特命係

亀山『まずはどっから調べます?』

右京『君はどう思いますか?』

亀山『え?やっぱり黒田からですかね』

右京『では、そうしましょう。現住所は分かりますか?』

亀山『当時の調書の時と変わってなければ中野です』

 中野のボロアパートの一室にて

亀山『管理人から話が聞けました、まだ黒田はここに住んでいますね。ただ最近はあまり帰ってきてないみたいです』

右京『そのようですね~郵便受けには1週間前から新聞がたまっていますから』

亀山『管理人も家賃が滞っていると言ってるのでもう戻ってこないでしょうね』

右京『そうとも言えません。新聞をまだ止めていないところを見るとまだ可能性はありますよ』

 そのとき、黒田が姿を現した。特命係の姿を発見し、逃走を図った

亀山『あ!黒田。まて、こら!』

右京『亀山君!はさみましょう!』

 追跡の後、挟み撃ちに成功

亀山『黒田!てめー殺しまでやってたのか?』

黒田『ちがう!俺じゃない!俺が行ったときにはすでに死んでいたんだ・・・』

右京『では、あの場所で何をしていたのでしょうか』

黒田『小林って男から電話があったんだ。取引をしたいからドームに来てくれって』

亀山『何が取引だ。相手は全国指名手配中の男なんだぞ』

黒田『・・・』

右京『何故あなたに電話が入ったのでしょう?指名手配中の男が誰かと接触するのはきわめて危険ですよ。にもかかわらずあなたと接触するということは小林に何らかのメリットがあるはずです。逃亡中の人物のメリットといえば大体の想像はつきますよ』

黒田『ああ、そうだよ。俺は奴を国外に逃亡させる手はずを整え、偽造パスポートを渡すはずだったんだ』

亀山『ただのチンピラだったお前が一人でやれるわけ無いよな?』

黒田『俺はただの使いっぱしりにすぎないっすよ・・・』

 特命にて

亀山『黒田の言ってることが本当だとしても・・・大した進展は無いですね』

右京『いえ、とても有力な情報ですよ。第一に小林が国外逃亡をしていることが判明しました。第二に東京ドームで会うというのも彼との連絡で決定したことです。ここから何が導きられるか君には分かりますか?』

亀山『いや、だって指名手配の男が逃げるのは当然じゃ・・・』

角田『そりゃ、あれだな』

亀山『あれってなんです?』

角田『だからあれだよ。犯人の気持ちになって考えるんだよ』

亀山『またまた・・・課長~適当なことを』

角田『なんだと~』

右京『いえ、その通りですよ。小林の気になって考えれば見えてきます。5件もの事件を起こし、指名手配になってからも巧みに逃げ続ける男が5件目の直後に海外脱出を考えるのは違和感がありませんか?』

亀山『まあ、でもそれだけじゃ』

右京『5件目の事件では殺人未遂まで至っています。調べたところこれまで4件は華麗なまでに人に危害を加えずに犯行を成功させています。もちろん人質を縛ったりしているので強盗と呼ばれていますが』

亀山『勿体つけないで教えてくださいよ』

右京『5件目だけは明らかに過去4件のとは手口が違うんですよ。目撃者の話によると小林は逃げるように現場を後にし、被害者が血まみれで玄関に横たわっていたそうです。あくまで憶測ですが5件目は小林の犯行ではなく、第三者の犯行、それを目撃した小林が現場から逃走、そこで犯人は小林の犯行に見せかけた。小林は危険を感じ逃亡を考える』

亀山『そりゃ考えすぎじゃないっすか?』

右京『ですからあくまで憶測だと言っています』

角田『いや、あんたがそう推理したってことはまんざら絵空事でもないな』

米沢『お待たせしました。連続強盗事件の捜査資料です。持ち出すのに苦労しました』

右京『恐縮です』

亀山『第5の被害者は福留耕輔、小さな弁護士事務所を構えていますね。最近では危険運転致死か否かが争われた裁判で弁護に当たってますね』

右京『確か、その事件で逮捕されたのは松井一男、当時国土交通省の職員だということでかなり騒がれましたね』

亀山『官房長に話を聞く必要があるみたいっすね』

右京『そのようですね~』

 官房長室にて

小野田『そろそろ来る頃だと思ったよ』

右京『先日は名前を出されませんでしたが、衆議院議員というのは前国土交通大臣の岡島英樹ではありませんか?』

小野田『なんだ知ってたのか』

右京『松井一男との関係を調べたところ省内ではかなり対立していたようですから』

小野田『そう、岡島議員からの要請だよ。ただ今度の事件とは無関係だよ』

右京『はい?』

小野田『岡島先生と僕は事件の日に熱海に旅行に行ってるんだよ』

亀山『でも、いくらでも言うことを聞く連中はいるんでしょう』

小野田『まあ、疑うのは勝手だけどね、妙な真似はしないでね』

右京『わかりました』

 特命に戻る二人

亀山『さっそくストップがかかりましたね』

右京『ええ、でも捜査をするなとは言われませんでした』
 伊丹らが現れる

伊丹『特命係の亀山~なんで黒田からの情報をこっちに渡さねーんだよ』

三浦『警部殿~これは我々の仕事なんですよ』

亀山『また課長がしゃべったのか・・・とにかくまだ何にもわかんねーんだよ』

 議員会館にて

秘書の桑田『本日議員は忙しいので・・・お引取り願います』

岡島『まあいいじゃないか。どうぞお入りください』

右京『はじめまして。警視庁特命係の杉下と申します』

亀山『同じく亀山であります』

岡島『小野田君から電話で話は聞いたよ。で、お話というのは?』

右京『松井一男さんについて二、三お聞きしたいと思いまして、松井さんと対立していたというのは本当でしょうか』

岡島『ええ、彼には悪いが辞めてもらって助かったよ』

右京『といいますと?』

桑田『彼は岡島先生の省内改革にかなり否定的でしたから』

亀山『話は変わりますけど、東京ドーム内で殺人事件があったのはご存知ですか?』

岡島『ええ、新聞で読みましたけど。確か毒殺だとか』

右京『ええ、その日の岡島さんの行動をお聞かせください』

桑田『ちょっと失礼じゃないか!なんで毒をうたれた男の事件に先生が関係して来るんだ!』

岡島『まあ、気持ちのいいもんじゃないがお答えしましょう。その日なら小野田君と熱海に行ってるよ』

亀山『その日は誰とも連絡を取りませんでしたか?』

岡島『仕事柄、電話は何本もかかってきましたが、それが何か?』

右京『いえ、大変失礼致しました。あっ、最後にもう一つだけ。お孫さんにお話を聞かせてもらっても構いませんか?』

岡島『捜査のためなら仕方ありませんね。自宅には私から連絡しておきますよ』

右京『ありがとうございます。では亀山君、行きましょう』

 車に乗り込む二人

右京『僕はとんだ勘違いをしていたようです』

亀山『え?』

 岡島邸にて
 
右京『君はどのように過ごしていましたか?』

岡島の孫、隆『おやつをいっぱい貰ったし、ゲームも沢山したよ』

右京『なるほど、誘拐が最もうまくいく方法は、本人に誘拐されたと認識させないことですか』

亀山『じゃあやっぱり・・・』

 米沢さんから電話が入る

右京『そうですか。ありがとうございます。では。亀山君。中野警察署に向かってください』

亀山『はい』

 中野警察署にて

右京『松坂さんですね?』

松坂『ええ、刑事課の松坂ですけど・・・本庁の方が何の御用ですか?』

亀山『本来なら監察官の大河内さんに来てもらうとこなんだけど・・・その前に聞きたいことがあるんだよ』

松坂『・・・なんですか?・・・』

右京『黒田の部屋から盗聴器が発見されました。おそらく犯人側がドーム内での取引があるということをこれで知ることが出来たのでしょう』

亀山『問題は、なんで黒田の部屋なのかってこと。あんた黒田が逃亡を助ける城代金融の窓口だと知っていたんでしょ』

松坂『それがなんだっていうんですか』

右京『あなたが黒田の情報を犯人側に提供したのではないですか?盗聴器からはあなたの指紋が検出されています。多額の借金もあったようですが、数日前に完済されているようですしね~』

松坂『・・・すいませんでした。借金でどうにもならなくなっていたところに電話が入ったんです。情報と引き換えに1000万円を渡すと・・・』

 特命にて

右京『亀山君、君に調べてもらいたいことがあります』

 しばらくして

亀山『右京さんの推理どおりでしたよ!』

右京『そうですか。では議員会館に参りましょうか』

 
 議員会館にて

右京『度々申し訳ありません。今日は事件の報告にあがりました』

岡島『ほう、では解決したんですね?で、誰なんです犯人は』

亀山『それは岡島さん、あなたでしょ?』

岡島『ばかばかしい・・・まだそんなこと言っているのか』

右京『ええ、孫を誘拐されたと偽り、まんまと小林の居場所を突き止め息の根を止めた。違いますか?』

岡島『証拠はあるのか!いい加減にしたまえ』

亀山『あらら・・・桑田さん、前回は真っ先に否定したのに今回は随分と静かですね~』

右京『やはり思惑通り議員に疑いの目が行ったのでほくそ笑んでいたというとこでしょうかね~』

桑田『何を言っているんですか・・・』

岡島『桑田・・・貴様の仕業か!』

右京『ええ、今回の事件は小林が5件目の強盗場所に福留耕輔の自宅を選んだことに端を発しているんです。あなたが福留を殺害し、強盗の仕業に見せかけ部屋を荒らしているときに小林が現れたんですね。そしてあなたにとって最大の誤算は殺人未遂で終わってしまったこと。小林が逃げた直後を見た人間がいるということは遺体の処分はおろか、止めを刺すこともできなかったでしょうからね~』

桑田『何で私が・・・』

亀山『福留は松井からある情報を手に入れ、あんたを脅しにかかったんだろ?まあ意識を回復したらいくらでも話を聞けるからな』

岡島『なんだね、その情報というのは』

右京『今裁判で争われている危険運転致死か否かの事件です。この事故がただの事故ではなく殺人だったとしたら話は大きく変わってきます』

岡島『どういうことだ』

亀山『この事故の被害者ってのが・・・』

桑田『俺の以前付き合っていた女だよ。松井に酒を飲ませ運転させてあの女を轢いたんだよ』

岡島『なんてことを・・・』

桑田『仕方ないでしょ。あの女、別れるって行ったら俺が大学に裏口入学したのをばらすって言うから』

右京『それで松井さんは福留さんにあなたの名前を言ったのですね』

桑田『ああ・・・まさかあいつが脅してくるとは思ってもみなかったよ』

亀山『そんで目撃者の小林の口を封じるために、岡島議員の孫をさらい、いや正確にちょっと連れ出しただけで議員も巻き込んで、いざとなったら議員に罪をかぶってもらおうとしたんだろ』

桑田『でもなんで俺だとわかったんだ?』

右京『最初にお伺いしたとき、あなたは【毒をうたれて死んだ男】とおっしゃっていました。報道では【体内から毒が検出された】としか発表されていませんからね~もしやと思い調べさせてもらいました』

桑田『そんなことで・・・でも証拠はあるんですか?』

亀山『あんたの部屋から凶器となった注射針と毒物が発見されるはず。ですよね右京さん』

右京『ええ、あなたの家の周りはカラスの被害が特にひどいと聞きましたから、万が一烏がゴミを荒らし大量に変死でもしたら疑われかねないので避けると思いました。さらに不思議なもので一つの手段が断たれると他の手段も失敗する気になるものです。となると自宅に保管するのがベストと考えるのも自然の成り行きですからね~』

桑田『参りましたよ・・・』

 特命にて

亀山『しかし、とんでもないやつでしたね~』

右京『そうですね~』

亀山『でもなんで盗聴器の犯人が松坂だとわかったんです?』

右京『我々を監視するには我々が刑事であることを知っている人物、かつ我々が東京ドーム内で張り込みをしていることを知っている人物ということになりますよ』

亀山『なるほど、だから警察内部に情報提供者がいると。さらに黒田と最も関係のある刑事となればかなり絞られますからね』

右京『ええ』

小野田『失礼するよ。岡島議員がお前らに礼を言ってくれというのを伝えにわざわざ来たのよ』

右京『そうですか』

亀山『岡島さんは政界を引退するって聞いたんですけど本当なんすか?』

小野田『うん、身近にいる人間の浅ましき行動を見抜けなかった者に政治をする資格は無いってね』

亀山『意外と潔いですね』

右京『そのような政治家がいなくなるのも淋しいものですがね~』

 
 小野田の去った後角田課長登場

角田『ヒマか?ドームのチケットが余ってんだけど行かないか?』

亀山『バックネット裏じゃないですか。行きます行きます!』

右京『では僕は失礼しますよ』

亀山『右京さんはいかないんすか?滅多にいけませんよ』

右京『今日は用事がありますので』

 その後

たまきさん『珍しいですわね~右京さんからデートの誘いなんて』

右京『たまにはいいものですよ』

終わり~  


亀山『読んでくれてありがとうございます。コメントもよろしくお願いしま~す』

 4月20日 東京ドーム、巨人対広島戦

 歓声で盛り上がるドーム内、特命の二人は外野スタンドで観戦

亀山『さすが小笠原だ!いやーすごいホームランでしたねー右京さん』

右京『亀山君、ここにいる目的を忘れてませんか?』

亀山『すんません、つい・・・でも逆転満塁ホームランっすよ~冷静ではいられませんよ』

右京『君は巨人ファンだったのですか?』

亀山『まあなんだかんだでいまだに応援してますね。右京さんは?』

右京『僕は野球には余り興味がありませんねー』

亀山『でしょうね』

 しばらくして

亀山『もう7回終了ですよ・・・やっぱりガセネタだったんすかね~』

右京『もしかしたらそうかもしれません。ただここで止めてしまえば見つかるものも見つかりませんよ』

亀山『まあそうなんすけどね』

右京『亀山君!一塁側のベンチ上、下から5番目の席です!』

亀山『?あ!小林?』

 2時間半前

角田『ヒマか?』

亀山『今日は一日特に事件はありませんからね』

内村『そうか、ヒマか。じゃあお前らに仕事をやろう』

右京『張り込みですか』

内村『そうだ、マル秘は小林雅彦』

亀山『例の連続強盗犯ですか』

右京『ええ、先日はあわや死人が出るところでしたから正確には強盗殺人未遂犯です』

内村『ドーム内で奴が現れるという情報が入った』

右京『もうすぐ試合が始まりますね、参りましょう。亀山君』



 ドームにて

右京『急ぎましょう。亀山君』

亀山『え?一課の連中を待つんじゃないんですか?』

右京『今試合は8回です。点差も先ほどホームランで決まりかけている。こうなると家路に急ぐ人々で出口はあふれます。そこで確保するのはきわめて困難です!』

亀山『なるほど。じゃあいったん外に出て回り込みましょう』

右京『ええ、3番ゲートだと思います』

 ゲートから中に入る二人

 赤いジャンパーを着た男が亀山にぶつかった

亀山『悪い。急いでんだ!あれ?おまえ黒田じゃねえか?』

男『・・・』

右京『亀山君!』

亀山『はい』


 出入り口は予想通り混雑していた

右京『こうなっては全員足止めするのは不可能です。君は外で小林が出てくるか見ていてください』

亀山『右京さんは?』

右京『中から探します』

 座席にはまだ小林が座ったままだった。

携帯で連絡を取る右京『亀山くん・・・中に入ってきてください。小林は亡くなっています』

亀山『いったい・・・どうなってるんすか?』

右京『僕にも分かりません・・・』

 30分後、一課と鑑識が到着

伊丹『こら、特命係の亀山~何でお前らがここにいんだよ』

亀山『第一発見者だから仕方ねーだろ』

三浦『まさかあの情報が本物だったのか?』

亀山『ああ』

米沢『死因は神経系の毒薬ですね。首筋に注射痕があるので、ここを注射され眠るように死んで行ったと見て間違いなさそうです』

右京『死亡推定時刻は?』

米沢『まだ一時間とたっていません』

右京『僕が外野スタンドから見たときもまだ生きていました。となると僕らが小林を発見し、この場所までくる約10分の間に行われた犯行ですね』

米沢『ええ、犯行の手口から見てもこれはプロの仕事ですね。それに椅子からは大量の指紋が出ているので特定は不可能です』

右京『しかし、殺害のタイミングがよすぎますね~僕らが発見した直後の犯行というのがとてもひっかかります』

 翌日、特命にて

亀山『おはようございます』

右京『おはようごいます、さっそくですが僕たちが移動していたときに君は男性とぶつかって何か言ってましたよね?』

亀山『ええ、俺が一課のときに捕まえた黒田って言うコソ泥に似てたんすよ。でも他人の空似かもしれないっすけど』

右京『事件と直接関係あるかはともかく、何かあるのは間違いなさそうです』

亀山『どういうことです?』

右京『ドームの一塁側のスタンドに広島カープのジャンパーを着てくる人はそうはいません。三塁側に空席が目立ったことからも考えにくいです』

亀山『でもそれだけで・・・』

右京『自分の存在を相手にアピールするための服装だったのではないかということですよ』

亀山『じゃあ面識の無い小林と取引するために着て来たということですか?』

右京『可能性は十分にあります』

小野田『邪魔するよ』

右京『やはり背後にあなたの存在がありましたか』

小野田『何、もうわかってたの』

亀山『え?官房長がどうしたんです?』

右京『今回の事件は曖昧な情報で提供されたことに意味があったのですよ。先ほど芹沢刑事に聞いたところそれ以前に二度のイタズラ電話があったようですから。そして3回目の電話も信憑性は0に近い。そこで僕らに白羽の矢が立ったのです。どうせガセネタだろうけども放っておくわけにも行かないということで』

亀山『でも官房長が何でそんなことを』

小野田『ある衆議院議員から依頼を受けたんだよ。小林の居所を調べて欲しいとね。そこで昨日の東京ドームで取引があるとこまでつかんだが肝心のいつごろ、誰となのかは不明だった。そこで杉下と亀山君の力で小林を見つけようと思ったんだけどね』

亀山『じゃあその議員が相当怪しいじゃないですか』

右京『そうとも限りません。わざわざ官房長に依頼するほど切迫していた、おそらく誘拐などで議員を脅迫し指示通りに動かしたというとこでしょうか』

小野田『そう、議員のお孫さんが誘拐され、要求が小林の居場所を突き止めること。でも警察を派手に動かすことも出来ないし、僕が特命に直接指示をだすのも後々面倒なことになるからね』

亀山『俺らが利用されたんすか・・・なんで最初に言ってくれなかったんすか!』

小野田『だって教えちゃったらお孫さんが犠牲になったかもしれないでしょ』

右京『しかし、結果として一人の人間が亡くなっている以上言い訳をいくら並べても虚しいだけですよ』

小野田『お前は、相変わらずだね』

右京『おそらく、我々を監視していた人物がいたのでしょう。我々が発見した事に気付き仲間に連絡をし、その仲間が殺害したとみて間違いないでしょう』  

亀山『ってことは犯人は少なくとも2人、いや全ての席を網羅するには最低10人は必要か・・・それで子供は解放されたんすか?』

小野田『うん、昨日の11時頃に自宅近くのバス停で無事保護されたよ』

右京『どうやら小林さんの死期を早めてしまったのは僕らのようですね・・・』

亀山『当然、事件の解決も俺らの使命ですね』

 続く~