こんにちは
ソルトコーディネーターの青山志穂です
地域特有の食材にベストな塩を見つけ出して、その食材がより輝けるようにすること。
ソルトコーディネーターとして、とても大事かつ楽しい活動だと思っています。
みなさま、天草大王ってご存知ですか?
一度は絶滅の危機に瀕したものの、多くの方の努力で復活を遂げた、天草にしかいない地鶏だそうです。
今回、天草でこの天草大王を肥育されている冨山 晋さんから、「天草大王に相性の良い塩はどれか」というありがたいお問い合わせと丁寧に解体された大王をいただいたので、塩といろいろ合わせてみました。
まずはシンプルに焼き上げたものと、水炊きに。
歯応えもあるので噛んでいる時間が普通の鶏よりも長く、噛むほどに飛び出してくる濃厚なうまみ。余韻が長くてずっとお口が幸せです。
焼いた時と炊いた時の肉質や味の感じ方の変化も面白い。
私は別に肉の専門家ではないですが、
「本来持つ特性をいじられることもなく、たくさん運動させてもらいながら、よいエサを食べて、ストレスなく幸せに育てられた」肉に共通するニュアンスを感じました。
苦味も臭みも、意図的に作られた変な柔らかさも、妙に脂が多いとか、そういうネガティブ要素がひとつもなくて。
さて、こうなると難しいのが、塩選び。
一般的に鶏肉に合わせる塩だと、比較的立ち上がりが遅い&たんぱくなうまみや、鶏特有の脂の香りに合わせて塩を選ぶのですが、それだと大王を支えきれなかったり、良さを引き出しきれないので、いつもとは違う視点で選びました。
いくつかは思惑通り、大王を最高に引き立てる「女王」の塩を見つけました。
いくつかはまあまあ、いくつかは外れ。悪いところが隠れていないので、ハズレの塩を使ってしまってもマズくはならないのですが、やっぱり美味しさが引き立ちきらないのでもったいない。
天草大王専用塩のブレンドもなんとなく方向性が掴めたので、素晴らしい鶏肉の御礼に、セレクトしたお塩とブレンド塩をお送りしようと思います。