北半球一周の旅 ・ 白い恋人達 | 北半球一周の旅 2002年 1年間 回想記

北半球一周の旅 2002年 1年間 回想記

1年間をかけて、北半球の主要な国、都市、世界遺産などの旅をした体験を赤裸々に綴る回想記。

 上野の森美術館では、10月から開催されていたMOMA展(ニューヨーク近代美術館名作展)を見ていた。セザンヌ、ゴッホ、ピカソなど世界の名だたる巨匠の名作が集められていた。

 彼女とは午前中に待ち合わせして、昼食をとってからここに来た。お互い、胸中普通では無い筈なのに、今までのデートのときと全く変わらない感じで会話をしていた。
どう接していいか分からないという俺の感情があるのに、普通の態度で接している自分が不思議でもあった。彼女には、ここで喧嘩になったら終わりだという思いがあったのだと思う。

 そんな不思議な感覚の中で、俺は思いのほか、巨匠の名作の世界に没頭していた。バルセロナでピカソ美術館に行くことを想像して、心ときめいた。

 美術館を出た後、上野公園を少し散策した。その後、新宿に向かった。クリスマスのイルミネーションが、街じゅうにあふれていた。レストランで食事をした。約束通り日付が変わる前に、俺はひとり家路についた。

 家に帰ってFMラジオをつけた。桑田佳祐の白い恋人達が流れてきた。

 今宵涙こらえて奏でる愛のSerenade
 今も忘れない恋の歌
 雪よもう一度このときめきをCelebrate
  ひとり無き濡れた夜にWhite Love

  胸がしめつけられた。