ヘラルドヤッコは黄色一食の体色が美しい小型のヤッコです。ヘラルドヤッコは丈夫で飼育も簡単、小型ヤッコの中でも飼育の難易度が低いので、海水魚の飼育が初心者の人でも、基本的な知識や注意点にさえ気をつければ、問題なく飼育できるでしょう。
サンゴを突くことがあるので、サンゴ水槽での飼育は控えた方が良いでしょう。
サンゴを突くことがあるので、サンゴ水槽での飼育は控えた方が良いでしょう。
今回はヘラルドヤッコの特徴、飼育方法について紹介します。
ヘラルドヤッコの生態と特徴
分布:
全長:8cm
寿命:5〜6年
水槽:45cm水槽以上
水温:24〜26℃
水質:8.0〜8.5PH
性格: 温和
混泳: 可能、サンゴ水槽での飼育は不可
ヘラルドヤッコはケントロピーゲ属の小型ヤッコで、全身真っ黄色の体色が特徴です。全長8cmと小型であり、小型ヤッコの中でも丈夫で飼育も簡単。人工飼料もよく食べるので、海水魚飼育が初心者の人でも基本さえできていれば、問題なく飼育できる難易度と言えるでしょう。
十分な水槽スペースを確保して、ライブロックで隠れ家を組めばクマノミなどの小魚や、ハギ類との混泳も可能です。サンゴは突くので基本的にはサンゴ水槽での飼育はできません。突かれる前提で大型のサンゴ水槽に入れる人もいますけどね。
ヘラルドヤッコとよく似た海水魚に「レモンピールエンゼル」と言う魚がいますが、レモンピールエンゼルは販売価格が6000〜7000円と高価です。
入手方法
ヘラルドヤッコはポピュラーな種類なので、海水魚を扱っている熱帯魚ショップや、ネット通販でも購入することができます。丈夫な魚なので、最初から弱っていない限りは、輸送で状態が悪くなる事もあまりないようです。
ネット通販でヘラルドヤッコを購入する場合の注意点として、購入するショップで与えているエサを事前に聞いた方が良いでしょう。ヘラルドヤッコは環境が変わると、水槽環境に慣れるまでエサを食べなくなったり、拒食することがあります。
ショップで与えていた物と同じエサを与えれば、早く新しい環境に慣れてエサを食べるようになりますよ。
価格
ヘラルドヤッコの販売価格は実店舗で1500〜2000円、ネットショップだと1000〜1500円くらいになります。
外見がよく似ているレモンピールエンゼルの5000〜7000円に比べると、ヘラルドヤッコの価格は非常に安価と言えますね。
飼育費用
ヘラルドヤッコは45cm水槽から飼育できるので、飼育設備の費用は2〜3万円以内に収まります。夏場には水槽用クーラーが必要なので追加で数万円の費用が必要です。
ヘラルドヤッコの飼育方法
水槽
ヘラルドヤッコの大きさは8cmと小型なので、45cm水槽があれば飼育が可能です。45cm水槽ならヘラルドヤッコ1匹と、カクレクマノミやハタタテハゼ1匹づつの、合計3匹の小魚なら混泳できるでしょう。
5〜6匹の魚と混泳させたいなら、60cm水槽を購入するのがおすすめです。
キイロハギやナンヨウハギと言った中型魚と混泳させたいなら、最低限90cm水槽は用意しないといけません。
濾過フィルターは濾過能力の高い上部式フィルターか外部式フィルターがおすすめです。予算に余裕があるなら、オーバーフロー水槽で飼育設備を用意するのも良いでしょう。
プロテインスキマー
プロテインスキマーとは、微細な泡の力を利用して水中のタンパク質や細かな汚れを取り除く装置です。タンパク質や、フンや餌のカスと言った汚れは、バクテリアに分解されて、最終的に硝酸塩になるので、プロテインスキマーを取り付けると硝酸塩の蓄積が緩やかになります。
魚水槽ではフィルターとは異なり、あくまで濾過の補助が目的で、水質の悪化を抑えることができます。予算に余裕があるならプロテインスキマーを導入すると、より良い飼育環境が整えられますよ。
混泳
ヘラルドヤッコはヤッコの仲間だけあって、やはり気が強い性格なので、ヘラルドヤッコより小さな魚と混泳させるなら、ライブロックで隠れ家を組むようにして下さい。
カクレクマノミやスズメダイ系は大丈夫ですが、ハタタテハゼの様に大人しい魚や、色が似ている魚は攻撃されやすい傾向にあります。
ヘラルドヤッコより大きく大人しいハギは良い混泳相手になりますが、特にナンヨウハギやニジハギは大きくなるので90cm水槽が必要になります。
逆に自分より大きく気が強い魚には打たれ弱い傾向にあるので、ヘラルドヤッコがストレスを溜めない様によく観察してください。
小魚も大型魚との混泳も、基本的にライブロックのシェルターがあれば大丈夫だとは思います。
ヘラルドヤッコ同士の混泳
ヘラルドヤッコ同士の混泳は難しいと考えてください。120cm水槽以上広い水槽で棲み分けさせるか、上手くペアになれば同種の混泳も不可能ではありませんが、初心者はヘラルドヤッコ同士の混泳に挑戦するのはやめた方がよいでしょう。
サンゴとの飼育は無理
ケントロピーゲ属のヤッコであるヘラルドヤッコは、サンゴを突いて食べてしまいます。サンゴを飼育している水槽にはヘラルドヤッコを入れない様にしましょう。
沢山のSPSを飼育している120cmくらいの大きな水槽に、突かれる前提で入れる人もいますけどね。小さな水槽では、サンゴが回復する前に食べ尽くされてさしまうでしょう。特にソフトコーラルは食べられやすい傾向にあります。
ライブロック
ライブロックはサンゴが風化したもので、水槽に入れるだけで海中の雰囲気が楽しめます。混泳させる場合、水槽にはM〜Lサイズの大きめのライブロックで隠れ家となる山を1〜2個組み上げて、逃げ込めるシェルターを確保して下さい。
水質
ヘラルドヤッコは海水魚なので、塩分濃度が1.020〜1.025の海水を用意して下さい。海水を作る水の水温を25度に合わせてから人工海水を水道水に溶かし、塩分濃度を比重計で測りながら海水を作ります。
硝酸塩の濃度は50ppmまでは問題なく耐えられますが、硝酸塩の濃度が高いほど病気になりやすいので、混泳水槽では水質の悪化に注意して下さい。
エサ
ヘラルドヤッコは人工エサも冷凍エサも選り好みせず食べてくれます。ショップで人工飼料を与えているなら、水槽導入直後から人工飼料を食べてくれるはずです。
一応、ショップで与えていたエサを聞いて、同じ物を購入するのがおすすめですよ。同じ餌の方が、環境が変わって拒食しても、慣れて食べ始めるまでの期間が短くて済みます。
水槽導入初期は食い付きの良い冷凍エサを与えるのもおすすめ。
病気
幼魚期と水槽の導入初期だけは、水質の変化によって「白点病」や「トリコディナ症」になってしまうことがあります。しっかり水合わせを行うようにして下さい。成魚になれば丈夫な魚ですから、よほど水質が悪化しなければ病気になることはありません。
病気を防ぐには、とにかく1〜2週間に1回は水換えをして、良好な水質を維持して下さい。