2002年2月中旬。アカプルコに到着した日の昼食後、俺とK君は街で見つけた理髪店に入ることにした。二人とも何ヶ月も髪を切っていなかった。ここに着くまでは冬で寒かったので、特に髪型が気になることはなかった。でもアカプルコは暑かったし、二人とも直毛なので前髪が顔にかかるのがちょっと鬱陶しかった。でもこの先また4月にはアメリカ合衆国の北部やカナダに行くことになっていたので(4月のアメリカ北部はまだまだ寒い)、ショートカットにする気もなかった。
夫婦二人で経営している理髪店に入る。パーマの値段を聞くと100ペソという。日本の値段と比べると、はるかに安いではないか。俺は10年以上パーマはかけてなかったが、良い機会だと重い、K君と二人そろってパーマをかけることにした。
あまり若者が来るようなオシャレな店ではなかったが、かなり古くてボロボロになったヘアーカタログみたいなものがあった。パーマがゆるめでファッショナブルな、ブラッド・ピット風の髪型があったので、それを指差して店の主人(50歳前後)にリクエスト。ちょっと小太りで口ひげを蓄えた人の良さそうな主人は、満面の笑みを浮かべてオッケーサインを出してくれた。