当方、目下大学受験を控える娘を抱える父でござんす。

もう藁にもすがる思いでこの一冊を手に取りましたわ。

副題は「〜脳科学で考える効率的学習法」

 

思えばやつがれも現役の受験生だった頃(いや、大学に入ってから

だったかもしれない)、このテの本を読んだ記憶があります。

確か、外国語の学習法のような内容で、著作者は心理学者だったような。

結構具体的なアドバイスがあって、あれこれ試してみました。

睡眠には90分のサイクルがあって、個人個人で何サイクルが

一番覚醒するか調べて睡眠時間を決めるべし、とか。

青色系(だったと思う)が学習意欲を駆り立てるので、

部屋の色合いは全体的に青にせよ、とか。

 

本書は脳科学者が受験生応援ブックを出しました、という感じです。

初版は2002年ですからもう20年も前のものです。

2011年に文庫本化して、その際に情報のアップデートなどを

施している模様。道理で文献目録に2002年以降の出版物が

随分並んでいました。ただ、本文のどの辺りがアップデートされたのかは

初版本と比べないと分からない感じです。

 

著者は池谷裕二(いけがやゆうじ)氏。東大、同大学院で薬学を修了。

米国コロンビア大学で客員研究員を経て、東大の教師陣に加わっています。

何でも薬学部には1位で進学、大学院にも首席で入学(自称)。

この手の書籍に信憑性を加えるには、こういった情報はmustですから、

一応ここでも報告致します。

 

さて内容ですが、主題はヒトの脳ミソが記憶するプロセスを説き明かしながら、

そのプロセスを如何に活用すれば受験に対応した勉強ができるのか、学習法を

提案してくれるものになっています。高校生に読んでもらう文体です。

全体で6章にまとめられていて、各章が5〜9の小区分に分けられ、

それぞれにタイトルがついています。本当に手取り足取りの指南書です。

しかも各区分が大体同じ分量なのでリズムよく読めます。

加えて、合間合間に「脳心理学コラム」なる豆知識的な読み物と、

「体験談」なる高校生の投稿とそれに対する著者のレスポンスとが

17ずつ挟み込まれていて、これらがまたいい具合にアクセントになっています。

 

著者本人も最後に述べていますが、何か奇を衒ったような学習法を

提案しているわけではなく、むしろ昔ながらの教訓「努力を重ねなさい」を

脳科学的にバックアップした感じになっています。

 

娘が高校一年のときであったら本書を勧めたかもしれません。

受験を半年後に控えてる今となっては、

却って不安を煽るような顛末になり兼ねないので、

本書を読了したやつがれが、それとなく本書のアドバイスを

娘に話してやろうかな、と思っています。

つまり、やつがれも随分納得する内容でした。

(延滞してしまった。。。市立図書館さん、ごめんなさい)