スピニングリールとベイトリールは、どちらも釣りに欠かすことの出来ないリールですが、使い分けがイマイチわからない方もいるはずです。
今回はスピニングリールとベイトリールの違いやメリット、デメリットを詳しく解説します。
《スピニングリール、ベイトリールの特徴とメリットとデメリット》
〈スピニングリールの特徴とメリット・デメリット〉
子供でも使い方を教えてあげれば、難なく使えるのがスピニングリールの強みです。
【スピニングリールのメリット】
・誰でも簡単に扱える
初めてリール扱う全くの初心者でも、スピニングリールなら簡単に扱えます。
現在、ベイトリールを使っている人でも、ほとんどの人がスピニングリールで経験を積んでからベイトへ移行していますよ。
・天候に左右されない
ベイトリールは向かい風や強風でのキャスティングが難しくなるのに対して、スピニングリールは、釣りが出来る天候なら、強風であろうと気にする事なくキャスティングが可能。
・ハンドルを左右に付け替えられる
スピニングリールのハンドルは、利き手に合わせて、左右好きな側にハンドルの付け替えが出来きます。
【スピニングリールのデメリット】
・糸にヨレが入る
スピニングリールの弱点と言えるのが、ラインにヨレが入ること。スピニングリールは、ラインを巻き取る際に、ラインローラーを介して、ラインを90°折り曲げてスプールに巻き取るが、この時にラインにヨレが入ってしまう。
PEラインは殆ど気にならないのですが、ナイロンラインやフロロカーボンラインはヨレが強くなると、ガイドに絡みやすくなるので、切り詰めたり交換しないといけなくなる。
・小型のスピニングリールは太糸の使用には不向き
フロロやナイロンラインを扱うバス釣りなどでは、スピニングに太糸を巻くと癖がつきやすいため、太糸の使用はベイトリールに譲るしかない。
・耐久性はベイトリールに劣る
スピニングリールは部品が多い。パワフルな釣りではベイトリールより早くガタがでてしまう。
・パワーロスが多い
スピニングリールはハンドルの回転軸を90°曲げて、ローターに伝えるので、パワーのロスが多い。
さらに、ローターと呼ばれる、回転してラインを巻き取る為のパーツが付いているので、どうしてもベイトリールより巻き出しが重くなってしまう。
〈ベイトリールの特徴とメリット・デメリット〉
リールをロッドの上部に配置スピニングタックルと見比べるとすぐに分かる違いが、ベイトリールは専用のベイトロッドの上部に配置されています。
【ベイトリールのメリット】
・片手で操作できるので手返しが早い
片手だけでもクラッチのON-OFFが切り替えられる構造のおかげで、ロッドを握る手の親指でサミングなどの操作が出来きます。
スピニングリールのように、キャストに移る際にもう片方の手でベールアームを開く必要がありません。
・フォールでアタリが取れる
ベイトリールは構造上、ラインに一定のテンションを掛けながら送り出すため、フォール中のアタリがハッキリと手元まで伝わります。
ラインもロッドの上に乗る構造なのもアタリの取りやすさに貢献しています。オフショアジギングにはフォールでのアタリが取れるベイトリールでなければ成立しない釣り物もありますね。
・巻き上げ力が強い
ベイトリールは構造上、パワーの伝達ロスが少なくパワフルな巻き上げが可能です。
スピニングリールはハンドルの回転方向を90°曲げ、重いローターを回転させてラインを巻き取りますが、ベイトリールはドライブギアの力を直接スプールシャフトに伝え、スプール自体を回転させることでラインを巻き上げます。
このことから、ベイトリールは非常に力の伝達率が高く効率的なことがわかります。ルアーフィッシング以外の大型のマグロ釣りなどでは、ほぼ大型のベイトリールが使用されています。
・重量が軽い
同じ糸巻き量のスピニングリールと比較すると、ベイトリールの方が自重が軽く作られています。
スピニングリールには、ラインを巻き取る為のローター、リールフットなどベイトリールには付いていない大きな部品も多く、どうしても自重が重くなってしまいます。
・頑丈
ベイトリールはスピニングリールと比較して部品も少なく構造が単純なので滅多に壊れません。確実にベイトリールの方がスピニングリールより長持ちします。
・太糸での遠投性能が高い
ベイトリールはガイドに対して真っ直ぐにラインを放出するので、ガイドとの摩擦が少なく、スピニングリールより太糸の遠投性能で優れています。遠投カゴ釣りでは、スピニングタックルよりも高い遠投が可能です。・ドラグ性能が良い
ベイトリールのドラグワッシャーはドライブギアに組み込まれています。大きなワッシャーを搭載出来るので、スピニングリールよりドラグ力を高く設定しやすいです。
製品よって差があるので、必ずしも当てはまりませんけどね。
レバードラグ式のベイトリールなら、同じ糸巻き量のスピニングリールと比較して、より高いドラグ性能を有しています。
スピニングリールは、スプールから勢いよくラインが巻き出されると、スプールが高温になり、ラインを痛めることがありますが、ベイトリールはドラグとスプールが完全に分かれているので、ドラグが発熱してもラインを痛める心配はありません。
大型のマグロやカジキなどを狙う釣りでは、大抵の場合、大型のベイトリールが使用されています。
【ベイトリールのデメリット】
・バックラッシュ
どんなにブレーキ性能が進化しても、ベイトリールの使用ではバックラッシュの危険が付きまといます。
ベイトリールはアングラーの技量に左右されるリールです。
・ヘビールアーのロングキャストには不向き
マグロや大型魚を釣るような、60gを超えるヘビールアーの遠投は苦手です。これは重いルアーを瞬間的に大きな力を掛けてキャストするので、対応するブレーキ性能の限界もあるでしょう。
ベイトリールはサイズが大きくなると、スプール自体と巻き込むラインの重量が増大するので、何処かでキャスティングに使える限界が来るんだそうです。
確かに、マグロやGT用のベイトキャスティングリールって無いですもんね。
・巻取り長さが少ない
ベイトリールは、スピニングリールと違いスプールの直径が小さく、巻き上げ長は同じギア比、糸巻き量のスピニングリールに劣る場合がおおいです。
ベイトリールは、スプールをボディ内に収めないといけないので、構造的に仕方ない部分ですね。
・性能の維持はメンテナンス次第
ベイトリールは構造上、水が内部に浸入しやすいので、定期的にメンテナンスをしないとスピニングリールより性能の低下が早くなってしまいます。
ベイトリールはスプール軸のベアリング、ブレーキとキャスティングに影響が出るパーツが多いので、初期性能を維持するためには、不具合が出ないように、日頃の確認やメンテナンスが必要不可欠です。
ラインを均一に巻き取る、レベルワインダーを左右に動かすウォームシャフトギアが剥き出しなので、特に海水で使用するなら、しっかりとシャワー洗浄と定期的に注油してあげましょう。
・ハンドルの向きが決まっている
購入時に右巻きか左巻きを選択しないといけません。買い換えないといけないので慎重に選びましょう。左巻きのベイトリールを購入して、馴染めなかったとしても、ハンドルを付け替えられないので買い換えるしかありません。
《スピニングリールとベイトリールの使い分け》
〈スピニングリール〉
・釣り初心者はスピニングリールを選ぼう
スピニングリールは子供も簡単に扱えるし、殆どの釣り物に使うことが出来ます。とにかく釣りが初めての人は、使いやすいスピニングリールを選びましょう。
・キャスティング全般に使える
ルアーフィッシングから餌釣りまで、全ての釣りに使う事ができます。
【スピニングリールの使用が有利な釣り物】
・オフショアキャスティング
・ショアジギング
・投げ釣り
〈ベイトリール〉
ベイトリールは、ホルダーにセットした状態での巻き上げが出来るので、パワーの必要な船からの餌釣りにおすすめ。
特にマグロやカツオのコマセ釣りでは、ベイトリールの使用が一般的。
・フォールでアタリを取る釣りに
ジギングでフォールでアタリを取るならベイトリールを使用する。
・正確なキャスティングはベイトタックル
ベイトリールはキャスティングのコントロールが良いので、バス釣りなど、近距離での正確なキャスティングを必要とする釣りに活躍します。
バス釣りでは、太糸の使用ができ、手返しもよく、巻取りパワーがあるので、カバー撃ちや巻き物全般に使用される事が多いですね。
・太糸の使用に最適
ナイロンやフロロカーボンラインの太糸を巻くなら、コンパクトでも糸巻き量が多く、ラインの放出もスムーズなベイトリールが最適です。
【ベイトリールの使用が有利な釣り物】
・ジギング
・船からの大物の餌釣り
・バス釣り
・雷魚釣り
・遠投カゴ釣り
・石鯛釣り
スピニングリールとベイトリール、双方をうまく使い分けて、釣りを楽しんで下さい。
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