気付いたらもう2月。

今年こそ毎月数冊の読後感を記載しようと誓ったのに。

1月が終わってる。

昨年は秋口からずっと忙しかったんですよ...

気を取り直して今月からまた頑張ります。

 

この一冊は結構話題になりましたね。

多分見つからないと思いながら『FACTFULNESS』を辞書で調べましたが、

案の定ありませんでした。

すぐにその理由は分かりました。これはロスリング氏による造語。

言語学的観点から言って造語を生み出す時は相当準備する必要があります。

そのことばに文化が内住していることが必須なのです。

図書館で予約したら80余人待ち!

そして12ヶ月後手元に届いた頃にはこの「新語」は

案の定世間からもう忘れられてる(笑)。

 

この本は最初に13の三択クイズを問い掛けます。

そして読者がほとんど正解できないことを見越して、

その原因はこの世界がとんでもない「思い込み」をしているからだ、

という寸法です。

そのとんでもない思い込みのために、

あなたは世界の現実を見ることができず、

本当はそれほど悪くないところなのに

世界は著しく悪化、劣化していると勘違いしているのだ、と主張します。

統計を客観的にみれば世界はむしろ良くなっている、とまで言い放ちます。

またしてもですが、この「統計を客観的に」という新興宗教の信者です。

 

本題は10章から成っていて、各章がその「思い込み」の正体と、そこからの脱却方。

各章の締めくくりに「FACTFULNESSとは」といって

定義的なまとめが付記されています。

最後の章(11章)には念を押すように復習をしてフィニッシュ。

 

さて、この本をお読みになるかどうかですが、私のオススメはこうです。

最初に問われている13のクイズにチャレンジしてみてください。

それで10程度正解できたら、この本を読んでも大して益はないでしょう。

彼が400頁近く掛けて啓蒙しようとしていることをあなたは既に知っています。

ちなみに私も(2、3の当てずっぽを含めて)10問正解しちゃいました。

それでも読み進めたのですが、案の定開眼を彷彿させるようなものはなかった。

決してこの本の内容が浅薄だと言っているのではありません。

10の要点はそれぞれ世界を観察する方法の一側面を紹介しています。

でもこれを書斎の本棚に並べるほどの価値があるかと言えば、

否だと思ってしまった。

 

どうしても目を通しておきたい方は、各章の最後の頁を開いて

「ファクトフルネスとは…」で始まる数行をお読みください。

それで大概事足ります。