先日、片町にお芝居を観に行ってきました。

1つ前の記事にまとめてある公演です。11時〜と14時〜の回。2本連続で観るけど、間は一旦退出しなければならない。

丁度お昼時というのもあり、お昼はどこで食べようかな〜と片町近辺をぶらぶら。目的の店はあったが、楽しみはあとに取っておく太刀な私。とりあえず、中央公園(会場から徒歩10分程度)で開催しているSUSURUラーメンフェスを見に行く。



いや、人多すぎ〜!!!


元々そこで食べる予定は無かったが流石のGW、恐ろしや………。最大で1時間半待ちのテントもあったとかなんとか。

とりあえずラーメンフェスの人混みと音漏れBGMを横目に片町に戻る。

そして、本当の目的地へと。





珈琲専門店

珈琲所


自劇団であるあまつるが片町で公演を打った際に見つけたずっと気になっていたお店。いつか機会があれば行こうと思っていたものの、日中の片町に用事があるのがいつも日曜日だったりするので、行くに行けなかったお店。日曜日のみ定休日との事。

この日は祝日だが、月曜日であったため営業していた。ドキドキしながらドアをくぐる。


中はカウンター席のみ。レトロな雰囲気が漂う店内で高齢のマスター(おじいさま)が出迎えてくれた。尚、写真は撮っていないので気になる人はググるか自分で行ってみてほしい。

メニュー表には色々明記してあったが「コーヒーでいい?」と言われたため、そのままコーヒーを注文。

店外に“インドカレーの店”と明記があったものの、店内のメニュー表には明記が無かったためマスターに尋ねると、昔、奥さんが作って提供していたが今は病気して亡くなってしまったため提供していないとの事。もう3年前の話らしい。

フードは、サンドイッチ、焼きサンド、トーストが明記されており、そのほとんどを奥さんが担当していたらしいが、今はご主人が1人で経営されているので歳と手間の関係で、サンドイッチも辞めてしまったそう。という事で、焼きサンドを注文した。ハムサンドに追加料金でゆで卵も挟んでもらえた。




味は……


すごく美味しかったお願いラブラブラブラブ


焼きサンドにはレタス、ハム、ゆで卵、きゅうりに加え、からしマヨネーズが使われていて、素朴な味わいにツンとした辛さが絶妙にマッチしている。味足りなかったら塩どうぞ、と言われたが全然無しで食べれる美味しさ。それなりにずっしりしていてちゃんとお腹いっぱいになった。

コーヒーは、私は基本的にブラックは追い込まれた時しか飲めないので、一応ミルクを注文した。どこのお店においても出来るだけ本来の味を確かめるために一口はブラックで飲んでみるようにしているのと、あと、マスターが「コーヒーはブラックでなくちゃ。甘いのを入れる人もいるけど、ブラック本来の味が損なわれるからおすすめはしない。」と、コーヒー好き特有の語りを入れてきたので(けなしてません汗うさぎ)、まずは一口。


……おいしい。


香豊かな風味にコクがありつつさっぱりした味わい。全然飲める。むしろミルク要らなかったわ。結局全部ブラックで飲み切りましたコーヒー


お店での滞在時間は1時間くらい。本来、コーヒーチェーン店などに行くとスマホとお友達になりがちだが、珈琲所にいる間はずっとマスターと喋っていた気がする。


マスターはここ、福井の片町でお店を開いて今年で53年。30歳で開業、御年83歳ということになる。夫婦で経営していたが奥さんを3年前に病気で亡くして以来、1人で経営している。もともと提供していたカレーは本場のシェフに習ったこだわりの一品だったらしい。珈琲は豆からの焙煎。カウンター越しにその場で挽くのでもちろん香りが良い。高齢ながらも時間をかけて作ってくれる焼きサンドに待っている時間もウキウキ。残ったコーヒーは自分用に入れ、隣で飲みながらお客さんと会話をする。

片町の栄光時代、福井駅前の変化、新幹線の話、ご主人の経歴、地元の話など色々。話は尽きない。とても話しやすい気さくなマスターだった。


久しぶりに昔ながらの純喫茶に行ったけど、この距離が近い感じがなんか良いなぁと思いました。近所の人たちが集まって何気ない日常の一部にこういったお店は存在してきたのだろう。だからこそ長く愛されて営業できているのだろう。その地で開業して営業してきた長い間、きっとたくさんの人々と関わり、街や時代の変化を見てきたのだろう。たった24年しか生きていない私にはわからないけど。

なかなか純喫茶に行く機会は少ない。よく行くチェーン店もおしゃれでメニューが豊富で良いけど、たまにこういうところに足を運んで人の情に触れるのも悪くない。ちょっとした非日常感的な?



だいぶご高齢なのと跡継ぎがいないのとで、お店もあと何年続けられるかわからないとのこと。

片町にひっそり佇むこじんまりとした珈琲所。ぜひ見かけたら立ち寄ってみてほしい。本当に行って良かったお店の一つだった。次はコーヒー好きの母と兄と一緒に来たいと思った。近いうちに、ね。