ジョルダーノ・ブルーノがまたガリレオと番(つが)いで登場してました!  

『レッド・ライト』(原題 Red Lights:ロドリゴ・コルテス監督、

 R・デニーロ、S・ウェーバー主演、2012)

マテソン心理学博士(S・ウェーバー)と助手のトム・バックレーは共同で超常現象を検証していて、著名な超能力者シルバー(R・デニーロ)を調査することに。バックレーはやる気満々なのにどうやらマテソンが二の足を踏んでいる。そしてとうとう彼女は不自然な死に方をするのです。

やがてストーリーはシルバーVSバックレーの一騎打ちと展開していくのですが、

対決のクライマックス近くでシルバーは彼のステージを観に来た観衆にこう訴えます。

「あなたたちは何を観に来たのか。何を望むのか、何を求め、何を信じるのか?」と。

そして続ける中にこのような文章が。

 

"We called Ptolemy insane, we spat in the face of Galileo, we burned Giordano Bruno... What did we need? What do we need in order to learn? What makes us be what we are? What finally makes us come to accept? What makes us believe?"

【私訳】「我々はプトレイマイオスを狂人扱いし、ガリレオの顔に唾を吐き、ジョルダーノ・ブルーノを焼いた。一体何を欲していたのか。悟るのにどれだけ要するのか。何が人を生かし、そして最後まで導くのは何か。どこまですれば人は信じるのか?」

 

科学的に解明できない超常現象をいつまでも受け入れず懐疑的であり続ける人々にしびれを切らせたかのようにシルバーは迫るのです。かつて信仰箇条に法らない思想を焼き殺した人類は今日、科学に法らないものを次から次に焼き殺している。。。怖っ!

 

ちなみにこの作品のテーマは「人はいつまでも自分を欺き通すことはできない」という啓蒙。いつかは本当の自分を生きなければ、どこかで歪みが生じ、そのために自ら傷つき、身の回りのものが被害を被る。自分を欺き続けるならば、あなた自身も身の回りも次から次へと不自然な、不条理な、筋の通らないこと、そう超常現象に巻き込まれる。あなたの人生、あなたをとりまく環境がそのように歪んでいるのはあなたが自分自身を受け入れないで、ペテンを働いているからでは?

この観点で見るとすっきり観られるかも。