「じんかん」という作品で今村さんを知ってから、数多くの今村さんの作品を読んできました。

 

今では今村さんが書かれた作品ということだけで、とりあえず読んでみるという状態にまでなりました。

そんな感じで読み始めた作品。
なかなかどうしての読み応え。

色々な考察がありとても楽しめましたが、感想を書くとなるととても難しい。
ですので、こちらの作品の直接の感想というよりは、ここで取り上げられている人物に対しての私の感想を書かせていただこうと思います。


第1章 織田信長――合理精神の権化:
→信長さんに関しての作品は色々と読んでますが、最近読んだ垣根さんの「信長の原理」は、私がこうであってほしいと思う信長公でした。
あと、万城目さんの「六月のぶりぶりぎっちょう」ででてくる信長さんもなんだか良かったな。

「是非に及ばず」がこれほど似合う人物は今後登場しないでしょう。


第2章 豊臣秀吉――陽キャの陰:
→秀吉公も色々と読んできましたね。
今すぐに思い出せる印象深い作品は、門井さんの「なぜ秀吉は」と北野さんの「首」でしょうか。
秀吉さんも信長さん同様に、大筋の人物像にずれはないですね。

ちなみにこちらの作品では北政所を「おね」と呼んでいるのですが、私は「ねね」の方がしっくりきます。
あと「ねね」さんで言えば、万城目さんの「とっぴんぱらりの風太郎」ででてくる「ねね」さんがとても魅力的です。


第3章 徳川家康――絶えざる変化の人:
→家康さんは、まだ記憶に新しい先の大河ドラマ「どうする家康」での家康公であってほしいなと。
瀬名と信康のことをずっと心に秘めて、戦なき世の中である元和偃武を成し遂げた家康公。

日光東照宮はいつ行っても素晴らしい。


第4章 武田信玄――厳しい条件をいかに生きるか:
→信玄公は新田さんのイメージしかほぼ持っていない気がします。
信玄公が様々な分野の人を放ち、水害や金脈といった内政に役立つことの情報を収集していたあの感じが好きです。

 

そういえば、その続編となる武田勝頼はまだ途中だったことを今思い出しました。


第5章 上杉謙信――軍神の栄光と心痛:
→そして謙信公。
こちらは海音寺さんの作品のイメージ。
信玄公が新田さんなら、謙信公は海音寺さん。
こちらもなんだかんだと、海音寺さんの謙信公のイメージを大きく変えてくれる情報に出会ったことはないです。

謙信公の作品よりも北条氏の作品を多く読んでいるので、私個人としては後継者問題に「if」を使ってみたいと感じます。


第6章 伊達政宗――成熟への歩み:
→政宗公への思い入れは司馬先生の「馬上少年を過ぐ」と漫画の「花の慶次」。
そして忘れてはならないあの当時の素晴らしい功績である、慶長遣欧使節を行ったこと。

「幸村を討て」での政宗公も良かったですね。


第7章 松永久秀――なぜ梟雄とされてきたか:
→こちらはいわずもがなの「じんかん」は最高でした。
じんかんで今村さんを知り、じんかんで松永さんに真剣に向き合いました。

ここでは「じんかん」の外伝もしくはスピンオフを企画している、との嬉しい情報が書かれておりました。


第8章 石田三成――義を貫く生き方:
→こちらも今村さんの「八本目の槍」。
三成さんはこうであってほしい、のすべてがここに収められておりました。

あとは「関ヶ原」という映画の岡田さん演じる三成さんも良かったです。
ただあの映画は家康役の役所さんも秀逸でした。




以上です。