この説教者による説教集は膨大な分量があります。

彼が関わった書籍だけで図書室が一室出来上がるかもしれません。

そして一冊一冊が決して安価なものではありません(決して苦情でなく)。

ただ先月、その中のマタイによる福音書の連続講解説教集がヤフオクに

出品されていました。4巻全部をまとめて入手出来ました。

それで早速読み始めた次第です。

 

彼のものに限らず、よく練られた説教はスラスラ読めるものではありません。

本書にはマタイ1〜6章8節までの説教が合計18本収められています。

必ずしも時系列通りに語られたものではないのですが、1970年代後半に

雪の下教会で語られたメッセージです。490頁に上りますが、一つの説教が

だいたい20頁前後、ゆっくり思索し祈りつつ読んで30分程度?

とても意義深いデボーションになりました。

 

残り2〜4巻も同様のペースで読み進めたいです。

加藤牧師の説教は、選び抜かれた文言で編まれています。

この先生が「説教は要約できない」と厳に教えなさるのには

自らの実践があります。

要約できる文言など説教にそもそもあってはならないのです。

ですから、彼の説教に刻まれるフレーズや言い回しには

多分に「引っ掛かる」ものがあります。

 

一例を挙げます。

例えばマタイ5章13〜16節について説教を語る中で、

地の塩について『底辺に向かう志』という文言を紹介しています。

同志社大学の卒業生留岡幸助氏がその実践者として取り上げられます。

そして『地の塩』がそういう方向に向く道だとして

会衆を、読者を招き入れるのです。

底辺に向かう志。

鋭く問われましたね。身の回りの、社会の、教会が立っている町の

暗黒面に立ち向かう志を育んでいるのか?

※留岡幸助氏は何度か再登場します、キー・キャラクターの1人のようです、はい。

 

小生にはどうやら収集癖があるようで、

シリーズものだとわかると、揃えたくなる。

でも、こと書籍についてそんな欲望を満たそうとすれば

書棚が大変なことになる。

加藤師の説教集はペースを大切に読んでいきます。

そうそう、地元の「説教塾」でも彼の『ヨハネによる福音書』から

少しずつ説教を分析しながら学んでいます。

 

ちなみにこの説教集は教文館から再販されていますから、

多分まだ購入可能だと思います。