8月ももうすぐ終わりますね。今月はお盆前に1つだけ、観劇をしました。その他は夏の酷暑と仕事の繁忙期に嫌気が差すようなそんな1ヶ月を過ごして参りました。はやく過ごしやすい秋が来てほしいものです………え?二季だって?春と秋が無くなるなんて断じて認めないぞぉ!私は!!
コホン…
劇団日々 夏雲奇峰の回
『彼ハ誰の駅』
観てきました〜![]()

今回も会場が田原町ミューズということで。人気ですね〜ミューズ。今回、日々さんは全3回公演。山の日を含めたお盆前半の3連休に全夜公演での上演でした。私が観に行ったのは初日の土曜日。お昼のミューズも素敵ですが、夜のミューズはもっと素敵
ガラス窓越しの路面電車と田原周辺の街並みにプラス映える色鮮やかな照明
今回の題材が夜の駅を舞台としていることから空間作りもバッチリな印象でした。ちなみに夜のガラス張りは(私はあまり感じた事ないけど)観劇中に自分やお客さんの表情とご対面らしく…まぁ、鏡のようになってしまうわけですね、それを抑えるためにロールカーテンは全開でなく、所々下げて或いは下げる位置もバラバラにしたとの事。これは日々の演出さんが直近で観たお芝居から着想を得たそうですよ![]()
とある駅で電車を待つ主人公の女の子が自分の祖父と、そこにやってきた3組のそれぞれの人生を見ていく中で、自分の生き方や他人との関わり方について考え、立ち向かわざるを得ないようなそんなお話。“彼ハ誰の駅”とは“彼は誰時”を表していて、“まだ薄暗くて人の物事や顔などがはっきりと見分けられない朝方の時間帯”を意味するそう。つまりこの意味合いでの駅なので、自分のことをまだはっきり思い出せない主人公が、駅に来る知らない人たちを通して、色々と思い出していく……簡単に言えばそんな感じでしょうか。この芝居での駅は、亡くなった人を先に亡くなった家族や親族が迎えに来る駅という扱いでした。そして久しぶりに再会できた彼らは迎えにきた電車に乗ってあの世へと旅立っていく。しかし、主人公には一向に迎えの電車はやって来ない。なんででしょう?という話。
私は、愛読している漫画の影響で“黄泉行きバス”の話は知っていましたが、駅そして電車というのは少し新鮮でした。
駅にやってくる④主人公を除いた3組、①生まれることができなかったひ孫娘と曽祖父、②両親と生涯隠してきたトランスジェンダーの息子、③盲目の男性と老衰した盲導犬と家出した父親。
①ひ孫が元気!ひぃじいちゃんが戦時中の人だったというのはパッと見でわかった、服装だけでなく言葉遣いも。ひ孫、一見女子高生ぽいけど実は産まれる前に死んだ。それなのに「バンドしようぜ〜!」と自分のひぃじいちゃんに屈託のない元気を分けられるのは単純に元気なだけなのか、産まれることが出来なかったからこその空元気なのか![]()
②普通の両親、ていうか演技上手いなぁ。自然だしネタ的発言もしっかり笑いを得ている。流石過ぎます。息子、性格は生前の生真面目さを残しつつお淑やかで、服装は憧れの可愛いのを身に纏っているのにそれに収まらないガタイの良さ。その目に見えてわかりやすいギャップがもう面白い。真っ当で後悔のない人生を歩んできたからこそ、あの世ではありのままの姿で自分に正直に過ごして欲しいと思った![]()
③白杖の登場で盲目だと判明。お付きの人は盲導犬だったのね。感情の起伏が激しくて元気で悪い奴にはとことん噛みつくけど、かなり主人想いの恩返し心と寄り添う心の強い逞しい相棒だった。父親は偉そうに入ってくるも父親なりの不安や葛藤を抱えていた描写が途中から見え始める。最後、開眼したのは大きな一歩だった。あの世では自分のなりたい姿になれるというのが1番詰まっていた組だと思った![]()
④2人共ただの案内人という立ち位置なだけかなと思ってた。そうじゃない、3組を見届けたからこそ主人公の真意と電車が来ない理由が最後に明かされる。人生を諦めて途中放棄した、リタイアした、自殺した。そんな彼女だからこそ迎えが来ない。それはきっとあの世のお偉いさん(まぁこの芝居では曽祖父がその立ち位置かな?)に死を認めてもらえていない状況だったのだろう。最後、現世に戻ったという事は身体は瀕死の状態だったのだろう。終始強気な彼女だったけど、自分の人生からは目を背けて諦めてしまっていたなんて切ないねぇ。死んでも楽になれない。辛い現実を乗り越えながら真っ当に生きていけば、いつか駅に行く頃には全て報われるのだ。諦めてしまったら何も無くなってしまう。
泣きながらも現世に戻っていく彼女にはこれから先の長い人生、たくさん辛いことが降りかかるだろうし何度も死にたいと思うだろうけど、強く生きて欲しいと思う。
昨今、人生をリタイアしてしまうひとは年々増加しているらしい。SNSや社会的格差の影響もあってか鬱になる人も増えているらしい。私も時たま心弱々になる事があるけど、今回のお芝居を観て勇気が貰えました。
人の生き様を見て。優しさに触れて。
お芝居を観て。大好きな動画や趣味を楽しんで。
人生ヤなこともたくさんあるけど、病気になって気が滅入ることもあるけど、
みんな決して諦めずに最後まで逞しく生きて欲しい。
そしていつか自分を迎えに来る人と電車が来る時には、彼ハ誰駅に行けますように。


