直木賞の候補作になっておりましたので読んでみようと思いました。
そして作者名では気づけなかったのですが、あの「13階段」を書かれた高野さんだったことを読み始めて気づきました。
たしかあれば死刑台にあがるまでの段数だったような気もしますが、読んだことあるなぐらいですっかりと忘れておったことを思い出しました。
そしてその高野さんのこちらの作品である「踏切の幽霊」。
凄いですね、表紙にもうっすらとしながらもしっかりと写ってます踏切の幽霊。
この物語は電車の運転手さんの視点で始まります。
私は知り合いにこの手の方がいないので、今まで想像もしたことなかったですが、運転手視点で考えた場合、飛び込まれるともうどうしようもないし、それこそその瞬間をしっかりと見えてしまうよなと。
更に言うとそれなりの頻度で発生するとしたら、その頻度で起きない場合はそろそろかな、なんてことを考えてしまうよなと。
今さらながら運転手さんたちの大変さを少しだけ感じ取れたような気がします。
また、最近私が手にする作品に多いのですが、ちょっとだけ古い時代の中の作品であることが多いのですが、こちらもそんな感じでした。
バブルがはじけたちょっと後の時代の90年代。
時はポケベルから携帯電話に移行するかしないか、まだWebの波が大きく来ているわけではないのですが、紙の媒体の売れ行きがさがってきたそんな時代の記者さんが主人公のお話しでした。
この辺りの時代は作者さんたちにとって書きやすい時代なんでしょうかね。
たしかに今はスマホ、AI、アバター、そして宇宙となかなかつかみどころのない、感情の持って行き方が難しい時代なので、なんとなく今より不便だけど、あの当時はその不便さを快適と思っていた時代が書き手も読み手も丁度いいあんばいなのかと。
なんて感じの作品。
最後まで読みましたが、ちょっと最後の最後までハマることができませんでした。
どの方向(幽霊、超常現象、事件記者、雑誌記者、警察との関係、政治家との関係)
に対しても違和感が残るような、ちょっと消化不良な作品でした。
ただロマンスカーの先頭車両には是非とも乗ってみたいな、と感じたことは書き残しておきたいと思います。
以上です。