中国の習近平国家主席は今月13日、インドで開催されたBRICS首脳会議に出席したが、各国首脳らとの夕食会を欠席し、急きょ中国に帰国した。事情に詳しい複数の関係者によると、これは体調不良によるものだった。訪米を数日後に控える中、同氏の健康状態を巡る臆測が広がっている。
デリーでのBRICS首脳会議に出席した中国の習近平国家主席
モディ首相と握手する習主席(左)
インドの国営放送が共有した動画には、ナレンドラ・モディ首相が首脳会議の冒頭発言中に一時言葉を止め、左隣に座っていた習主席の様子を気遣う場面が映っていた。側近らが習主席のもとに駆け寄る中、モディ首相は「大丈夫ですか」と問いかけた。モディ首相が重ねて問いかけると、習主席は力なくうなずき、モディ首相はスピーチを再開した。
習主席は7年ぶりにインドを訪問していたが、他の首脳陣に先駆けて13日に帰国。会議後開かれた各国首脳の夕食会には王毅外相が出席し、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領やブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ大統領らと交流した。外相が各国首脳と晩さん会で交流するのは極めて異例で、当の習氏は中国帰国後は公の場に姿を現しておらず、健康不安説を過熱させている。
米国に拠点を置き、中国では非合法の政治組織「中国民主党」の主席を務める謝万軍氏は14日、Xへの投稿で「習主席がBRICS首脳会議中に失神し、緊急治療のため中国に空路搬送された」と主張。米国を拠点とする謝氏は、習主席が重度の脳梗塞(こうそく)を発症したものの、デリーでの治療を拒否したと主張。中国に到着後、北京の「301病院(中国人民解放軍総医院)」に搬送されたとしている。
謝氏は「飛行機に搭乗する際、習近平氏は歩行が困難な様子で足元が危うく、体が何度も左に傾いていた」と主張した。
米国のジャーナリスト、ビル・ガーツ氏は16日、習主席の健康状態を巡って「うわさが飛び交っている」と述べ、さらに「対立する集団軍が内戦に向けて動員されている」との臆測もあると主張した。
シンガポール経営大学のヘンリー・ガオ法学部教授は、「最近の中国を巡るうわさを『単なるうわさ』として片付ける者は、中国の歴史を学び直す必要がある」と指摘する。ガオ教授は、うわさが「適切な人物の手に渡れば、政治的な武器になり得る」と語った。
政治アナリストのゴードン・チャン氏は、「習近平氏の体調は良くない。今回、中国はその状況を隠しきれなかった」と投稿した。「中国軍が、習氏にとって最も強力な政敵である薄熙来氏と周永康氏の2人を釈放したという衝撃的なうわさもある。信じがたいことだが、もしこれらのうわさが事実であれば、習氏は安心して中国を離れることはできないだろう」とも語っている。
一方、中国外務省は習主席が首脳会議への出席を「成功裏に終え」、13日午後にデリーを出発したと発表した。今回の訪問は12日から13日までの首脳会議出席という日程に沿ったものとみられるが、滞在時間は約24時間にとどまった。
中国では、モディ首相の対応は習主席が同時通訳に使用していたイヤホンの不具合に対応したものだったと報じられているが、会議中に、モディ首相が習氏に呼びかけた動画では、向かって左側に座っている習氏対して3度も繰り返し「Is it all right?」と大きく声をかけるとともに、演説中も習氏の様子を確かめるように、何度も顔を左側に向けて習氏を見つめている映像が公開されている。
習主席の健康不安説は、24日に予定されている訪米スケジュールにも疑問符を投げかけている。訪米中にはドナルド・トランプ米大統領との会談が予定されており、実現すれば過去1年間で3回目の対面会談となる。

