日本に行く事は諦めても良いけれど、もう一つ問題が残っていました。 それは野良猫のクロちゃん。 もし家猫を飼うのなら、もう野良猫を家に入れるわけにないかなくなります。 クロちゃんは狂犬病の注射を打っていないし、何よりも外からノミを持ってきます。 クロちゃんにも薬は使っていたけどやはり外猫のノミを完全に除去することは難しく、ノミの活動時期の夏は毎年みんなの足が噛まれて酷いことになっていたので、家猫に移されたら大変です。 なので、「クロちゃんをもう家に入れないけど良いか?」「そしたらもうクロちゃんは戻ってこなくなるかもしれないけど良いか?」と聞くと、次女は「クロちゃんは今でも来たり来なかったりだし、もうそんな状態は嫌だ」と言いました。

 

夫にも意見を聞いてみると、彼は小さい時から大体家に猫がいた状態で育ってきたし、今でも実家には猫がいて、今はクロちゃんをとても可愛がっているけれども、概ね次女と同じ意見でした。 息子と長女の意見は、そのうち家を出る可能性が高いからそれ程重要ではないので、あとは私のクロちゃんに対する切ない感情の処理のみになりました。

 

私は自分を納得させる為に、とりあえずクロちゃんが安全に眠れる場所とご飯が食べられる場所があれば良い、と考えました。 そして玄関先のスペースに小さい箪笥を置いて風よけを作り、一番風が来ない場所に椅子を置いて、その上に今までクロちゃんが使っていた布団を乗せてベッドにし、箪笥にご飯をしまえるようにしました。 すると、怪我の功名か、その箪笥にあまり使わない靴を入れたり玄関前に置かれている庭いじりの道具を入れられたりして、以前よりも玄関周りがすっきりして良い感じになり、私の心も新しい猫を迎え入れる体制に整いました。