赤壁の巻(つづき)

亡流/母子草(ははこぐさ)/宝剣/長坂橋(ちょうはんきょう)/一帆呉へ下る/

舌戦/火中の栗/酔計二花(ようけいにか)/大号令/殺地(さっち)の客/

狂瀾(きょうらん)/群英(ぐんえい)の会/陣中戯言なし/覆面の船団/

一竿翁(いっかんおう)/裏の裏/鳳雛(ほうすう)巣を出ず/竹冠(ちっかん)の友/

月烏賦(つきよがらすのうた)/鉄鎖(てっさ)の陣/孔明風を祈る

 

望蜀の巻(前半)

降参船/赤壁の大襲撃/山谷笑う/功なき関羽/一掴(いっかく)三城/白羽扇(びゃくうせん)/黄忠の矢/針鼠/柳眉剣簪(りゅうびけんさん)/鴛鴦陣(えんおうじん)/朝の月/凜々細腰(りんりんさいよう)の剣/周瑜・気死す/

文武競春/荊州往来/鳳雛(ほうすう)去る

 

この辺りは三国志を完読をしていない人でも

知っているかもしれないエピソード。

ジョン・ウー監督『レッドクリフ』(2008)

一躍ド派手な歴史スペクタクルに化けた物語!

このおかげで諸葛孔明が一気に人気キャラになったもんね。

 

でも5巻で一番魅力的なのは関羽じゃないだろうか。

赤壁で追い詰めた曹操にとどめを刺すことが出来ずに

逃しちゃうんだからね。

まあ、それを分かっていて敢えて

曹操が逃げる先に関羽を配置する

孔明と玄徳も中々の策士だけどね。

わたしゃ孔明よりも関羽推しかな。

 

周瑜の最期も切ない。

自分の限界を知って自ら最期を迎える男の哀れ

(しかも自死じゃないからね)

この男、ホント人間臭い。疑心暗鬼に優柔不断。

何度も玄徳を殺しておこうと策を練る。

そして結局失敗し、また後悔する。

そんなんだからまんまと孔明の策に嵌り、

そのまま死ぬことにする。この死生観。

 

俺もこうやって死ぬんだろうな。

もう自分にできることが限られていることが見えてきた。

しかもこれまで誉に見えたものの幻想も失せ、

この世は実にくだらない俗だと思い知った。

50代といえば三国志登場人物各位ももう先が見える時期。

ところが21世紀の悪夢は、50代がまだ人生半ばという悲劇。

しかもどんどん力が失われていく後半半世紀なんて

恐ろしくて仕方がない。周瑜の最期は妙に魅力的。

 

いよいよ第三勢力の『蜀』が舞台に登場。

だれがどのように攻め入ろうかというところに話は進む。

ある意味『三国志』はここからだよね。