朝方、ザーとシャワーが続いたホノルル。
寝坊したので、今朝の様子はさっぱり分からないけど、快晴です。
あいかわらずサウスショアに良い波が押し寄せていて、サーフポイントは賑やか。
ビーチパークのパーキングはびっしりだけど、
アラモアナブールバード沿いに停まっているのは数台。
週末にしてはちょっと珍しいかな。
この週末は、ずっとオウチ。
部屋からビーチパークや、海や、ダイヤモンドヘッドを借景にして、
ＰＣでかたかた。
コオラウの山影も青くきれい。
上空の雲も、少し高く、きっとトレイルも陽を浴びています。
ハイキングもちょっとご無沙汰。
来週こそは行ってみよう。
ハワイの暮らしでは、できれば外出してお日様の下、
ピックニックしたち、スポーツしたり、ボランティアしたり、です。
オウチにはお仕事だの、お勉強だの、家事だの、
致し方なく残留、という感じ。
考えてみれば、ウクレレの練習だの、ベイクだの、
インドアでの趣味の時間にもう少し時間を割くようにしたら、
いっぱいやりたいことはあるのに、もっぱらアウトドア優先。
それにハワイではできそうにもない趣味もあります。
1年半前から１２年振りに再開した工作。
オウチに売るほどあるヒコーキの模型作りです。
目黒のオウチの建て替え前、物置小屋の２階が工作室になっていて、
KIKIが生まれてくると分かる前までは、せっせとリストも作っていました。
中学生のころからポツポツ買ったり、作ったりした模型は、その数、なんと７８６！
７３機は完成していて、巨大なガラスケースに並びます。
ちなみにこの膨大なキットの総額、１１３万６０００円
なり。
平均にすると一つ１４４５円。
最後にキットを買った日付は、２００７年２月２８日。
この頃、お仕事に、ウインドサーフィンに、趣味に、と気ままな生き方をしてきたパパにも、
ママと暮らすという自覚が出てきました。
もう１５年を経て、昔話です。
１２年間放置されていた５機分のキットは、今年５月の末にやっと完成。
６月、家族で日本に一時帰国して、
さあ、次は何を作ろうかな
と、手にしたのが、この輸送機のキット。
入間基地にも展示されている何ともレトロなカーチス・ライト社製のＣ-４６です。
双発のプロペラ機で、軍隊でも使われましたが、ちゃんとした旅客機。
精悍さはないけど、
むっくりした胴体と揚力がいっぱいありそうな幅広の翼。
南米辺りの深い密林のエアラインで飛んでいそうです。
購入したのはいつだろう
リストにありました。
２００２年１１月９日。
かなり高額で３７００円。
アメリカで買ったはずだから、３０ドルくらい(当時のレートは１２２円／＄ほどでした)。
いっぱいあるキットの中で、Ｃ-４６を選んだのには理由があります。
２０１８年１０月に東京を襲った台風２４号、
オウチの中には被害はなかったものの、キットで満載のバルコニーの物置３台、
扉も外れて、暴風雨に曝されました。
ほとんどは飛び散らなかったのが不幸中の幸いだけど、多くのキットは雨風でぐちゃぐちゃ。
その内の一つです。
箱はすっかり形を失ったけど、
プラスティックの部品はへいちゃら。
お水に浸かってしまうと使えない、転写シールも、辛うじて使えそう、という状態。
とは言え、あまりに痛々しい姿なので、
ちゃんと模型だよ、という矜持を取り戻します。
今回は懐かしい入間基地で活躍していた飛行点検隊のカラフルな装いにしてあげます。
そのデカール(転写シール)も、いまは閉店となってしまった渋谷の初台にあった模型屋さん”えんどう”が発売していた”フライングパパス”のシリーズ製品。
いつ買ったのかは、忘れたけど、
このキットを買ったのは、点検飛行隊の艶やかな塗装を思い描いていたはずだから、
きっと同じ時期です。
小さなお店の製品でも、丁寧で精緻。
さすがにあまりにマニアックだから、それほどいっぱい売れません。
素晴らしい小さなお店がどんどん消えます。
それ以上に、
ハワイでのモデラ―はほんとうにマイナー。
模型屋さんと言えば、
アイエアのＴｈｅ Ｈｏｂｂｙ Ｃｏｍｐａｎｙくらい。
かつてＬｏｎｇｓ Ｄｒｕｇｓ、やＷａｌｍａｒｔでも並んでいた模型は、もうありません。
極めつけは、
ググっても、ＳＮＳでキーワードを入れても、
ハワイで模型作り（もちろん英語）、なんて全くヒットしません。
そもそもこの青い空と紺碧の海と、
なにが面白くてオウチでもくもく？。
ぜんぜん相手にされません。
模型作りはやっぱり日本かな。
ヒコーキの模型はすっかりマイナーだけど、
グリコのおまけ、チョコエッグのおまけ、ガチャの模型、それにあのガンダム、
日本は世界でも有数の模型の聖地。
静岡県はモデルメーカーが集積する世界でも稀有な地域です。
ここからは、製作記。
軽やかに進みます。
キットを取り出してみると、予想通り大雑把な成型。
アメリカのＷｉｌｌｉａｍ Ｂｒｏｓ社の製品で、ディテールはほぼ省略。
作り込むよりは、華やかなカラーリングできっと存在感を纏います。
後の車輪カバーは、切り出して自作すること、
という指示。
大きな胴体をくっつけしまう前に、窓のクリアパーツを内側から接着します。
輸送機のデッキと操縦席の組み立て。
胴体を合わせると、もういじれない場所なので、先に塗装します。
どうにも嵌め合いが悪いから、操縦席のダッシュボードをやすりでがしがし。
ずんぐりの胴体、きれいに合わさるように接着します。
翼をつけると、ヒコーキらしくなりました。
ここからが細かい作業の連続。
胴体、そして翼の合わせは、かなり精度が貧弱。
パテを塗って、やすりで整え、
を何度も繰り返して、接合部はもう、つるすべ。
胴体の前方部にある風防(キャノピー)は、窓枠だけ塗装されるようにマスキング。
老眼泣かせの作業です。
前輪、後輪のハウジング、それに客席窓もマスキング。
内側の塗装色が違います。
ぶわー、とスプレイしたのは、ベースホワイト、という下地剤。
隙間を目立たなくして、発色をよくする優れもの、
この時点ではヒコーキは全身まっしろけ。
主塗装色は機体素材のジュラルミン色。
ということで、シルバーをエアーブラシで、もう一度ぶわー。
マスキングしていない部分は、みごとシルバー一色。
ここからまた手間がかかります。
マスキングをはがすと、この通り、逆パンダ状態。
今度は塗り終わったシルバーをマスキングする、という
まるで三途の河原の石積み作業。
逆さまマスキングをして、
今度は目立つ、蛍光オレンジ色をぶわー。
もう塗り終わってマスキングされているシルバー以外は、鮮やかな飛行点検にシンボリックなオレンジに染まります。
防衛省管轄の空港の航法援助(ナビゲーション)システムの機能点検を任務にしている機体。
かつては目立つことが最優先でした。
塗装の第３段階。
今度はマスキングされたシルバーの一部、主翼、水平尾翼、垂直尾翼の前縁などをまっくろに。
マスキングの一部を切り取って、さらにマスキングします。
そして、黒色をエアーブラシで、ぶわー。
なんだか、錦鯉風の風情にC―４６。
ここで、製作記①はおしまい。
ホノルルに戻る前には完成まで届かず。
夏休みを全力で遊んだKIKIファミリー、
さすがに模型作りの時間はわずか。
１か月かけても、まだまだ細かい作業を残しました。
それに、ぶわー、は女子たちから大不評。
ワッツ スメル！？
換気扇では飛び散るエアーブラシの塗料が吸いきれず、
粉塵と有機溶剤で、オウチは毒ガス充満。
暑くてエアコン全開と言うのに、窓も全開
クレームの嵐 ｂｙ 女子、です。
こんな調子の模型作り、
どうにもハワイで受けません。
製作記の続きは、日本に帰ってから。
完成した飛行点検隊の雄姿を、見ていただけるまで
もうちょっと、です。
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