隠蔽捜査シリーズの第10弾。
早いものでもう10作目なんだそうです。

この題名の元にもなったあの長男さんは今いくつになったのだろうと、ふと読む前に思った私がこちらの作品を読み終えましたので、感想を残しておきたいと思います。

そんな感じで読み始めてみたところ、偶然にもその長男さんの話題から始まるのですから、なんだかとても幸先のいい読み出し。
その後読んでいくうちに長男さんの年齢ではなく、今現在なにをしているかがわかり、それにともない大体の年齢もわかりました。

そんな感じで情報を入れていくと、ちょうど1年前に読んだこのシリーズの9.5という作品で、たしか長男さんが主人公だった作品があったことを思い出した。
といった感じで、今回の作品の情報で色々と思い出すこともできました。

そしてまた、私も私なりに、この親子のやり取りを題材に色々と考えてみようと思いました。

といった感じで読んでも見た作品ですが、もちろんこの作品の本題はこのような話ではありません。
現在神奈川県警の刑事部長である主人公が、今回はどのような事件に、どのように接していくのかというところの話となります。

やはりいろいろと魅力が多いこちらの作品のなかでも際立つ魅力の一つだと思っている、竜崎さんの人への接し方、物事の捉え方とでもいいましょうか。
今回も色々と、面白可笑しく学ばさせていただきました。

さらに今回はなんと伝家の宝刀「武士の情け」が飛び出しました。
これはとても印象に残るワンシーンでした。

 

そしてやはり「あの方」とのやり取りは今回もばっちりでした。
色々ありますが、「時間というのは、つくるものだぜ」にはしびれました。

そんなこちらの作品は、物語の展開上「小説」について詳しく語られる場面があります。
これぞ小説家の真骨頂だろうといった内容で、ある意味内部事情を知れて面白く、ある意味内輪ネタで盛り上がってんな、みたいな表現がつづきます。

それこそ竜崎さんではないですが、「そうなんですね」。
ぐらいしか相槌がうてないようなが続く中、「純文学」や「私小説」などの表現と、それ等に関する解釈を竜崎さんを通じてやり取りされるのが、とても楽しく読むことができました。

いわく「純文学」以外は「不純文学」なのかと
いわく「私小説」は「日記」みたいなものなのではと
いわく「エンタメ小説」の「エンタメ」とはどういう意味なのかと

今までこのあたりをなんとなくとしか認識していなかった読者だったもので、さらに楽しめたのかもしれません。
これにあと「ラノベ」というジャンルのこともあったらなおよかったのですが、それは別の機会にとっておきたいと思います。

あとこの作品の舞台となった小田原で売っている、天んぐ饅頭ならぬ「下駄饅頭」についてのことを書かせていただきましょう。

 

この「下駄饅頭」、私が今まで食べたお饅頭のなかでは、一番おいしいと思えるほどの美味しさ。

 

 

知り合いが実家に帰省するたびにお土産でいただくのですが、これがまた本当に美味しい。
いつからか知り合いの親が子供たちの帰省を心待ちにしているぐらい、知り合いが帰省するのを心待ちにしております。
それぐらい、おいしいお饅頭。

を最後の言葉とさせていただき、こちらの感想を終わりにさせていただきます。



以上です。