こちら西日本と東日本を同時発売してくれた戦国武将伝。
作品名から宮城谷さんの作品と想像してしまいますが、今村さんの作品です。

まずは西日本編を読み終えましたので、その感想をせっかくなので武将ごとに書いてみたいと思います。

十五本の矢-毛利元就 広島県-
→元就さんをはじめ毛利家はとても有名だと思ってますが、私個人としては元就視点の作品は今まで読んだことありません。
黒沢明監督の作品の影響でだと思うのですが「三本の矢」というのはなんとなく知った気でいました。

そしてここで語られるのは「三本の矢」ではなく「十五本の矢」。
それはいったいなぜなのか、答えはここに。。。


謀聖の贄-尼子経久 島根県-
→稲田さんの「少年騎馬遊撃隊」という作品の相手側の武将としてなんとなく知ってました。
あの作品のイメージでは毛利家に難癖付けられて滅ぼされたみたいな印象を受けてました。

そして今回のこちらでは、私の方で特に付け足すことはございません。


帰らせろ-大内義興 山口県-
→大内家は聞いたことはありますが、この方は知りませんでした。

それにしても足利将軍というのは、色々な方々に迷惑をかけた存在だったのだなという感想になってしまいました。


九兵衛の再縁-松永久秀 奈良県-
→知ってました。そして今村さんの「じんかん」を読んでから全く違う目で見るようになりました。
つい先日も垣根さんの「信長の原理」でもいい感じで描かれておりました。

そしてここで語られている「久兵衛」もとても良いです。
「じんかん」をもう一度読みたくなります。


老軀、翔ける-龍造寺家兼 佐賀県-
→龍造寺家は聞いたことはありますが、この方は知りませんでした。

そしてびっくりな内容、長寿だけでも驚きなのにさらに戦にでるとは。
別途龍造寺家兼殿のことは調べてみようと思います。


宇喜多の双弾-宇喜多直家 岡山県-
→「宇喜多の捨て嫁」の作品で存じ上げておりました。

こちらは鉄砲に腕にたけた心熱き兄弟の物語。
こんな兄のようになりたい。


四杯目の茶-石田三成 滋賀県-
→今村さんの「八本目の槍」やその他もろもろで存じ上げておりますし、私は大好きです。

この四杯目のお茶に私はしびれました。
おそらく全米もしびれるのではないかと思いました。


雷神の皮-戸次道雪 大分県-
→赤神さんの「立花三将伝」という作品で存じ上げておりました。

と思っていたのですが、雷に打たれていたとか足がなえていただとかを知らなかったので、全然知らなかったのだなと。


何のための太刀-北畠具教 三重県-
→北畠家は聞いたことはありますが、この方は知りませんでした。
たしか北畠家は垣根さんの「極楽征夷大将軍」では南朝側の武将として描かれてました

そしてここで語られることを読んだ今でもいまいちわかった感がありません。


未完なり-黒田官兵衛 兵庫県-
→「播磨灘物語」やその他もろもろの作品で存じ上げておりましたし、超がついてもいいぐらいの有名人だと思います。

こんな官兵衛殿もまた良し。
「大抵の者は完璧なぞもとめても出来ぬ。それでも前に進むしかないのだ。」


夢はあれども-亀井茲矩 鳥取県-
→今回初めて知りました。

全く知らなかった物語、戦国ものなのに読み終えて心温まりました
これは大河ドラマになりうるのではないかと。


泥水も美味し-伊東祐兵 宮崎県-
→今回初めて知りました。

こちらも全く知りませんでしたが、亀井茲矩殿と同じく秀吉公ゆかりの方。
泥水も美味と思える心境とはどのようなものか、その答えはここに。


海と空の戦士-有馬晴信 長崎県-
→なんだか伴天連、キリシタン大名というイメージはありました。

そしてここで語られている主人公は戦で大砲を撃ったとされる人物。
この着眼点と着想にうなります。


小賢しい小姓たちよ-加藤清正 熊本県-
→7本槍、朝鮮出兵、熊本城といった印象を持っておりました。

これはもう今村さんの「八本目の槍」。
思い出すだけでもほんのりと涙ができます。


孫一と蛍-雑賀孫一 和歌山県-
→大阪城にこもった鉄砲集団みたいなイメージはありました。

あの信長公を狙撃した凄腕の鉄砲使い。
そしてここに描かれるのは凄腕のその後の人生。
とても良い終わり方だと思いました。


旅人の家-足利義昭 京都府-
→言わずと知れた室町幕府第15代将軍。

ここには私が知らなかった室町幕府最後の将軍がおりました。
先日「極楽征夷大将軍」という作品で初代を読んだばかりなので、ちょうどいいタイミングで始まりと終わりが

 


土を知る天下人-豊臣秀吉 大阪府-
→知る知らないを超越した偉人中の偉人。

この物語もすごくいいです。
すごくいい面の秀吉公の話。

今回の作品で一番良かった話は?
ともし聞かれたら私はこれにします。

あとやはり秀長公がもう少し長生きしてくれたらなと改めて感じました。


三好の舳-十河存保 香川県-
→今回初めて知りました。

三好元長公の次男である三好実休の次男で、のちにその弟である十河一存の養子となり十河存保へとなり、名前は違えど三好家のために香川で孤軍奮闘。
隣を見れば四国の虎、長宗我部元親海の向こうは第六天魔王。
しかしながらもなんとも生き延びてかつての仇敵と手を組み戦に臨む。。。


土佐の土産-長宗我部元親 高知県-
→司馬さんの「夏草の賦」の主人公。そのイメージでおりました。

この話も良い。
秀吉公のすごくいい面がでているときの話。
お饅頭を持って現れる秀吉公、それを一口食べて懐にしまう元親公。
ともに歴史に名を刻むわけです。


証を残す日々-加藤嘉明 愛媛県-
→なんだか知っているような気もしますが、続く愛媛県というイメージは全くない方。

愛媛のイメージ全くないとか書いて申し訳ございませんでした。
しかも「八本目の槍」のあの孫六かだったか~
あんなに感動した作品の孫六をすっかり忘れていた自分にがっかりです。

それを除けば最高の物語。
松山城に行きたくなります。

ちなみに私が松山城に行った時には、リフトの下になんだか心に刺さる標語みたいなものがたくさん書いてあり、
それを読んでいた奥様がリフトから降りて号泣していたことを思い出しました。


怪しく陽気な者たちと-島津義弘 鹿児島県-
→関ケ原関連の作品で接することが多いのでなんとなく知った気でいますが、彼を主人公とした作品は読んだことないと思います。
島津家は戦国よりも幕末に特別感を感じます。

この話はすごくいいです。
いい意味で又兵衛違いの又兵衛さんの物語。
義弘公及び薩摩の方々に惚れてしまいそうです。


三坪の浜の約束-謝名利山 沖縄県-
→今回初めて知りました。

同じ日本人としてこの琉球からの視点に関してはいつも何とも言えない気持ちになります。

 

そしてやはり「手(てい)」これで薩摩藩士に臨む姿はいつ見ても力強くてもの悲しい。

 


古狸と孫-蜂須賀家政 徳島県-
→蜂須賀家は聞いたことはありますが、この方を知っていたかといえば知りませんでした。

へぇーこんな出世されたんだと思っていたのもつかの間、こんな感動話が隠されていたとは。

 

私はあそこで勝負をしかけることができたかな

私はあそこで江戸に帰る事ができたかな



立花の家風-立花宗茂 福岡県-
→「塞王の楯」や「立花三将伝」という作品で存じ上げておりました。
父や養父との関係そして関ケ原前夜、そしてその後。

私は関ケ原前夜まではなんとか知った気でいましたが、その後はそうだったのかと。

 

Wikiにはこうあります。

「関ヶ原の戦いで改易後、大名として復帰した武将は他にもいるが、旧領を回復した武将は宗茂ただ一人である」

その神髄がここにはありました。

 

 

 

以上です。