こんな気持ちで源平合戦に接したことはありませんでした。
この事はまず伝えたいと思いました。

やはり源平合戦は源氏側が勝つんです。
そしてその合戦で負けるのは平氏なんです。

一ノ谷、屋島、そして壇之浦の戦い。

源氏側でしか考えたことがない私には、ここには本来考えねばならなかった全てがありました。

源氏側でしか考えることができなかった私には、1ページ1ページをめくる心苦しさがここにありました。

レベルは違えど「蒼天航路」という曹操が主人公の漫画を読んで、この視点の曹操を知ったぐらいの衝撃です。

そしてその後その曹操に魅了されてから迎える「赤壁の戦い」のような心境と申しましょうか。
あの今まであの諸葛孔明側でしか見ようともしなかったあの赤壁の戦いを、私の中の主人公曹操がどのように受け止めるのか。

そんな感じで描かれる一ノ谷を始めとした負け戦。
これもしっかりと描かれます。

義経視点でしか見ていなかったあの一の谷の逆落とし。
そして屋島の合戦での那須与一の伝説。

それらの出来事をここまで読みこんでとても愛着がわいている我々の主人公が受けるんです。

思い返せば関ヶ原の相手側である石田三成の「八本目の槍」
日本史上の悪人とも国下剋上三悪人ともいわれる松永久秀の「じんかん」
そして大阪の陣の最大の敗者または勝者ともいえる真田幸村の「幸村を討て」

どれも同じような視点を私にくれた作品ばかりでした。

これらの作品に並ぶとも劣らないこちら平知盛の「茜唄」。
読むことができて私は幸せです。

ちなみにこの作品が大河ドラマに選ばれたとしたらこんな感じでいかがでしょうか。

主人公の知盛には竹野内豊さん。
その奥方には長澤まさみさん。
教経には反町隆史さん。

そこは長澤さんでなくて広末さんであれ、と思われる方もいるかと思いますが、ごめんなさい私はビーチボーイズを知っていますが見たことがないんです。

義経にはまた菅田将暉さんにお願いしましょう。
それどころか源氏側は鎌倉殿の方々にそのままお願いしましょう。

そうすることでより逆側視点を際立たせることが出来るように思いますし。

そして清盛公は「こんばんは、徳川家康です。」
でお馴染みの北大路欣也さんに是非ともお願いして欲しいです。

そして毎回のオープニングには「こんばんは、平清盛です。」と登場してもらいましょう。


なんて感じで感想を終えようとしておりますが、本当に感動させていただきました。

一の谷の裏に隠された「真」のやり取り、
屋島、那須与一の伝説に込められた「真」の意図、
壇ノ浦の八艘飛びを行った「真」の理由とは。

読めて本当に良かったです。




以上です。