芦沢さんの作品を出版順に読み始めて8作目となるこちらの作品。
この作品の前に読んだ「獏の耳たぶ」には度肝を抜かれたことをまだ鮮明に覚えていながら、こちらの作品をよんでみましたので感想を書いておこうと思います。

序幕:
序幕とあるので数ページかと思っていたら、そこそこなページ数で驚いてしまいました。
そんなような読み方をしていたものもあり、初めのうちは内容があまり入ってきませんでした。

自分でも初めて気づいたのですが、序幕であるとか初めにみたいな箇所は、そのような読み方、つまりささっと読んではやく本編に、みたいな読み方をしていたんだなと。
完全に私のわがままとなりますが、ここを第一幕としていただけたらどんなに良かったかと。


第一幕 息子の親友:
長すぎた序幕を終えて始まる第一幕。
ちょっと読みづかれてもいましたし、序幕にはまってきてもいたので、なんだこれはと序幕に続き相性の悪い読み始め。

ただそれは私が勝手に思っているだけのことですので、目の前のことに集中しようと、私も自分の子供たちが小さかった頃を思い出し、物語の中に入っていきました。
そうするとあら不思議。
なんか嫌な感じだなと思っていた物語がこうやって展開されていくのかと。

是非とも機会があれば多くの人の目に触れてほしいと思った逸品。


第二幕 始まるまで、あと五分:
これも始めが難しかった。
いやこれは実際最後の最後まで難しかった。

色々な意味でこういう事ってあるのかなと、あるのでしょうねと。


第三幕 舞台裏の覚悟:
これは最初から面白かったですね。
作中、この作品だけは「序幕」があって良かったなと感じました。
ただ、「序幕」の内容が効きすぎてしまい、ここでの覚悟を食ってしまった気もします。


第四幕 千賀稚子にはかなわない:
これを理解するには私にはちょっと作品が短すぎる気がしました。
稚子さんも主人公もいまいちつかみきれませんでした。


終幕:
なんともコメントのしづらい、とても無理やり感を感じてしまったこちらの作品。
ということでこんな感じの感想で。


カーテン・コール:
単行本で読んだので、表紙の裏側に書かれてました。
そして私は「カーテン・コール」という言葉を聞いたことある気がするけど、知らなかったので調べてみました。

そうすると、
「歌手・バレエダンサー・俳優、指揮者・演出家が舞台上に現れて観客に挨拶することをいう。」
とWikiに書かれていたのですが、この作品ではそういう意味だったのかなと、疑問の残る終わり方でした。




以上です。